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紙の本

まさに増税問題の基本必読書

2015/01/30 11:30

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相如 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本で増税の問題というと、「財政再建」か「景気」かという両極の対立軸に二分されがちである。書店では「財政破綻」や「増税で大不況」といった扇情的なタイトルが並び、特に「アベノミクス」においてはそうした二分法がさらに強化され、増税の実現や回避そのものが自己目的化したかのような議論が横行している有様である。

 そうした状況にあって、2000年代半ば頃から、国家に社会サービスを要求し、国民の間の社会統合や連帯感を構築していく手段として税という制度を評価していくべきではないかという問題意識の下に、神野直彦氏や井手英策氏などの財政学者が「財政社会学」を掲げ、実証的な研究が蓄積されるようになっている。注目度は低いが、増税問題がこれだけ関心を集めている日本において、是非とも読まれるべき研究領域である。

 本書の二人の著者たちは、まさに神野氏と井手氏からこの財政社会学を学んだ若手の財政学者である。本書は独自の見解や発見があると言うよりは、これまでの財政社会学の知見をコンパクトにまとめたものと言うことができる。本書の軸となっている、日本は租税負担率が先進国最低水準にも関わらず「痛税感」が強く、そのことが貧弱な社会保障制度と生活保護バッシングのような現象を帰結させているというテーマは、井手氏の問題意識を完全に受け継いだものである。

 本書は日本における財政危機の根本原因に、高度成長期の頃から特に90年代以降、国民の痛税感を解消するための手段として所得減税を繰り返してきたことに求めている。そして所得減税に加えて社会保障の受益者負担の論理の一貫した強化が、今に至る増税に対する世論の強い抵抗を生み出していることを、所得税を依然基幹税として維持している北欧との比較で明らかにしている。受益者負担が強化されてきた歴史的背景としては、負担と給付の水準が異なる分立した社会保険制度の間の公平性を維持しようとしてきた結果であることを指摘している。累進的な税負担で低所得世帯に福祉給付を限定しようとする方法よりも、程々の逆進的な負担による、高所得者層をも給付を対象にする普遍主義的な制度の方が、結果的に高い再分配の実現を可能にするという、「再分配のパラドックス」の議論も紹介されている。

 消費税の評価については若干の混乱が見受けられた。著者たちの議論では、所得税に対する租税抵抗を回避するために消費税が選好されたかのように説明されているが、本書の冒頭でも示されているように、日本における租税抵抗は当然ながら消費税をめぐるものが中心である。そして「再分配のパラドックス」の議論に同意するなら、消費税はその観点からも肯定的に評価されてよいはずであるが、なぜかそういう評価になっていない。現在の社会保障改革を単純な削減と切り捨てるのも、あまりに雑な評価である。消費増税に反対する論者は、結論ありきで無理な議論を重ねていることが多い印象だが(これは賛成派にも言えるが)、本書もその難点がところどころ垣間見える。

 財政社会学的な研究は今の日本では絶対に欠かせない研究となっているが、その学問の性質上、宿命的に「体制側の代弁者」として非難されがちでもある。直接景気回復や貧困問題の解決を訴える議論に比べると地味でわかりにくく、ネット上を中心とする若手論壇でもこうしたタイプの研究は完全に黙殺されている。二人の若い著者には、そうした逆風や困難に負けることなく、地道に研究を続けていくことを切に期待している。

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2015/02/25 22:28

投稿元:ブクログ

図書館で何紙か読み流しているときに、朝日新聞の書評で本書を見かけた。財政関係の一般書ということでメモしておく。

【メモ】
・<現代経済の展望>シリーズのうちの一つ。
岩波書店リンク http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/2/0287360.html

【目次】
第1章 租税抵抗の財政学に向けて
 小さな政府と強い租税抵抗
 日本型生活保障の臨界点
 租税抵抗に向き合い、財政への信頼を作る

第2章 租税抵抗の歴史的文脈
 租税抵抗はなぜ生じるか
 日本型負担配分の論理
 社会福祉への受益者負担論の侵入

第3章 再分配機能を喪失していく日本の租税構造
 減税政策による所得税の財源調達力の喪失
 貧困化を促進する負担構造
 租税体系における所得税の役割

第4章 財政への信頼をいかに構築するか-国際比較からのアプローチ
 福祉国家の危機と租税抵抗の高まり
 イギリスにおける租税抵抗
 スウェーデンにおける租税抵抗

第5章 人々を排除しない普遍的な財政制度へ
 人々のニーズを充足する普遍的な財政制度
 普遍的な社会保障制度の財源構造

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