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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.0

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

2014/12/17 15:56

投稿元:ブクログ

1924年から1933年までの小説が15点.昭和のはじめ頃の世相が感じられるものが多かったが、大佛次郎の「詩人」は古さが見えないものだ.島崎藤村の「食堂」も雰囲気良く楽しめた.

2014/11/22 13:12

投稿元:ブクログ

中勘助『島守』A
島での孤独だが清々しい生活。危篤の報せも受けて。

岡本綺堂『利根の渡』B
盲人、針で復讐。

梶井基次郎『Kの昇天』S
間違いない。

島崎藤村『食堂』B-

黒島伝治『渦巻ける烏の群』B
シベリア出兵。つれないガーリャ。少佐。

加能作次郎『幸福の持参者』B-
蟋蟀いいねぇ。→うるさい!

夢野久作『瓶詰地獄』S
間違いない。

水上瀧太郎『遺産』A
地震が隣家の金貸しとの境界である塀を崩す。
そこから生じた友情。
それが町内会の集団圧力により、粉微塵となってしまう。いやーな話だが。

龍胆寺雄『機関車に巣喰う』S
これがこの本の中の大発見!
こんなにみずみずしくコケティッシュな文章があったとは。
「十三歳の花嫁!
 花どころか蕾にもなってやアしない。――」

林芙美子『風琴と魚の町』B

尾崎翠『地下室アントンの一夜』S
間違いない。

上林暁『薔薇盗人』B
人情物。

堀辰雄『麦藁帽子』S
間違いない。

大佛次郎『詩人』A
スペクタクル。

広津和郎『訓練されたる人情』B
孕んでばっかの玉千代。

2014/11/23 20:38

投稿元:ブクログ

「薔薇盗人」ひもじい少年の心をさらった美しい真紅の薔薇。みなに愛され惜しまれた刹那の美しさを手に入れ、妹の喜びを見たかった……のかもしれないが、貧しさは美を愛でる心さえも摘んでいる。しかし、過ちは回りまわって、今回ばかりはかすかな希望を感じさせるものとなる。子供は無力。だけど、生きている。生きようとしている。作者の暖かな視点を感じることができ、和らかな気持ちになれる。

2014/09/29 21:42

投稿元:ブクログ

『100年の名作』に相応しい短篇が並ぶアンソロジーの第2巻。収録作家は中勘助、岡本綺堂、梶井基次郎、夢野久作、尾崎翠、上林暁など。
岡本綺堂、梶井基次郎、尾崎翠、上林暁の短篇は代表作かそれに近い定番。逆に夢野久作、島崎藤村、林芙美子はおっ、と思わせるセレクトで、バランスのいいアンソロジーになっている……というか、非常に『新潮社』らしいアンソロジーだよなぁ、と思う。

2015/02/28 22:32

投稿元:ブクログ

1924年から1933年にかけて書かれた日本文学から15篇を収録。個人的に面白かった順に。
 
梶井基次郎「Kの昇天」
既読の作品。梶井基次郎の病的なほどに繊細な感覚が冴えかえっている、私的に最も愛すべき短篇のひとつ。月へ昇ってゆく魂、というモチーフにしろ、細かな文章表現にしろ、ただただ美しい。
 
尾崎翠「地下室アントンの一夜」
とっつきにくそうな不思議な出だしに面食らいつつも、すぐその世界に引き込まれた。軽やかに跳ねるような語り口で、読んでいて楽しかった。収録された同時代の短篇たちからも、いい意味で逸脱している。
 
中勘助「島守」
島での穏やかな暮らしが、これでもかというほどの美しい表現の数々で描かれる。島の生活を彩る自然、動物、食物……そういったもののイメージが頭の中にありありと思い浮かんだ。
 
堀辰雄「麦藁帽子」
幼い日の切ない恋愛を巡る物語。恋い慕う人に対しても母親に対しても、中々正直になれない少年時代の複雑な心情を、成長した今の自分が振り返る、という形式がよかった。
 
黒島伝治「渦巻ける烏の群」
シベリア出兵を描いた小説を初めて読んだが、シベリアの厳しい環境が描かれているのに加えて、物語性にも富んでいて面白かった。タイトルの意味にも唸らされた。
 
龍胆寺雄「機関車に巣喰う」
設定そのものは突飛なのだけれど、それを自然と受け入れられてしまうのは、主人公の力強い語りがあってのもの。機関車で暮らす若い男女のやり取りが微笑ましかった。
 
夢野久作「瓶詰地獄」
こちらも既読。島に漂着した兄妹の享楽的な生活が、次第に罪深き地獄へと化していく様子が、海辺に流れ着いた瓶詰の三つの手紙によって語られる。一級品のミステリである。
 
水上瀧太郎「遺産」
悪意の集積というものの恐ろしさがよく判る一篇。心を閉ざした隣人の内実が、高く築かれた塀によって表されており、これもタイトルのつけ方が上手い。
 
加能作次郎「幸福の持参者」
ある夫婦に幸福をもたらした蟋蟀が、徐々に邪魔な存在になっていくのが物悲しかった。あっさりとした結末によって、その物悲しさにも拍車がかかった。
 
上林暁「薔薇盗人」
主人公の置かれた状況が、素朴な語り口と合っていた。最後の、息子のために草履を作る父親の姿が救いになった。
 
林芙美子「風琴と魚の町」
こちらは反対に悲しい結末ではあったが、主人公の持つ子供の目線ならではの無邪気さによって、却って明るく感じる一篇。
 
岡本綺堂「利根の渡」
仇討というテーマは少々凡庸にも思えたものの、随所随所の表現や怪談地味たオチにはゾッとした。
 
広津和郎「訓練されたる人情」
玉千代のキャラクターが快活で、清々しかった。ただ、時代性なのか何なのか、少し現実味がないように思えた。
 
大佛次郎「詩人」
話自体は何でもない内容のような感じがしたが、出来事の前後を敢えて入れ替えて語る、という手法はドラマチックでよかった。
 
島崎藤村「食堂���
変化する時代の流れに取り残される母親の哀しみには共感できた。でも震災後の世間を描く、というのに注力しすぎな気も。
 
全体的に震災や貧困を扱った作品が多かったように思うが、その中でも自分の中のテーマ、或いはモチーフを徹底的に追求しているものもあって、文学の幅広さが感じられて面白かった。

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