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アルタッドに捧ぐ

アルタッドに捧ぐ みんなのレビュー

第51回文藝賞 受賞作品

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みんなのレビュー33件

みんなの評価3.1

評価内訳

33 件中 1 件~ 15 件を表示

2014/11/10 01:48

投稿元:ブクログ

未校正バージョンです(ブクログのキャンペーンで頂きました)
ひと通り読んで思ったことは、すごい詩的な小説なのかなと。
物語としては、モノを書きたい青年、本間が大学院受験に失敗し、小説を書いていたトコロ、登場人物が作者の意思に反し、物語内で死んでしまった。
その死んだ時に、原稿用紙から登場人物の左腕、トカゲ(アルタッド)、サボテン(アロポポル)が出てきて、それとともに大学院受験までの間に、書くことへの自問自答を繰り返し、大学院に合格するまでの話です。
原稿用紙から中身が飛び出てくる以外には特にファンタジー的要素は無いですし、特に事件らしい事件も発生しません。
あるのは、本間の書くことへの自問自答ばかり。
評価がすごく難しいのではないかと思います。
なんというか掴みどころがさっぱり無いです。
ただ、なんとなく美しいというか綺麗というか、そんな雰囲気だけはあります。
比較的短編で、読むのに時間はかかりません。
自問自答というか芸術論文学論的な問はありますが、読みやすいです。
そして、読み終わった後、意味はわからないけど頭のなかがすーっとクリアになったような気がします。
小説というカテゴリでいいのだろうかと、ちょっと思いますね。

2014/12/21 00:00

投稿元:ブクログ

大学を卒業したが、進学も定職に就くこともせず、バイトと小説の執筆だけで日々を過ごす主人公の本間。ある日、その小説も自分の意図に反して主人公・モイパラシアが死ぬという展開に陥り、書くこともやめてしてしまう。本間は原稿用紙と「死んだ主人公の腕」を庭に埋めようとするが、そこからは小説内でモイパラシアが飼っていた、トカゲのアルタッドが現れるのだった。同時期に庭に現れた同じく小説内のサボテン・アロポポルもアルタッドもある意味「普通の」動植物だが、ともに生活し彼らを見つめるうちに、本間は少しずつ変わっていく。(続

2014/11/09 17:49

投稿元:ブクログ

献本企画にて当選しました。

冒頭から、この作品の独特な設定(ある意味では作品として評価された点かもしれません)を理解するまでに時間がかかりました。本を選ぶとき「この作品を読みたい!」と「とりあえず読んでみるか」の人がいると思います。この本で後者の場合、冒頭で読むのをやめてしまうかも知れません。

私の印象としては、長ったらしくぐるぐると考えている暇な若者の話です。ひどい言い方ですが、浪人生の間に見える成果がないので充実感を得るために何かをやったことにした、という感じがしました。自分はこんなに高尚なことを考えたんだ、記録に残したい、という自己満足の世界に思えました。表現が大袈裟だというのがこれの一つの理由で、
”とてつもなく長いあいだ、あるいはほんの数秒間、彼は歩いていたのであるが、…”
という表現があり、「歩いてるのに数秒なわけあるか」と思ってしまいました。

文体について、”――”を用いた補足説明が多く、私は読みにくかったです。物語に入り込んできたところで、今必要でないと思えるエピソードが挟まれるので、テンポが崩れるように感じます。

物語として結局なんだったんだろうか、というのが読了後の感想でした。
批判ばかりしてきましたが、作中に登場するトカゲがとても好きになりましたので、★★です。

最後に、この作品は好みが分かれる作品だと思われます。皆さまのレビュー・感想を私も拝読しようと思います。

2014/10/31 13:09

投稿元:ブクログ

現実なのか、はたまた現なのか。

物語でふいに死なせることとなった人物から
一匹のトカゲ「アルタッド」を受け取った男。
そして、もう一つ彼はその人物から
植物を受け取るのです。

アルタッドとの不思議な生活。
そして、現実と空想の狭間にいる苦悩。

読み終えても、これは本当の世界での
本当の出来事だったのか。
はたまた少々頭のイカれた男の
煩悩の中だったのか。

わからないだらけだけど、読み心地は
非常によいものでした。

2014/11/18 00:59

投稿元:ブクログ

献本企画にていただきました。
突拍子のない始まりから続くリアルの物語。正直あらすじを読んだ時からこれはどういう意味だろうと思っていたのだけれど、本当にそのままの意味だった。作中で死ぬはずのなかった人物が死ぬという不可思議な事態に陥るのは面白い。現実にはありえない非現実性が逆に魅力に思えた。
固有名詞に少し引っ掛かりは覚えたが、文章は読みやすい。アルタッドに対する思いが溢れていて、思わずトカゲ飼いたくなった。
しかして現実にはありえない現象である。不意の出来事で筆は止まり、書くことは頓挫した。その代わりにアルタッドの世話を焼くがそれでは前に進まない。やる気がうすく、現実を直視したくなくて逃げる言い訳を探している。
「書くこと」それ自体は少しでもしたことがある人なら完結させることの大変さがわかるかと思う。言い訳を探して書かないことなんざ、日常茶飯事。気分が乗らない、夢見が悪い。箪笥の角で小指をぶつけた。さまざまな言い訳ができる。けれど書き上げることができたなら、そこには奇妙な高揚感がうまれるだろう。主人公は書くことではなく描くことで、その気持ちを思い出したように思う。
迷子たちを再び物語のなかに帰してやる、という表現がなんともその気分の高まりを表しているようにも思える。

2014/11/15 16:41

投稿元:ブクログ

献本企画のプレゼントに当選して頂いた一冊です。

『小説の主人公が作者の意図しないところで亡くなってしまう』という出だしが凄く魅力的に感じたし、小説に出てくるトカゲが原稿用紙の中から這い出てくる場面では《ああ、この小説はこんな幻想的なシーンを沢山見せてくれるんやなあ》とワクワクしながら読み始めました。

全体に漂う《死の匂い》に、ラストはきっと大きな破滅・死が待っているんだろうと、少しビビりながらページをめくっていたけど、しかし、主人公が書いていた小説の主人公(ややこしいなあ)が亡くなった後は何か起こりそうで、結局最後まで何も起こらない。僕の期待は肩すかしに終わりました。

緊張感のある文体は、仕事を失って中途半端なモラトリアム期間を過ごす事になった主人公の心理を表現するために、金子さんが意図的に書いているのかと思ったけど、読み終えてみると単に金子さんの力不足なのかなとも考えます。

あと個人的に、もう少し主人公にユーモアが有ってもよかった。仕事もしないでトカゲのコオロギを与える男。書き方を変えれば、かなり奇妙でおかしい男になるのに、大学院に合格して普通の社会に戻ってきてしまう。トコトン無茶苦茶に動かしても誰も文句言わないのに。

2014/11/17 13:32

投稿元:ブクログ

成熟した文章表現と
あまりに幼い主人公の思考とのアンバランスさ。
主人公は学生なのだから考え方が幼くても
不思議はないのだけれど、
計算されてのことだとするとすごいな、と。
自分の創作した世界の顕在化は
創作する者にとっては一度は夢見ることだと思う、
それを或る意味で実現させたわけですね。
”書くこと”に対する考え方に関してはあまり共感できない、というか、
なんだか十数年前の自分の日記を読み返しているような気恥かしさがあった。
それを踏まえて10~20年後、アルタッドと本間のその後を書いていただきたい。

2014/11/09 13:51

投稿元:ブクログ

献本企画に当選して、読ませていただきました。

「書く」ということに向き合う話。
どこまでが現実でどこからがそうでないのか。
それともすべてが現実なのか。
分からなくなってしまった。

2014/10/27 05:53

投稿元:ブクログ

作中の主人公は、原稿用紙に手書きをしている。インクが血液のように流れるというのだから、万年筆か、ペンにインク、いや、やはり万年筆か。
作者本人も万年筆で書いた手書き原稿で応募したのだろうか。

などという、細かいことが気になってしまう、悪い癖(笑。

トカゲのアルタッドとサボテンがいい味を出している。劇中劇の砂漠のファンタジー小説が完成したら、ぜひ読みたい。

2014/12/19 18:52

投稿元:ブクログ

なかなかおもしろかったよ。
細かく分けられていて考える時間を与えられてる感(勝手に思ってるだけやけど)、よかったね。

作者は慶應か。羨まし。

2014/11/07 11:46

投稿元:ブクログ

bound proof 未校正版にて。

「書くこと」とは何か。そのことに対する逡巡。これはとても素敵な、そしてとても大切な作品だと思った。
書きたいけれど書いたことがない人は論外として、小説を書き始めたならば、避けては通れない問題がある。なぜ書くのか。いかにして書くのか。小説世界は作者が創るものだとしても、作者の思惑通りにすべてが進むわけではない。作者が創ったはずの登場人物たちにはそれぞれに感情があり、それぞれの為すべきことを為す。だから作者は、書き手であり、同時に第一の読み手でもあるのだ。本間は書き始め、モイパラシアの死によって書くことの孕む問題に突き当たり、そして怖くなって物語を葬る。しかし既にモイパラシアもアルタッドも、そしてアロポポルも存在を始めており、物語を葬ったところで、その事実は覆せない。それは強迫観念であり、また同時に希望でもあると思う。それは、本間が再び書き始めるための、希望だ。
モラトリアム、と言ってしまうことは簡単だ。しかし人間には、人間らしく生きるために思索の時間が必要なのだと思う。ただ思索をするためだけの時間が。その思索の時間を経るからこそ、次に進むことが出来る。それで再び書き始めることが出来ないならば、それまでのことだ。
書くことの歓喜と恍惚。書くことによって汚される物語世界。言葉とは、何か。書かなければならない人間は不幸だ、と誰かが言っていたけれど、これは書きたいとか書きたくないとかの問題ではない。「書かなければならない」のだ。書かずに済ますことは出来ない。書かないことは死を意味する。だから、書く。歓喜と恍惚を与えてくれるような言葉。本間と亜希が点描によってアルタッドの生きた証を描き出したように、書くことで何か大切なものを掬い取れるかもしれないから、そんな奇跡のような一瞬を求めて、書くのだ。
この作品の中で一つ気になったのが、「さて」と「ところで」の使い方だ。この二つの接続詞によって、所々文章が分断されている感じがする。この接続詞だけが宙に浮いているような。これはわざとそうしているのだろうか。
しかしこの作品は間違いなく、美しい小説だった。

2015/01/03 19:24

投稿元:ブクログ

人はパンのみで生きてるわけではないがパンよりも理想を追い求めればさぞ苦しかろうとも。
理解できなくても想像は少し。
アルタッドは殺せない美しい記憶で理想とか現実とかに関わらず素朴に生きていく象徴かしらと思ったんだけど、それが他人の目にも見えるならさぞかし凝り固まった理想なんだろう。

2015/06/04 23:37

投稿元:ブクログ

ブクログの献本企画でいただいたもの、読むのにこんなに時間がかかってしまったのは、これら二作のタイトルに気負いしかなかったから。
読める気が、しなかったから。
やっと読了しましたので感想をば。

お話の中のお話が、正直よく分からなくて、ふわふわしてるままいつの間にか終わってしまっていた。彼は、書き上げられるのだろうか。(きっと纏まるのだろう。)

本当にしっくり来ない作品だったのだけど、ラストだけは好きだった。ラストだけで、読んで良かったとほっとした。

2014/11/21 22:05

投稿元:ブクログ

一行目から勝負をしかけているのはいい。
しかし、タイトルが弱い。バカにされているが、ラノベはタイトルの時点からすでに勝負をしかけている。小説など今やマンガや映画に押される立場で、「恍惚」だの「告白」だのいうタイトルでドンと構えていれば売れるという時代ではないのだ。一行目にかけた熱量の1/10でも、タイトルに分けてやって欲しい。「アルタッドに捧ぐ」ではどんな話だかわからない。

しかしこれだけいいスタートを切っておきながらあとが続かない。まるで300ページ一つのテーマで書ききれないから、100ページ目あたりからどんどん関係ない話して水増しする新書の類のようだ。

10ページくらいの短編だったら、ユアグローっぽくていい話になったんじゃないかと思う。
もしくは阿部和重的ユーモアがあればもっとよかった。

それ以外の点については、なんかもう語るのもバカらしいって感じです。

2014/11/13 12:34

投稿元:ブクログ

今年の文藝賞受賞作。献本企画で頂き、光栄にも
読ませて頂きました。

難解なお話、というのが最初の印象。

読み進めてゆくと、村上春樹さんの
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
をどういうわけか思い出しました。
作者様がお好きなのかもと、ふっと考えついたり。

主人公は、何故か物語の中で死んでしまった人物から
アルタッドというトカゲを譲られます。

自ら紡ぐ物語の中からやってきたトカゲ。
アルタッドとの、現実か夢のあわいか…と思うような生活。

そういう側面を見れば、これはもちろんファンタジーで。

主人公が小説をものしようといろんな着想や言葉、
世界観を自分の中で形にしようとする経過を見れば
これは現代小説で。

まとまった作品世界を生み出すまでの、ふわふわとした
思考の塊を、何をするでもなく捻り続ける、小説家の脳内
を垣間見させることと、作品世界が書き手にとっては、

「紛れも無いもう一つの現実」

だと知らしめるような、言葉の世界から具現化してきた
アルタッドとの生活。

異質な二つの世界を、「死」を夢想するということで
繋ぎあわせたのが、この作品です。

このお話を練りながら、作者の金子さんもこういう思考や
心理状態を辿ったのかな、と深読みもしましたし。

二つの側面、どちらかに重点を置いて描いていたら、
もっと分かりやすいお話になったのでしょうね。

アルタッドという同居人を小説世界で自在に動かすために
一見停滞しているような日常の中で考えを尽くす主人公。

振り返れば「現実」にまでやってきてしまったアルタッドとの
日々は、主人公が原稿用紙の上で活写したいことなのだから
愛しくも心和む時間になるのは当然かもしれません。

いいですよ。トカゲ。うん。

実際には主人公、なかなか筆は進まないので
その閉塞感が難解さとか、なんとなく作品を覆う
疲労感になっている気がします。

魅力的な世界を生むために、こんなにも閉塞した中で
降りてきたインスピレーションと付き合うのはキツイ…と
そんな納得の仕方をさせてもらいました。

これが作者様の現実ではなく、小説だというのだから
なおすごい。

実際にこういう経過を辿って作品が
生まれてくるとしたら、本当はもっとシンプルな
掴みどころのない感じなのでしょう。

それを小説にしたら文章がドラマチックになった、という
解釈を私はしました。

書いた経験のない読者には、少々難しい感じがしますが
解りにくいからと放り出さずに、じっくり二度読みがいいかも。

次回作はどんな感じなのでしょう。
意外とガラリと違うものをお書きかもしれないと
何故か思わせる作品でした。

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