電子書籍
ヒロインは誰?
2018/11/22 14:02
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名にあるサラがヒロインかと思ったが違った。
女性棋士達の盤上の争いと狂言回しとしての棋士崩れの男性との設定は巧みである。
将棋に限らず、芸術や学問の世界では天才レベルになると論理の組立てではなくイメージ.形で考えるようになる という話を聞いたことがあるが、それを具現化しようとした作品と思う。
紙の本
将棋を知らなくても大丈夫
2015/09/21 00:41
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投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
将棋のプロたちの世界が解りやすくて、興味を持てたけれど、神秘的な天才棋士、主人公サラが、神秘すぎてもう少し知りたかった。次巻に期待
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喋らない彼女に喋りかける将棋。
香車の氷が溶け出したとき
彼女の将棋は生まれ変わる。
時間軸や語り手が複数ある(いる)ものの
ストーリーが追いやすかった。
それに物語の中心となるサラが語り手にならないのは面白い。
彼女が何を考え、感じているのかは読者に委ねられているのかもしれない。
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勧められて読んだ作品。天才・サラと女流棋士トップ・萩原塔子のタイトルを賭けた対局をメインに、それを取り巻く棋士、元棋士たちの群像劇。数多の才能がひしめく将棋界において、サラを使って「天才」という存在を問うていく話なのかと思いきや、意外と周りの人物たちの絡みが濃く、各自の夢・目標・あり方が表に出て面白かった。中盤過ぎた頃からの勢いが凄く一気に読了した。(2014-10-26)
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主人公・サラを取り巻く人たちの視点で物語がコロコロ切り替わるけど、読みやすく面白かった。
将棋の知識は全くなく、ひたすら黙々と静かな中で指していくイメージしか持っていなかったけど、読みながら色とりどりの鮮やかな世界が広がっていくようだった。サラが盤上に見ている景色を見てみたい。続編も読みたい。
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小説すばる新人賞受賞作の文庫化。将棋小説です。面白かった。女性陣の才能の争いもよかったけど、男性陣の挫折がせつない。続編も出てるらしいので、文庫化したらたぶん読みます。
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サラ目線の話しかと思いきや、サラを取り巻く人達のお話。
登場人物が多く目線の切替も多くて関係性がよくわからなくなること多々あり。
誰もがサラを通して希望を抱いて現実と向き合う勇気をもらって前に進めるようになるのは読んでいてとても元気をもらえた気がする。
将棋がわからなくても十分楽しめるし、将棋をしてみたいとも思わせてくれる、そんな一冊。
H27.3.30~3.31読了。
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将棋を題材にした青春小説は初めてですが、一気に読みました。三人の主人公はいずれも女性棋士ですが、彼女らをサポートする棋士崩れの男性陣が、実は影の主人公で、良い味出してます。
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2015.08.10
本屋で見つけ購入。
これから読みます。
将棋ものは初めてです。
購入したらレジでしおりをもらえました。
2015.08.23
題名の音の響きにひかれて買ったものの、なかなか本をめくることはなかったのです。
しかし一度読み始めると(所々休みながら)一気に最後のページをめくり終えていました。
将棋のルールはほとんど分かりません。
この本を読み終えても分からないままです。
ただ重厚な物語がとても素敵に思いました。
最後の解説で「続編が出るらしい」と書かれていました。
いつかサラ達の物語の続きをこの目で読みたい、そう思っています。
あと、スポーツにパラリンピックがあるように、将棋にもそういう部門があれば面白いかもなあと、塔子さんのことを読んで思いました。
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将棋関連小説ということでジャケ買い
文庫版解説にあるように柔らかい香車ってどういうこっとゃ?と思った。
将棋の深さはハチワンやライオンのような表現もあるがやはり文字だけの方がより深く感じられる。
大阪へ向かう新幹線より
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将棋という題材が気になった。
読みやすくあっと言う間に読めた。
だけど感情移入できず・・・
女性だとか、外国人だとか、
そういうアピールは必要だったのかな。
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あまり作品が多いとは言えないジャンル、将棋小説/ 奨励会を抜けられなかったという元天才児たちの憂鬱/ 才能とはなにか、天才とはなにか/ とても面白いし、胸に刺さるものもある/ しかし、個人的にはサラはもう少しコミュニケートできる方が面白いんじゃないかという気がする/ ほとんどファンタジーになってしまう/ 「――プロになったら一緒に暮らして毎日将棋を指して過ごさないか」というくだりがとても良い/ 将棋以外は不器用な二人にそんな素敵な生活があればいいのにと本当に思ってしまう/ しかし、結末は秒速五センチメートルほども悲しい/
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夏場になると出版各社が行うフェアが本屋を賑わす
なかなか読書の進まぬ日々にあっても結構気になるんですよね
で、今回手に取ったのがタイトルに惹かれた本作品です
第24回小説すばる新人賞作品とのこと
さて、感想は
面白い!
将棋に懸ける幾多の才能、勝負の世界に生きる者の努力と感性が描かれた青春小説でした
才能に焦がれ、夢に届かず足掻くものも、また美しいと感じさせます
孤高の女流名人・萩原塔子、感性の申し子・護池サラ、二人の才を追う者たち...
それぞれの葛藤、苦悩が紡ぐ物語の結末に人間の強さとしなやかさを、明日を期待せずにはいられません
もっと、より良く描けたのでは?とも感じさせられる処もあるけど、若い著者であれば、それも又未来があって宜しいね
星は★★★☆(3.5点)
将来期待で、もう半個☆をつけても良いけど、小説の世界も厳しく!と言うことで
しかし、タイトルの「柔らかな香車」は秀逸だな
非凡なセンスを感じる
著者自身の案か編集者の意見か知らぬが羨ましい感性です
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女流棋士それは棋力の差で女性は男性の棋士より劣る事から日本将棋連盟が作ったものである。そこに1人の才を持つ女性の登場により様々な物語が光り輝く作品です。
内容は面白かったがありきたりな場面が多かったように思えた。自分の持つ才とは追求し続けることで見つかり、同時に自分という存在を殺す事である。
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筆者の橋本長道は、元奨励会員。将棋の奨励会は、プロ棋士を目指す人間の集まり。多くの人間は小学生の頃に入会し、同じ奨励会員との将棋の勝負を繰り返していく。好成績をあげるとルールに沿って昇級・昇段をしていく。好成績をあげる者がいるということは、そうではない者もいるということで、昇級・昇段できない者、更には降級していく者もいるということだ。
プロ棋士とは、4段以上の者のことを言う。4段になるためには、奨励会での3段リーグを勝ち抜く必要がある。奨励会の3段リーグは、年に2回の開催であり、各回の上位2名、従って年に4名のみがプロ棋士になれる。前期の3段リーグ参加者は36名、その内の上位2名に入ることは、大変なことなのである。3段になっている者は、それまでの奨励会の中の戦いの勝者であり、勝者のみ36名が集まったリーグ戦を勝ち抜くことが如何に大変なことか。
これまで、中学生の内にプロ棋士になったのは、5人しかいない。多くの者は、中学を卒業しても、棋士になる夢を追い続ける。一方で、奨励会には年齢制限がある。26歳時点でプロになれなかった者は、戦いの場から去らなければならない。
筆者の橋本は、そういった過酷な奨励会の経験者。プロ棋士にはなれず、途中で退会している。そういった過酷な経験が、作品の中に織り込まれている。それは、他者の才能に対する嫉妬であったり、自らの才能に対する絶望であったり、そもそも、才能とは何かという問いであったり。作品中、将棋ライターの、「橋元」という人物が登場する。自らの名前、「橋本」を「橋元」に替えて、将棋の世界に登場させるということは、筆者は、まだまだ将棋というものに対して、良かれ悪しかれ、相当の思い入れを持っているということなのだろう。
題名に含まれる、香車は、将棋の駒の一種類。将棋の駒は、駒ごとに動き方が決まっている。香車は、縦にしか進めない。
将棋を指したことのある人間であれば、香車に対して、「柔らかな」という表現を使うことに違和感を感じるだろう。どちらかと言えば、融通の効かない、柔軟さのない駒というイメージを持つはずだ。
筆者は、敢えて「柔らかな香車」という表現を使うことで、主人公のサラが、これまでの将棋の常識を壊す可能性のある存在であることを示したかったということなのだろう。