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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.4

評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

2014/10/28 17:05

投稿元:ブクログ

 1927年にミシシッピ川流域でアメリカ史上最大の洪水が起こったことはとても有名な史実であるにも関わらず、米国民の大方からは忘れられているという。その時代、その災害のさなかで密造酒作りを稼業に選んだ夫を持ったディキシー・クレイは、幼い子を洪水で失い、今では自ら密造酒作りの日々を送っている。

 そこに一家惨殺の生存者である赤ん坊をひょんなことから連れ歩いていた密造酒取締官インガソルが現れ、ディキシー・クレイのもとに神の子を授ける。それが皮肉な運命の出逢い。水は方々で土手を決壊させ、多くの街を水底に呑み込んでゆく。この世の終わりとも言うべき1927年の世界の中で葛藤する男と女の出逢いを描く、南部の叙事詩が本書である。

 この骨太の愛の物語を書き綴った語り部は、衝撃の短編集『密猟者たち』で、凄まじくぼくの心臓を打ち抜いたトム・フランクリン。ただし、今回は夫人との共同名義であり、その婦人は詩人であるという。そう言われてみれば、このフランクリンの初めて目にする長編作品、とても骨太でありながらたまらなく叙情的だ。映像で言うならばサム・ペキンパの世界。

 常に轟轟と流れる大量の水の重低音をバック・ミュージックにして、時折り流れる硝煙の匂い。そこに生き抜こうとする大自然と戦う人間たちの姿。命を玩具のようにジャグルする非情な悪党たちと、南部男を象徴するような圧倒的存在感を見せる先輩取締官ハム・ジョンソン。

 アメリカの歴史と時間とその世界の空気をまでも包括して表現しようとする作家の意気込みに溢れたペンワーク。これぞ小説! と言いたいくらいに印象的で、セピア色したノスタルジー・カラーいっぱいの力作活劇であり、大仕掛けな恋愛物語なのである。モルト・ウイスキーのストレートみたいな作品をお求めの方に!

2014/09/17 22:46

投稿元:ブクログ

1920年代のアメリカ南部。
密造酒造りを行う女と、捜査官。
孤独な女と男は、みなしごを通じて偶然出会う。
子を失った女と、親を知らぬ男。
決してまじわらぬはずの運命が重なるとき、「愛の物語」が始める。

ロマンチックな部分もあれば、活劇もあり。
赤ちゃんを思うヒロインの心情、こまやかな気配りにじんとくる。
ディクシー・クレイとインガソルの人物描写もよかった。

2015/01/31 13:18

投稿元:ブクログ

90年近く前のアメリカ深南部でこんな大災害があったなんて全然知らなかった。若い男女が運命の出会いによって自分自身の人生を歩み出す話。特に一度赤ん坊を失って人生を諦めている女が、思いがけず新しい赤ん坊を手にしてからの喜びが印象的。守るものがあるからこそ、人は強く生きられるんだなって思った。

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