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hontoレビュー

猫のゆりかご(ハヤカワ文庫 SF)

猫のゆりかご みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー79件

みんなの評価3.8

評価内訳

79 件中 1 件~ 15 件を表示

おかしくて悲しい、人間的な絶望の物語。この本が読み継がれていくとしたら、それこそ「どうしようもない絶望」を笑うしかないのかもしれない。

2008/01/09 15:12

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ヴォネガットの作品の中でも好きな一冊である。著者が昨年なくなったことで懐かしく思い出し、読み直してみた。おかしくて悲しい、人間的な絶望の物語である。今回も一気に読んでしまった。
 短い章を重ね、格言のような言葉を織り交ぜてストーリーを展開していく、著者の作風がよく現れた作品である。最後の著作となった「国のない男」にも、この作品からの引用が結構ある。作者も好きだったに違いない。

 語り手が「ヒロシマへの原爆投下の日、アメリカの重要人物は何をしていたかの話を書こうとしていた」ところから始まる、仮想の物質が世界を破滅させるというSFじたての物語である。複雑に絡む人間関係、どこかに第二次大戦のなごりを引きずった人々。「猫のゆりかご」は、「ある、と思わされているものがほんとはどこにもないんだ」ということを表した、著者の強烈なメッセージである。登場人物がみな風変わりで可笑しく、その人間的などうしようもなさが絶望的に悲しくもあるが、それを「ボコノン教」と名付けられた宗教の名の下に語られる格言や警句が笑い飛ばしていく。これらの言葉はときに馬鹿馬鹿しくときに鋭く、翻弄させられ、迷走(瞑想?)させられてしまう。設定は書かれた年代を反映しているが、描かれている人間の姿は現在でも活き活きと真実味を帯びている。人間のどうしようもなさはいまだに変わらない、とこの本が読み継がれていくとしたら、それこそ「どうしようもない絶望」を笑うしかないのかもしれない。それでも読み継がれて欲しいし、きっとそうなる本だと思う。

 まだの人は是非読んでみて欲しい著者の代表作の一つ。伊藤典夫さんの訳も結構いい。「国のない男」に英文が一部引用されているので、翻訳をちょっと比較してみるのも面白いだろう。

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私のカラース

2005/04/15 15:37

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なふん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ボコノン教の教えは示唆に富んでます。私の運命を決定付ける人は誰なのかな…と、誰もが読後考えてしまうと思いますよ。

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必然的破滅

2001/11/29 23:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marilyn_hanson.com - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いくつかのフラグメンツから全編が構成され、世界滅亡にいたるというヴォネガットにはありがちなパターンだが(のような気がするが、)この作品が初めてこの形で書かれたもののようです。
 架空の宗教、ボコノン教の儀式「ボコマル」は山本直樹「ビリーバーズ」で引用された。(豆知識)

 ネタばらしをまずしてしまうんですけど、周りの水分すべてを同じ結晶状態にしてしまう「アイス・ナイン」がばら撒かれることで世界は滅亡します。

 このアイスナインを作ったのが人畜無害な博士で何ら破滅的意図もなしに(学術的興味のみで)作られたものであるのに、その後の博士の子孫やその他の人間の様々な思惑によって上記のような結果になってしまうところに、ヴォネガットの皮肉とストーリー作りのすごさを感じますね。

 「ガラバゴスの箱舟」も(ネタばらしになりますが)人類が退化し海獣のように這いずり回りながら、暮らす、というなんとも言えない結末で終わるのですが、「ガラパゴス〜」の破滅も、この作品の破滅も、まるで非現実的なのに「でも、あるかも」という妙なリアリティを抱かせるところがあって、そういうところは楳図かずおの『漂流教室』に通じるものがあるとも思います。

 結末がさらっと滅亡で終わるのですが、そのほかの断片も特に感情も交えず登場人物の言動の描写だけで進んで行きます。ただ、その言動によりその時々の登場人物の感情が読み取れるだけ。
 結局、世界のどんな事柄も一つとしてドラマになどなりえず、また、すべてがドラマなのだとヴォネガットは言いたいのかもしれない。世界の終わりでさえも。

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猫、いますか?ゆりかご、ありますか?

2000/12/19 07:25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:子房 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ヴォネガットの出世作にして最高傑作(と思う)。これを読めば、あなたも今日からボコノン教の信者になれる! さあいますぐボコノンを称えるのだ——

 はじめから説明すると、主人公の作家はある事情で故人の科学者について調べはじめて、あるきっかけで科学者の子供たちと知合い、ある事情で南の島国にでかけ、ある要因で世界の荒廃が起こる。というとても分かりやすいお話。

 とにかく愉しい小説だ。細かい章立てによる皮肉と諷刺の数々。小話の羅列でありながら立派なひとつの物語が構成されている素晴らしさ。この手法を彼が本格的に使用しはじめたのはこの作品が最初だそうだが、最初でこれだけの上手さをみせているのだから凄い。

 さらには登場人物の俗っぽく、だからこそ共感してしまう悲哀。アイス・ナインを利用して、自分たちの求めるものを得ようとする三人の兄弟。素朴な苦悩と、素朴で当たり前なことを語るボコノン教。ふたつの重なりは、いつしかしだいに厳粛な気持ちを読む者に及ぼす。最後まで笑いながらも、終わったあとしばし呆然としてしまう。宙空に猫を、ゆりかごを探してしまう……

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2004/12/28 15:43

投稿元:ブクログ

カート・ヴォネガット・ジュニア。初めて読む作家。
架空の宗教と世界の終わりの話。結局世界は終わったのかははっきりしないけど。
面白い。これは一時期爆発的に流行ったというのも頷ける。荒唐無稽なようで実際荒唐無稽なんだけど、それとは裏腹に語り口は緻密で無駄がない。
あんまりあっさり話が進んでいくので、根っから読み飛ばす性質の私は何度か肝心な部分を見落として読み直してしまった。「あれ、いつのまに死んだの?!」みたいな。

誰かの作り出した想像の世界がこれだけすんなり飲み込めるのは何か不思議な感覚。じつは万人がそれぞれ勝手に膨らませる想像の世界って、並べてみたら驚くほど似てたりするんじゃないかしら。
そんなことをふと考える。

2004/10/31 11:32

投稿元:ブクログ

内容については読み返してからということで。とりあえずu:sagaでアイスナインという術名を見て思いっきり吹いた事だけ記しておこう。

2006/06/25 21:03

投稿元:ブクログ

これはいいなあ。

僕の中で本に当てる物差しというのは二本あって、それはつまり「面白い小説かどうか」と「良い小説かどうか」ということ。

「面白い小説かどうか」、というのはつまり物語として面白みがあるか、読み物として楽しめるか、ということ。これは単純にエンターテイメント性と言ってしまってもいいかもしれない。

それに対して「良い小説かどうか」、というのは文体・構造・意図などを通して心動かされるかどうか、ということで、あるいは世に言う「文学性」というものがこれにあたるんだろうと思う。「文学性」という言葉はどこかこそばゆく気恥ずかしいけれど。

そこでこの『猫のゆりかご』だけれど、どちらの物差しを持って読んでみても満足できる稀有な小説の一つ。翻訳もなかなか楽しい言葉選びをしていて(カート・ヴォネガットのジョーク性を汲み取ってのことだろう)、「ノーモアぬかるみ」なんて章題が飛び出してきたりする(そういえば確か初期の村上春樹はカート・ヴォネガット翻訳文体に直接的な影響を受けて『風の歌を聴け』を書いたんだったっけ)。

前々からカート・ヴォネガットは読んでみたかったものの、「ハヤカワ文庫SF」なんかに入っているのだから探し出せなかった。ハヤカワと言えばミステリやSFなんかの、読者層年齢の高い完全な娯楽小説だからまずその本棚を探してみるなんて事すらしていなかったのだ。不覚というのか何というのか。

これから他の作品もどんどん読んでいきたい。

2004/11/30 06:32

投稿元:ブクログ

ヴォネガットのすばらしいところは、読後3分間は確実に泣けるところ。知らない時代、知らない国、知らないところを旅できます。読み終えた瞬間、誰もがボコノン教徒になってしまうのもヤバイところ。

2006/12/26 10:54

投稿元:ブクログ

学生時代にゼミの夏休みの宿題で読まされた一冊。
星新一系SFはもともと結構好きな方なので、活字アレルギーでも割と読み易くて面白かったです。
アイスナインが登場した時は、世界中が凍ってしまぅ!と本気で絶望的になりました;
読み終わる頃にはすっかりボコノン教に染まってるはず!

2005/05/27 00:10

投稿元:ブクログ

冗談を言うみたいに世界が終末を向える。そんなお話。
読み終わる頃にはあなたもボコノン教の信者になっていることでしょう。

2005/07/30 06:34

投稿元:ブクログ

適当に見えて、主人公とそのカラース達はしっかりばっちり世界を破滅に導いていたらしい。これはハマる訳だよ…

2011/05/11 06:46

投稿元:ブクログ

ヴォネガットがこの話で何か伝えようとしていたとするなら、それはこんなことだと思う:

人間はちっぽけで愚かだけど、そして沢山の間違いを犯すけど、でも人間てそんなに悪くないよ、ぼくは人間のことが好きだよ、たとえ結末がどんなに寂しいものになっても。

そして、もうひとつあげるなら、見方を変えなよ、ということ。
真面目すぎる視線を流して、斜めから受け取る方法をこの本は教えてくれるはずだ。ボコノン教という名前の、新しい宗教と一緒に。

正直なところ、書き手のシニカルな視線にはげっぷがでそう。でも、科学者の好奇心が世界を終わらせる物語は、今のこのタイミングで読むと、ぞっとする。

ただ、真摯な科学者って狂信者ではなく、むしろヴォネガットのように、真実を斜めから見ることができる人たちじゃないかな、ということは付記しておく。

その意味では、このお話の中で、科学は宗教だし、宗教は科学なんだ。

2006/09/27 01:10

投稿元:ブクログ

広島に原爆が落とされた日、アメリカの重要人物が何をしていたかを記す本「世界が終末をむかえた日」の執筆にとりかかった作家が遭遇する奇妙な事実の羅列。嘘と皮肉とたわごとからなる宗教、ボコノン教の教条を中心にして語られる、世界の終末を描いたSF作品。ボコノン教の聖典、「ボコノンの書」はこんな文章で始まる。すなわち「私がこれから語ろうとする様々な真実の事柄は、みんな真っ赤な嘘である」作中で幾度も引用されるボコノンの教義が物語の重要な根っことなるのだが、それらが全て上記のような人を食ったものばかりであり、決して明確なテーマなんぞはそこからはうかがえない。それでも本を読み終えたとき、肩の荷が降りたし、目の前が明るくなった、ボコノン教が好きになった。
人生の目的も見出せず、苦悶の中でウロウロしていることしかできない、人間存在の悲惨さが作品には描かれている。予期せず降りかかる不幸や苦難。それらに意味、意図があったのなら納得もできる。なぜ自分がこんな目にあうのか、と。旧約聖書の一遍「ヨブ記」では、神の気まぐれにより次々と苦しい試練を与えられる男ヨブのことが語られている。彼は信仰心の厚い自分が何故こんな目にあうのか、と嘆きながら悲惨な人生をおくることになる。それでも彼には神がいた。それが苦境の中での慰みになった。ひどい人生に耐えられた。では我々は?神を失ってしまった現代の多くの人のよりどころは何だろうか。ボコノン教はその役割をはたさないし、むしろ悩める人々を足蹴にしている。けれど、虚偽の上に成り立つ思想、信条を一度飲み込んでしまえたら。人が存在する事実だけを認め、これ以外に真実を求めなければ。ひどい人生を積極的に受け入れることもできるんじないかな。長い感想に目が回る、目が回る、目が回る・・・

2010/09/12 01:50

投稿元:ブクログ

タイタンの幼女、スローターハウス5ときて猫のゆりかごを読んでみた。スローターハウス5がいちばん好きだったけど、3作ともとても滑稽で悲しくて美しい世界観に心が揺さぶられた。

先に読んだ2作もそうだけど、猫のゆりかごに出てくる人間も、ユニークで憎めないどうしようもない人たち。クールに見える主人公でさえ、美女と権力に心が躍る。その美女は頭がカラッポだし、与えられたのはろくでもない国なのにも関わらず。

『こんな男には気をつけろ。何かを学ぼうとしてさんざん苦労し、学んだあとで、自分が少しも利口になっていないと気づいた男。そういう男は、自分の愚かしさにたやすく気づいた人々を殺したいほど憎んでいるものだ』

『泥のわたしがこんな思い出を持つことができるなんて!』

どうしようもない人々の中で、フィーリクス・ハニカー博士がいちばん好きでした。

2008/10/01 18:47

投稿元:ブクログ

 原爆の開発者が残した、全ての物を氷にしてしまう「アイス・ナイン」を中心に物語は回ります。開発者の三人の子供、サン・ロレンゾ共和国の独裁者モンザーノ、その養女モナ、そしてボコノン教の教祖ボコノン。主人公が遠くから眺めていた人たちが、話が進むにつれぐっと近づいて来ます。何とも忙しい話でした。章も細かく分かれています。色んなことが起こるけれど、しかしそれが嫌にならない。いったんはまり込むと最後まで止まらなくなる感じ。読み終わった後は誰もがボコノン信者になることでしょう。

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