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断絶への航海(ハヤカワ文庫 SF)

断絶への航海 みんなのレビュー

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みんなのレビュー10件

みんなの評価4.0

評価内訳

10 件中 1 件~ 10 件を表示

「ほかならぬ自分が戦わなければならなくなると、戦い取る価値のあるものなんて、びっくりするくらいわずかしかないもんです」

2010/07/21 15:47

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 宇宙の彼方の植民惑星を舞台に、「無尽蔵の資源とそれを活用する技術が与えられ、しかも過去の思想や因習に囚われない世界に放り出されたとき、人間はどのような世界を構築するのだろうか」という思考実験をおこなった作品で、ホーガンがたびたびテーマとした、保守的で硬直しきった組織と自由闊達な人々との対立を背景に、かろうじて理解可能な程度に異質な思考をする文明と接触した顛末を描いた長編。
 旧世界ではダメ人間とレッテルを貼られたような人々が新世界に適応して活き活きと動き出す姿と、旧世界のエリートが空回りする姿を笑い飛ばしながら、文明(価値観)の対立、教育の重要性、社会秩序と統治機構などについて考えていくハードSFアクション。
 『星を継ぐもの』や『未来の二つの顔』といった代表作には劣るものの、好きなホーガン作品の1つです。

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解説で内容の面白さを知る

2005/10/05 18:16

14人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

完読に3ケ月掛かった。評論を読む事が多い私だが、たまには、小説も読みたくなり、小説ならば、SFだなという事で書店で目に入った文庫本を購入した。かなり、分厚い本で、読み応えに期待したのだが、内容は、ほとんど分からなかった。途中からは、字面を追っていただけのような気がする。やっぱりSFは、アーサー・C・クラークが最高である。彼の作品で退屈をした覚えが無い。本書の内容は、解説を読んで初めて理解出来た。地球人がある惑星に移住し、その惑星で繁殖、人口を増やす。その後、大規模な宇宙船で大量の地球人を送り込むが、その時は、その惑星の住人の生活、思考等は、地球人のそれとは、全く違うものに進化していたという話しだったそうである。その概要を知ると、面白そうだと思い、読み直そうかとも思ったが、止めにした。その惑星では、貨幣は意味を為さないものになっているという。私の理想の社会である、お金の無い社会がこの小説には描かれていたのである。理解出来なかったのが残念に思った。本書を読み終えて、小説はもういい、また論評の読書に戻ろうと思った次第である。次に読む小説もやっぱりSFになると思うが、もう少し分かり易いものを選ぼうと思う。

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2005/10/09 11:15

投稿元:ブクログ

第三次世界大戦前夜にDNAとロボットを乗せてアルファケンタウリ系に殖民した人類と、第三次世界大戦を潜り抜けたばかりのアメリカ人派遣団の奇妙な戦い。
通貨の存在しない社会、契約の存在しない社会は成立しうるか。
2004年に新装版が刊行されている。が、私が持っているのは旧装丁版。

2010/02/27 09:31

投稿元:ブクログ

SFという舞台ではあるけど、「異文化の接触」がメイン。
科学的なところが少なく、政治的な部分が強い。
登場するキャラクター・個性が弱い上に、登場人物も多いので、感情移入できないままに話が進んでしまう、という印象。
(特殊な人達を描かずに、普通の人を描いているから致し方ない)
ということで、グイグイ引き込まれるような内容ではなかった。★2つ。

2011/06/19 22:29

投稿元:ブクログ

エネルギーと資源は無尽蔵であり、無料で提供され、単純な肉体労働は、ロボットがおこなうため、ケイロン人のステータスは、己の才能を磨くことに競争心を燃やす。

ただし、単なる平和主義ではなく、報復手段を隠し持ち、まず相手に協調をもちかけ、どうしようもない人なら、自衛の為に先制攻撃をしかけて撲滅する。ゲーム理論にもみられる、最も有利な戦略を使う。

2010/06/11 23:07

投稿元:ブクログ

Twitterでゲーム理論のことを書いていたらオススメされたので買いました。
登場人物が多いし(しかもカタカナ)話は長いしで、途中で一度挫折し、読書再開後はメモ取りながら読みました…

読みながら考えたことは、もちろんゲーム理論のことと、マズローの欲求段階説のこと。生まれながらにして死や飢えに対する恐怖が少ないケイロン人、という前提を頭に。

解説で囚人のジレンマについて書いてあるので、ゲーム理論に興味があればそこまで読みたいですね。

2011/07/28 22:30

投稿元:ブクログ

エネルギー、物質が無制限に手に入る環境でのどかに生きるケイロン人と地球人移民団の異文化遭遇のお話。
いろいろと突っ込みどころはあるけれど、僕はケイロンに住みたいなあ。

2010/08/09 23:09

投稿元:ブクログ

資源が無制限に近い形であり、かつ旧来からのやり方から逃れることができるとこのような社会ができるのかもしれない。
いつか我々もテクノロジーが発達し同様音状況になったら
物質への執着をなくし、互いの信頼が貨幣になることはあるだろうか。

2011/09/16 20:27

投稿元:ブクログ

冗長である

 確かに面白い作品であるんだが、驚く結末は存在しない。読んだとおりである。地球の滅亡を予期してはるかな星に遺伝子だけを送り、そこで人類の復興を企図する。それは成功し、地球から最後の人類が遺伝子から育ったネオ人類に会いに行くということなんだが、どうもこの作品は反戦色が濃すぎてSFにはなじまない。

 辛口ではあるが、長いだけだったといっても過言ではない。むしろ、「囚人のジレンマ」を扱った解説のほうが楽しかった。こっちは読み応えがある。

 ということで少し残念だったので、しばらくホーガンから離れることにする。

2012/03/18 00:00

投稿元:ブクログ

われわれは新しい思想を開発しなければならない。
これはハーラン・エリスンの言葉です。J・P・ホーガンの作品を読むのは初めてですが、本書はスペキュレイティヴ・フィクションの名にふさわしく、また娯楽作品としても十分な仕上がりになっていると思います。
地球人類の種から生まれたものの、そこが惑星ケイロンであり、機械によって育て上げられたゆえに、宇宙人であるケイロン人と、40年後に地球から<メイフラワー二世>で、ケイロンを新世界として当然の権利とばかりに植民しようと乗り込んできた人類との出会いが生む葛藤、軋轢、衝突、和解といった様々な状況で、登場人物と共に僕自身、内宇宙に誘われ、ある種の気づきに直面せざるを得ませんでした。優れたSF、あるいは幸運な読書体験というものはいつだって他者との邂逅、つまり自己の変様を用意してくれるものです。
「われわれはすべて地球という異邦の惑星に住む異星人である」再びハーラン・エリスンより

本書から印象的だったセリフをいくつか紹介します。
「でもだれでも何か、見どころはあるものです。人間の心は無限の資源だって言ったけど、でもそれは無駄遣いしないとしての話だ。これ、面白いパラドックスだと思いませんか?」
「ケイロンでは、富はその人の能力なんです!気づきませんでしたか?彼らはよく働くし、やるときには全力を尽くす。そして常に向上に努めている。いいことであれば、何をしようとそれは問題じゃない。そしてみんながその価値を認める。あなたの言われた他人に認められること――それが彼らの通貨なんです……能力を認められることです」肩をすくめ、両手を広げて、「これでかなり意味が通るんです。今あなたも、それこそみんなが求めるものだと言われましたよね。そう、ケイロン人は、象徴的なものを媒介とせず、直接それを支払っているんです。世の中をわざわざややこしくする必要はないでしょう?」

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