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著者は福祉事務所で生活保護担当を4年間務めた時の実体験を元に、日本の生活保護政策の問題点を本書で提言している。
平成25年度の生活保護の金額は3兆6千万円。
こんなに保護を必要としている人がいるという現状に驚きである。
生活保護受給者の分類で「高齢者」「母子」「障害・傷病者」「その他」という世帯に分かれているが、「その他」の世帯が今、問題になっている。
「その他世帯」とは、稼働年齢(15歳から64歳)で
働くことができるが、なんらかの理由で生活保護を受けている人の事をいう。
29万世帯もいる。
この世帯では明らかに働く意欲が無く、楽をしたいために受けている人もいて、その実態を数例書いている。
なぜ、その人たちの不正受給を見逃してしまうのか?
その疑問にも丁寧に著者は書いているが、
日本国住民としては、税金を無駄使いしている、この状況を何とかして欲しいというのが、本音である。
さらに驚くべきは、その他世帯で受給している人たちの行動で共通する点は、医療費に使う費用も多いという。
タダで治療できるためである。
医療費に生活保護半分の費用、1兆6千万が使用されている。
最後に、この本には書いていないが、ネットで地域別住民一人当たりの生活保護ランキングを見ると、
一位は台東区(東京)、二位が大阪市(大阪府)、三位が奄美市(鹿児島県)となっている。