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丹生都比売 梨木香歩作品集

丹生都比売 梨木香歩作品集 みんなのレビュー

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みんなのレビュー55件

みんなの評価4.1

評価内訳

55 件中 1 件~ 15 件を表示

2014/11/16 18:37

投稿元:ブクログ

+++
胸奥の深い森へと還って行く。見失っていた自分に立ち返るために……。蘇りの水と水銀を司る神霊に守られて吉野の地に生きる草壁皇子の物語――歴史に材をとった中篇「丹生都比売」と、「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「ハクガン異聞」、1994年から2011年の8篇の作品を収録する、初めての作品集。しずかに澄みわたる、梨木香歩の小説世界。
+++

当たり前のことのようであって、なにかしらどこかしらがほんの少しだけずれているような、躰半分ここではない場所に滑り込み、あとの半分はこちら側に残ったままでいるようなお尻の座らない感じがなんとも堪らない。世界に浸っている間は確か過ぎたことが、ふと夢から覚めるように現実感がなくなり遠のいていくような一冊である。

2015/04/02 09:19

投稿元:ブクログ

面白かった!「月と潮騒」が好きだなあ。マンションの一室に冷蔵庫という媒体を通して入り込んでくる海の気配。

2015/02/15 01:33

投稿元:ブクログ

表題は飛鳥時代の壬申の乱前、大海人皇子が籠った吉野の滝宮での日々。水銀を主題に膨らむ、草壁皇子を描いた物語。
物語全体の雰囲気が清らかで、草壁皇子のイメージにとてもよく似合っていると思いました。
印象的だったのは鵜野讚良皇女。賢く強く、欲が深く、その心の鬼たる欲とずっと対峙しているひと。均衡を崩せばたちまち呑まれる危うさを孕んだ、悲しいひと。父たる天智に似ている、と設定されていたので、これはこのまま梨木さんがイメージする天智かな。
短編集で、全体的に不思議な世界と優しい物語にあふれていると思います。

2016/10/27 19:00

投稿元:ブクログ

ブクログ談話室での質問「古代日本が舞台の小説」の回答にあったのに惹かれて読む。短編集である。表題作「丹生都比売」が古代日本を舞台にした小説。迫力、スピード感がありひきつけられた。植物、鳥などが多くさりげなく,あるいは主張をもって静かに流れる梨木作品は、自然とともに生きたい身には近い。

2014/10/25 09:13

投稿元:ブクログ

表題作を初めとする短編集。過去を釣り上げる話には笑った。他には「コート」と「夏の朝」が印象に残った。

2016/04/07 17:11

投稿元:ブクログ

独特の世界。
短編集だったのでめまぐるしかった。
特に、タイトルの『丹生都比売』はあたしにはちょっと……だったなぁ。

2014/11/08 00:06

投稿元:ブクログ

中短編9作。
秋の夜長に、、、所詮「独り」なんだということが克明でとても寂しい。
「月と潮騒」が一番好きかな。

2014/12/16 02:33

投稿元:ブクログ

「丹生都比売」は、前回よりさわやかなやさしい仕上げのように感じました。
 前作、私は 号泣でした。鬼と対峙しながら激しく生きた 母 持統天皇の 孤独の淵と 草壁皇子の諦念が 水銀という美しい「毒」とからまって 胸がいっぱいになりました。

 歳月を重ねる…ということが漂っているようなしっとりとする作品集になっていると思いました。
 
 「トウネンの耳」 はらはらと涙しました。
読み終えたら じわじわと
自分の中で、終わったんだな っと
寂しいような でもとても胸に落ちる
満たされた思いが あふれてきました。 
今の自分の気持ちを 揺らしてくれて
出会えて 良かったと思える作品でした。

2014/09/28 19:12

投稿元:ブクログ

ほう、と読み終わった。

ユカワアツコ氏の装画も美しく、しおりの色にも喜びを得て、ハードカバーは手痛い出費だけどついつい手を伸ばしてしまう、梨木香歩。

初の短編集。意外。

冒頭、「月と潮騒」から心鷲掴み。
短いお話なのだが、耳に響く潮騒の音が不思議なエンディングを呼んでくる。

「カコの話」では、人魚が釣れたり。

「夏の朝」では、百合から親指姫が生まれる。

明るいファンタジー、ではない。すぐそこにある不思議を妖しく匂わせるのが、らしくて好き。

そうしてタイトルになった「丹生都比売」が一番長くて、切ない。
壬申の乱を舞台に、草壁皇子の幼く哀しい優しさが、戦そのものではなく、彼を取り巻く人々の移ろう心を浮かび上がらせる。

ページを捲る音がいつもより響くような、静寂の一冊。

2015/06/21 10:39

投稿元:ブクログ

長野まゆみさんのささみみささまめのような不思議な話の短編集。
潮騒の月が好きだけど、最後のオチが月に呼ばれた後に飛び降りるみたいなのを想像してしまう。
屋上だからかな。
丹生都比売はああ、梨木さんだ。この流れは…と唸ってしまった。
欲望のために弟、姉、果ては自分の息子まで殺した女。
あの勾玉をみて獣のように泣いたのは後悔なのか罪悪感なのか。
息子として愛してたはずなのに、自分の欲望には勝てなかったのか

2015/01/12 22:52

投稿元:ブクログ

 本のオビに「初の短篇集」とある。
 そうか、そういえば梨木果歩さんの短篇集って読んだことがなかったな、と気が付く。
 まぁ、あの「家守奇譚」なんかは連作短篇だったけど。
 全9篇の短篇で構成されている。
 短いものは数頁、最長で100頁の作品が収められている。
 古くは1994年、新しいもので2011年に発表され、2篇は未発表作品。
 最初の「月と潮騒」「トウネンの耳」は現実と非現実が混淆としている、少しとらえどころのない不思議な作品。
「カコの話」も似たような作品だが、ユーモアやシニカルな味が加わっている。
 既婚の男性が読んだら、思わず考え込んでしまうかも。
 この「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」はあの「家守綺譚」をちらりと思い出させたりもする。
「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」も不思議な内容の話なのだが、その奥底には何か意義深い教訓めいたものが潜んでいるようにも思える。
 この2篇はどう読み取っていいのか、少し迷ってしまう内容だったりした。
 次の「コート」は5頁の小品なのだが、この短い中に心を大きく揺さぶってくれる密度の濃い話がつまっている。
 この「コート」のみが現実の世界に終始した作品になっている。
「夏の朝」もホロリとさせてくれると共に、清々しい読後感を味わわせてくれる素晴らしい内容……ちなみに話の語り手は幽霊だったりする。
 表題作である「丹生都比売」は本書の中では最長の100頁に及ぶ作品。
 歴史物になるのだろうが、歴史の知識が無くても充分に面白く読み進めることが出来る。
 最後の「ハクガン異聞」は鳥や自然を愛してやまない梨木果歩さんならではの作品。
 ちなみに、この話の中で語られている「スノーグース」のレコードとはロック・バンド「キャメル」の作品である。
 作品の世界感に多少の違いはあるが、やはりここにあるのは、一貫して梨木果歩さんの世界であり、魅力に満ち満ちている。
 僕としてはこうした短篇よりも長篇の方がより面白いと感じているのだが、それでもこうして短篇をまとめて読み終えた今は、心が浄化されてとても気持ちが良い。

2015/04/21 23:44

投稿元:ブクログ

梨木さんの、弱いものに対する視線がほんとうに温かくて。文字を追っているだけで癒やされる。
「夏の朝」はもうボロボロ泣いた。夏ちゃんは今でいうところの発達障害とか自閉なのかな?という感じの子なのですが、おかあさんやおとうさんやほかの大人たちの、夏ちゃんを見守る優しさや空回りする一生懸命さがうつくしい。

2014/11/06 10:42

投稿元:ブクログ

【収録作品】月と潮騒/トウネンの耳/カコの話/本棚にならぶ/旅行鞄のなかから/コート/夏の朝/丹生都比売/ハクガン異聞

2014/10/24 23:00

投稿元:ブクログ

しずかな、しずかな短編集。
雨が降る日にとてもよく似合う気がする。しんとした中で読むのがとてもいい。
良質な一冊。何度も読み返しちゃいそう

2015/01/03 13:35

投稿元:ブクログ

梨木さんの作品は、どこか静粛な空気が流れていて、穏やかで温かい空気感があるところに、どこか一本ぴんと張りつめるような空気が通ってると思う。今回収録されている短編にも、私には難しいものもあったけれど、不思議だったり、穏やかだったり、様々な空気感があるけれど、やはり一本なにかすーっと通る部分があって、読んでいて心地よかった。

原生林から発売された「丹生都比売」は持っているけれど、「丹生都比売」は自分の記憶が曖昧で、覚えていないほどだったので新鮮に読めました。
「丹生都比売」は草壁皇子の視点から見た吉野の風景はどこか神々しいぐらいで、静粛としていて綺麗でした。その厳かな象徴ともいえるものが、キサでした。壬申の乱が起ころうとしている時代、今よりも吉野は厳かな場所だったのだと思いました。

他には、「コート」「夏の朝」が良かったです。

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