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新国立歌劇場の合唱指揮者が語る様々なエピソードが強烈に楽しい!
2015/08/10 21:22
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投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は新国立歌劇場の合唱指揮者。1955年生まれ。
現在は日々各国から来日する指揮者と劇場の合唱団を繋ぐ役割を果たしている。
静かに相手を立てながら、ここは譲れないとなると強烈な議論も辞さない。そうしたエピソードの数々が描かれたエッセイ集だ。
大工の息子に生まれ、近所のオッサンたちのジャズバンド『モウモウバンド』に員数合わせで入り込んだ中学時代。
そこで音楽の面白さに目覚めて、音楽で身を立てていく決意をする経緯。
音楽家になって以降のエピソードは、対象が有名であろうと無名であろうと、非常にニッチなところに突っ込んだものだと思う。ネタとして珍奇と言ってよいレベルなので、当然それだけで面白いわけなのだが、この人の筆致には独特の熱がある。
例えばブリテンの『ピーター・グライムズ』を日本で演じるまでの様々なエピソード。
英語の発音についての諸々、ほぼ心理劇と言ってよい複雑なストーリーの解説が非常にわかりやすい。そして当日に至るのだが、非常に視覚的な描写のおかげで舞台が見えるような気がする。でも哲学的でもややこしくもなく、スッキリと素直な語り口だ。
右往左往する人々の姿も、面白おかしく、しかしプロの仕事の真剣さを感じさせるものだ。
他にも、各国の指揮者との交流、バイロイト祝祭劇場のスタッフだった時のエピソード、スカラ座での研修など、各国各地での経験談も面白い。そしてそれ以上に、この人の軽いけれど熱い語り口に、いつの間にか身を任せてしまう感覚が楽しい。
この本の面白さは、作家の独特な熱なのだ、と思う。
また何か出たらぜひ読みたいな、と思う音楽家が出てきてとても嬉しい。
オペラが好きな人ならば、必ず面白く読めると思う。
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カラヤン音楽を彼の身体論から迫った点は秀逸
2014/11/26 16:28
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投稿者:愚犬転助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オペラ座の舞台裏物語というより、合唱指揮者となる著者の人生をつづった本だ。どこからでも、おもろしく読め、かつ「へぇー」とうなるくだりも少なくない。なかでも、秀逸なのが、彼のカラヤン論。カラヤンは、スキー、水泳好きだったようで、アスリートとしてなかなかの者であった、と、著者は評価する。カラヤンの指揮が流麗なのは、彼のアストリートとして能力、天性によるものではないかという著者の見解には一読の価値がある。もちろん、カラヤンを手放しで評価しているわけではなく、彼の音楽には、著者は疑問を呈しているが。
ただ、日本人の国際化論としてこの本を読むと、ちょっと嫌味な感じが残る。子供のころからの日本人の平均レベルを超越した著者の思い、体験を語られても、そこは鼻白む。
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オーケストラの指揮者ならともかく、合唱指揮者の名前は一人も知らないし、著者のことも知らなかったが、どうやら大変な才能と実力の持ち主であるらしい。もちろん、本人が書いていることだから鵜呑みにしてはいけないのだろうが、彼が書いた本書が素晴らしく面白いのだから、やはり色々な才能に溢れる人なのだろう。
本書には、著者の経歴と面白いエピソード、合唱に関する様々なこと、そして、指揮者の考え方やあり方といった様々なものが描かれている。クラシック音楽が好きな人なら、どれもが興味深く、夢中になって読めるだろう。
著者のお手盛りという可能性も排除はできないが、新国立歌劇場の合唱団の実力が凄いらしいということも興味を惹かれた。一度聴いてみたい。
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父に勧められて読んだ。
構成や時系列がランダムで、やや読みにくい。
西洋人に対して日本人は大人しすぎる、言うべきことは言わねばならんよ、というのがサブテーマ、かな。
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新国立劇場合唱団の合唱指揮を長年務める三澤洋史さんの著書。
ご本人の音楽歴を中心にオペラの舞台裏でマエストロと演出家と合唱指揮者がそれぞれどんなやりとりをして舞台を作り上げているか、また、バイロイト祝祭歌劇場とミラノスカラ座での仕事なども紹介されてとてもおもしろかった。
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著者は新国立劇場の合唱指揮者とのことで、初めて聞く話(オペラの指揮者から合唱隊は見えないので合唱指揮者が必要、オケと合唱とのタイムラグを勘案して指揮しないといけないetc)が数多く書かれている。
一方、ブログの延長のような文体は、軽妙さがある半面、一部軽薄な印象も否めない。
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著者は新国立劇場の合唱団を率いている指揮者。オペラの舞台裏の話、バイロイトとスカラ座それぞれでの経験、彼からみたカラヤンの指揮テクニック論など、興味深いお話満載。バイロイトとスカラ座のコーラスの違いを説いたくだりは特におもしろく、著者は現場で見知った経験をさらに日本の合唱指導に活かすのでした。
今後の新国立劇場での公演を観る眼がかわりそう!
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年上の知人が貸してくれた本。
著者がアマチュア合唱団で自作曲を指揮するのを耳にしたことがある。クラシックの楽器も伴奏にあり、耳に馴染む音楽だった。
新国立劇場合唱団の合唱指揮者をされてたのか。しかし、オペラファンでもないと、合指揮者のお仕事は判りづらいかも。オペラの指揮者、演出家のそれぞれの主張の中で自分の合唱団の実力を発揮させ、より良い音楽の為奮闘する姿。成程、こういうお仕事なのか。
異色の経歴、バイロイトの祝祭合唱団、スカラ座合唱団の話、指揮者評など面白かった。若杉弘さんのエピソードなど目に浮かぶよう。クライバーのDVD探そうかな。
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著者は新国立劇場でおこなわれるオペラの合唱指揮者。そんな著者が実際目にしたことや体験したことをふまえてオペラの裏側を教えてくれます。感動的な演目を見せてくれるオペラですが、歌手と演奏家がつくりあげる総合的な舞台のため、意見の相違や外国人演奏家とうまくいかないこともしばしば。オペラの裏側を知ることで、オペラの奥深さも感じます。
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作者がポジティブで強くて、
ちょっと読んでいると疲れる…
すごいなーと思うのですがね。
海外で活躍するには
これだけ前に向かっていかんとダメなんですね。
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合唱指揮者と言うと様々な意味を持ちますが、ここでは合唱団の訓練及びオペラや交響曲等でタクトが見えない際に指揮する指揮者の事。
人目につかないところで指揮をしたりする。
そんな、ちょっと変わった立ち位置にいる方のエッセイです。
内容としては、
大工の息子が何故合唱指揮者になったのか。
指揮者とぶつかり合い、和解した話。
ドイツ、イタリア、北京での体験。
等、様々な事が非常に読みやすく、また面白く書かれています。
一体どこで指揮しているんだ?と感じた方や、オペラやクラシックはとっつき難いと感じる人にこそ是非読んでほしい一冊。
勿論クラシックやオペラが好きな人も是非。
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オペラの合唱の指揮をメインに仕事されている方の 合唱と指揮者とオペラの関係を書いてくださった本。音楽の捉え方なども書かれていて オペラを作り上げる楽しみ 魅力が伝わってきました。オペラを聞くのが、音楽を見るのが 楽しくなる・・ オペラを観にいきたくなってしまった・・・そんな魅力ある内容です。
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三澤洋史さん、全くご存知ない方だったのですが、文章が読みやすくて面白いこと、生き方も面白いこと。
やりたいことだけやってここまできてしまった、周りに本当に恵まれている、といった部分がよく出てくるのですが、三澤さんのやりたいことに対する情熱、行動力、というものがあったからこそ助けを得ることが出来たのだろうなぁと強く感じました。オペラの話もとても興味深い話で楽しめました。
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新国立劇場の合唱指揮者がオペラの舞台の裏側を楽しくさらっと教えてくれる本。
オペラはちらほら聴くものの、オペラを構成する中で合唱団専門の指揮者がいることや、合唱指揮者とマエストロと演出家の三つ巴な関係なんて思いを馳せたこともなかったのでとても面白かった。
特殊オペラフェス・バイロイト祝祭劇場の暗く重厚な特徴、続いてミラノ・スカラ座の明るくてラテンなノリの対比、仕事で関わってきた楽団や音楽家それぞれのもつ個性が、イメージしやすい言葉で説明されてるので、ついふむふむなるほど聴き比べてみましょう、という気持ちになります。
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新国立劇場の合唱指揮者を務める著者は、音楽的な環境は何もないところから独学で始め、師匠に押しかけるように頼んで学んでゆく。
一般にはなじみの少ないオペラの仕事を、一流の指揮者や演奏家との共演の経験から、なるほどと納得させられる言葉で描く。指揮の動きを見ただけで、譜面のホルンの存在を忘れていることを指摘した恩師。キレるまで主張を徹底的に述べ、対立を経て融和した外国人指揮者との共演。
プロ級アスリートたるカラヤンや、演奏会に魔物が住むことを思わせるクライバー。ぞくぞくするような描写で人物の想像がかき立てられる。
最後にコメントされるのは、ジャズトランペッターのマイルス・デイビス。リーダーでありながら、メンバーには自分を越えるまでの成長を実現させる稀有の存在。著者は音楽に初めて目覚めた中学生の頃から、45年も彼を聴き続けているそうなのだ。