紙の本
共感できる
2014/10/03 01:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mami - この投稿者のレビュー一覧を見る
写真部の女の子たちの思春期の葛藤やコンプレックスに共感できる。一度は思ったことのあることを文章で綴っていてくれて、素直に読みやすく、考えさせられるところも。
電子書籍
めんどくさい
2020/01/27 16:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
相沢さんの文章がめんどくさいんじゃなくて、
高校生活って、そんなにめんどくさいもの?
すっごいネガティブなイメージしか沸かないんだけど。
文化系の部活に所属してても、もっと楽しい時間過ごせるんじゃないの?
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写真部に所属する4人の女子高生と彼女たちにまつわる小さな謎を描いた連作短編ミステリ。
作中に登場する女子高生の描き方がとても絶妙だと思います。それぞれが絶対に純粋な少女というわけでもなく、友人の容姿をうらやましく思っていたり、クラスのいじめやそれを止められない自分に悩んだり、友人関係、進学、自分の存在意義…、純粋すぎず、ドロドロすぎず、あくまで等身大の女子高生たちの姿を描こうとしているのが、とてもよかったです。
そして、そうした少女たちの本当の姿を描くために日常のミステリという手段を使っているのも好印象でした。それぞれの謎は、
なぜ突然写真部に友人は来なくなったのか(コンプレックス・フィルタ)、学校の壁ばかり撮られた写真のデータの謎(ピンホール・キャッチ)、告白してきた男子をビンタした女の子、その理由は(ツインレンズ・パララックス)、展示写真をコピー写真とすり替えられた理由(ペンタプリズム・コントラスト)。
こうしたそれぞれの小さな謎が彼女たち自身が見失った等身大の自分を見つけるための謎としてしっかりと話と結びついています。
そしてこの小説を成立させるうえでもう一つ重要な要素となっているのがカメラ。作中の彼女たちはカメラによって救われたり、あるいは傷つけられてしまうこともあります。しかしたとえ傷ついても、そこからの成長をしっかりと描いている、だからこの作品に出てくる少女たちがとても愛おしくも思えました。
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写真部の女子高生4人がそれぞれ主人公のお話。
4編からなり、それぞれが主人公で密接に関わってきます。
一応、ミステリーということですが、あまりそんな印象はなく、読めます。
写真とカメラのことが少し気になる作品でした。
特に「カオリ」の編がよかった。
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高校の写真部に所属する女子4人の悩みや葛藤を描く青春モノ。
4つの短編から成り、それぞれの視点で描かれている。
こういう形式はいいね。各自の視点になってはじめて分かることが
あるから読むのが楽しいし、考えさせられる。
どんなに仲が良い友達でも、相手が心の奥底で考えていることや
悩んでいること、気にしていることが全部分かるわけじゃない。
全体の構成や情景描写、カメラ(写真部)という題材はとても
良かったんだけど、肝心の人物たちがどうもイマイチに感じた。
なんかうまく感情移入できなかったんだよね。
他の小説では女性視点でも我が事のように感じながら読めるので
自分が男だからというのは理由じゃないと思うんだが。
悩みや葛藤を自分で重くしているような主人公たちと、
それが解消するに至るきっかけ・経過のあっさり具合が
バランスを悪くさせているのかも。
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一行目:「恋をした。」
女子高校生4人は、写真部に所属している。それぞれが思春期にありがちなコンプレックスを抱いている。4つの章にわけ、1人ずつの心の内にフォーカスする。
素直な高校生をうまく描けていない。いつもの、ミステリアスで小悪魔的な美少女のほうが、面白いな。
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写真部に所属する女子高生たちを描いた物語。
この作品から感じる空気を適切に表す語彙を持たないのだけれど、ありきたりな表現を使うと透明感がとても魅力的でした。よくこんな作品を男性が書けるものだと感心します。
全く話が変わりますが、写真が上手に撮れるっていいなと最近つくづく思います。
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写真の解説がちょっと想像しづらいけど、そこを、目を瞑れば高校生が好きそうな爽やかででもちょっと鬱々とした気持ちも描かれてる小説。、
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カメラ少女を描いた青春短編集。
写真部女子4人の視点で、章ごとに順番に語っていく手法。
読み進めると、自分の持つコンプレックスと、他人から見た魅力とがリレーされている。
よくあるパターンではあるが、描写は楚々として瑞々しい。
評価が低いのは相性の問題で、私ではなく、少年少女か、あるいはその感受性を保った人が読むべき。
2
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ミラ,カオリ,秋穂及びシズという四人の女子高生が主人公の4つの短篇からなる連作短篇集。全ての短篇をつなぐ驚愕の真相のようなものはない。驚愕のオチも,技巧の限りを尽くした叙述トリックもない。
高校の写真部に属する四人の少女は,それぞれコンプレックスを持っている。しっかりした,学級委員タイプのミラは,女子高生らしい可愛らしさに満ち溢れたカオリにコンプレックスをいだいている。
唯一の後輩である秋穂は,地味でおとなしい性格。カオリだけでなく,しっかりした学級委員タイプのミラにもコンプレックスを抱いている。
女子高生らしい可愛らしさに満ち溢れたカオリは,中学生時代に苛められた過去があり,女子高生らしい可愛らしさを演じているだけであり,自信に満ち溢れたミラにコンプレックスを抱いている。
そして,全員から一目おかれているシズは,普通の女子高生離れした落ち着きと冷静さがあり,成績も優秀。しかし,良家のため,写真を続けることを家族から反対されている。しかし,誰よりも真剣に写真のことを考え,真剣に写真を続けるか,写真をやめるかを悩んでいる。
4つの短篇は,ミステリとして読むなら平凡なデキ。しかし,四人の視点から見た青春小説としてみれば秀逸。特に,カオリについての描写は秀逸。「いじめられた経験があり,いじめられないように何かを演じる」という経験がある人物であれば,感情移入をしてしまう。
読んでいて十二分に満足できた。相沢沙呼の作品は,本当に肌に合う。ミステリとしての物足りなさの分だけ減点の★4で。
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”カメラ”という媒体を介して、女子高生の姿を浮き上がらせる。大部分を一人称で語っているので、嫌でも感情移入する。なかなかでした。
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≪『現像液に浸されて,浮かび上がってくる未来の景色は,どんな色?』(本文より)≫
4人の少女,ミラ・カオリ・秋穂・シズ.
それぞれがそれぞれに抱く悩みや葛藤,そして謎.
カメラが,写真が写すのは過去?現在?
それとも,未来?
坂木司さんの解説も素晴らしい.
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これまで読んだ同作者の作品で一番好きかも。高校の写真部の少女四人、皆それぞれ異なるフィルタをかけて他人を見ている。可愛らしくてうらやましいと思うあの人がただ幸せとは限らないし、天才に見えるあの人が悩んでいないわけじゃない。それぞれが悩み成長し、関係性を築いていく。謎解き要素もスパイスとしてよい匙加減。
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2018年24冊目。等身大の高校生が丁寧に描かれている。それぞれに抱えているものがあって、どうにもならない思いを彼女達はカメラの向こうに求める。カメラの向こうにあるのは、理想の自分だったり、見たくもない現実だったりするけれど、カメラを通して世界を見ることで、それまで見えなかったものが見えることもあるのだと、はっきり思わせてくれる。
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カメラを軸に据えた短編集、心温まる話が丁寧に描かれている印象。ミステリとして売り出された作品ではないが、物語の流れの中でうまく謎が組み込まれており、十分に楽しめるものになっている。また作者の特徴でもあるが、作品が進むにつれて仕掛けが大きなものとなっていくのがとても面白い。どの短編も涙滲んだが、ラストのペンタプリズム・コントラストでは我慢が出来なかった。p217~p218が堪らない。いくつか気になる部分もあったが、素晴らしい作品である。