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古代インドの思想 自然・文明・宗教(ちくま新書)

古代インドの思想 自然・文明・宗教 みんなのレビュー

新書

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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.2

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

2014/12/14 01:10

投稿元:ブクログ

インドは世界の生物多様性の約8%が宿る。
インドの文化的多様性は乾燥と湿潤の織り成す多様な自然にその基礎をおいている。
インドの宗教は総じて、完全なる放棄と無所有を説いている。

2014/12/13 20:33

投稿元:ブクログ

[ 内容 ]
最大の民主主義国家であり、多様な民族・言語・宗教の坩堝であるインドをまとめる価値観とは何か。
緻密な哲学思想や洗練された文学理論など、高度に発達した「知の体系」は、いかに生まれたか。
厳しくも豊かな自然環境がインド人に与えた影響とは。
外の世界から多くを受け入れながら矛盾なく深化・発展させることで、独自の文化や思想を生み出し、世界中に波及させてきた。
ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教…。
すべてを包み込むモザイク国家「インド」の源流を古代世界に探る。

[ 目次 ]
第1章 インドの大地と自然―思想と宗教を育んだ風土(ひとつのインド―「地理的インド」の統一性;いくつものインド―「風土的インド」の多様性;天然の恵みと食料生産)
第2章 インダス文明と原ヒンドゥー教―半乾燥地域の先史文明(インダス文明の環境と社会;インダス文明の文化と宗教―仏教・ヒンドゥー教との絆;インダス文明の位置づけ―形成から解体まで)
第3章 アーリヤ人の侵入とヴェーダの神々―モンスーンとの出会いと衝撃(アーリヤ人の到来と背景事情;モンスーンとの出会い;自然の猛威とリグ・ヴェーダの神々;リグ・ヴェーダの神観念―インド的自然と神々の世界)
第4章 ウパニシャッドから仏教・ジャイナ教へ―ガンジス平原と森林の思考(アーリヤ人の東漸と「森の民」;ブラーフマナからウパニシャッドへ―神への祭祀から自己への沈潜へ;都市の形成と新思想の興り―仏教とジャイナ教の時代へ;輪廻と解脱―「救いの方程式」の確立)
第5章 仏教と雨―修行者の暮らしと教団の成立(修行者と森林;修行者と雨季;仏教教団と世俗社会)

[ 問題提起 ]


[ 結論 ]


[ コメント ]


[ 読了した日 ]

2016/01/17 16:16

投稿元:ブクログ

北側にヒマラヤ山脈があり、三方を海に囲まれる特異な地形と環境が多様な自然を産み出し、その多様な自然により、そこに生きる人々も一つに統一されることなく、多様であることを受け入れ、そこに生まれた思想も多様であること受け入れている と著者は説明する。

しかしながら今日、ISの様に多様性を受け入れず、ひとつを押しつけようとする力が強まってきている様に思える。

日本でも多様な神を受け入れ、複数の宗教を同時に受け入れてきた。愛国心や信仰心という美名に囚われることなく、これからも多様な考えを受け入れていきたいし、そういう日本であって欲しい。

2015/03/27 19:18

投稿元:ブクログ

古代インドの多様な思想について、自然や環境との関連から概説した書。インダス文明(ハラッパー文明)から初期仏教までの古代思想を、インドの気候風土や地理的環境などの視点から読み解く。
本書は、インドの古代思想を自然・社会環境から考察したものである。気候学や環境考古学などの知見を引きながら、著者は「無所有」・「輪廻」等インド思想に特徴的な思想が自然環境の影響の中で育まれてきたと説いている。特に著者が重視しているのは乾季と雨季を繰り返すインドのモンスーン気候と、インドに侵入したアーリヤ人と先住する「森の民」の遭遇である。厳しい乾季と恵みの雨季の繰り返しは輪廻的思考などを生み出し、またアーリヤ人と「森の民」の接触は両者の思考法に大きな影響を与え、後のインドにおける多様な思想発展へと繋がっていった、と著者は主張する。
古代インド思想の概説書と言うよりかは、本書は自然環境から見たインド思想を論じたものと言ったほうが正確である。自然・社会環境、特に前者から思想史を論じるという試みは興味深いもので、インドの多様な気候環境など様々な情報が紹介されている。ただ環境と思想の関連については(直接的な証明が難しいということもあり)推論に推論を重ねたように思える点もいくつか見受けられた(特にインダス文明)。また、インドの地名や地形が頻出するので、それらを一つにまとめた地図があるとありがたかった。

2016/09/26 00:02

投稿元:ブクログ

○この本を一言で表すと?
 古代インドの史跡・文書・気候から文化・思想の源流を探った本


○この本を読んで興味深かった点・考えたこと
・自然を含めた環境が文化に与える影響など、発見された史跡・文書の枠だけでなく広い範囲で当時の様子を検討していて、かなり多面的に研究されているなと感じました。環境が文化を決めるという環境決定論に囚われないようにしたとしながらも、環境が大きな影響を占める古代インドの文化について、異説も含めて丁寧に説明されていました。

・インドという地域が熱帯から亜寒帯までのほとんどの気候を包含していること、山脈や砂漠によってインドの外からアクセスする経路がかなり限定されていること、モンスーンによる雨季とそれ以外の乾季で雨量がはっきりと分かれていることなど、地域の特殊性について述べられていました。自然の厳しさと豊かさによって生かされる環境から、作為より無為、生産より分配に重点が置かれる思考・思想になっていること、低緯度に位置する地域として勤勉さや生産性を尊ぶ文化ではないこと、同じ低緯度地域でも東南アジア地域の人々に比べると何かにつけ耐え忍ぶ資質に優れていることなども述べられていました。(第一章 インドの大地と自然―思想と宗教を育んだ風土)

・インダス文明についての研究結果が述べられていました。インダス文明以前からそれ以後に関わる宗教の源流というようなものが存在したこと、遺跡が点在して広範囲に分布していたこと、インダス文明はアーリヤ人に滅ぼされたという説があったが、アーリヤ人がインドに来るより前にインダス文明の地域が乾燥化により衰退していたことなどが書かれていました。(第二章 インダス文明と原ヒンドゥー教―半乾燥地域の先史文明)

・アーリヤ人も環境変化により民族移動してインドに侵入したこと、それまでも乾燥地域にいたアーリヤ人がモンスーンによる雨季に衝撃を受けたこと、その衝撃からアーリヤ人最古の文献ヴェーダで神々として崇めることになったことなどが書かれていました。アーリヤ人がインドに来る前から作成されていたヴェーダの内容が、インド侵入以降影響されて降雨に関することに重点が置かれるようになったことなど、神話もその時々の民族が置かれた環境に大きな影響を受けることが良く分かりました。(第三章 アーリヤ人の侵入とヴェーダの神々―モンスーンとの出会いと衝撃)

・インドの北西から侵入してきたアーリヤ人が、侵入した地域の乾燥化などにより東漸し、森林に出会ったことによってまた宗教観に影響があったことが書かれていました。バラモン教でバラモン男子が生涯に経るべき階梯である住期(アーシュラマ)で、学生記、家住期、林棲期、遊行期の四住期が定められ、森で自己を見つめ続けるなど、神への祭祀から自己への沈潜へ、外から内へ信仰の対象が変わっていったことなど、環境の変化から宗教観まで変わっているのは興味深いなと思いました。遊牧から農耕に生活がシフトしたことで余剰ができたこと、生産しない階層も存在できるようになったことも大きな影響がありそうだと思いました。(第四章 ウパニシャ��ドから仏教・ジャイナ教へ―ガンジス平原と森林の思考)

・カルマ(業)の考え方について、善因善果・悪因悪果の因果応報の考え方から、一生だけでは善き行いに善い結果が返ってくるとは限らないので輪廻・転生という考え方で帳尻を合わせたというのは、若干強引な気がしますが面白いなと思いました。因果応報の考え方から自助的・自律的な考え方になりそうなものですが、行為の結果を受けない、余計な輪廻をしたくないという発想から無為の方に流れたというのも面白い流れだなと思いました。(第四章 ウパニシャッドから仏教・ジャイナ教へ―ガンジス平原と森林の思考)

・初期仏教の修行僧のあり方などについて書かれていました。神話や物語から修行僧の置かれた環境を類推する手法で、修行する森が集落の近くにあったこと、修行する地域はある程度安全が確認されている場所であることなどが解き明かされていて面白いなと思いました。(第五章 仏教と雨―修行者の暮らしと教団の成立)

・雨季と乾季では乾季の方が辛そうに考えていましたが、修行僧にとっては雨季の方が辛かったというのは意外でした。不殺生を貫くためには、雨季で様々な生物が路上に出てくる方が困難だったようです。そのために雨季は雨安居といって修行を休む時期に充てたというのは柔軟だと思いました。(第五章 仏教と雨―修行者の暮らしと教団の成立)


○つっこみどころ
・「インド的なもの」の源流として古代インドの思想を持ってくる流れが若干強引に感じました。現代まで共通する思想・思考は間違いなくあると思いますが、「一貫して現代に至る」という枠を著者が決めて、その枠に着地するように書かれているようにも思いました。

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