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紙の本

道徳はサルに学べ?

2016/10/31 23:42

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投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルから察するに、コンゴに生息するチンパンジー科のボノボに関する本のようであるが、主に語られるのはチンパンジーを中心とした霊長類一般の生態であり、英語の副題「霊長類における人間性の探求」がより適確にその内容を言い表している。著者のフランス=ドゥ=ヴァールは、霊長類学者としての経験から、道徳が人間特有のものであるという考えに反対する。彼は類人猿の行動様式の中に、われわれ人間と同じ、他者への思いやりや平等原理などの道徳観念や、死生観、超越者などの宗教的感情が、外部から見るかぎりではあるが、観察できると指摘する。
 たとえばボノボは、集団内の摩擦を避けるために、互いの性器を触り合い、異性、同性にかかわらず性行為をおこなう習性をもっている。この「乱交」のおかげで、彼らの社会はどの子がどの父親をもつかがはっきりしないが、このことが他のチンパンジー種にありがちな子殺しを皆無にし、種全体の平和を保っているという。人間流にいえば、同胞とおおらかに性を楽しむ快楽主義的ライフスタイルであろう。
 このような類人猿の社会にもモラルは存在するし、それを破れば厳しい制裁が課される。チンパンジーの社会では、仲間が事故で死んだ場合には、それを嘆き悲しむある種の敬虔なムードが醸し出されるという。また雨が長く続くときなど、天に向かって雨をやめるよう懇願するような動作も見せるという。
 著者は、これらの観察にもとづいて、道徳性や宗教性が人間だけでなくすべての類人猿に共有されており、その起源は、われわれ人間よりはるかに前の種に由来すると主張する。その根源にあるのは、哺乳類全般にそなわった他者を思いやる感情のようだが、そこにおいては、道徳哲学でつねに問題となる存在(ある)と当為(あるべき)の区別は無意味であるという。つまり、類人猿にとって「なすべきこと」とは、同胞を助けるという自らの本能に従うということにほかならないからである。
 本書は、類人猿のうちにあるわれわれ人間と変わりない精神性を明らかにしている点で、たいへん興味深かった。しかし、われわれ人類が育んできた道徳がなんら特別なものではなく、むしろ道徳性の本質が類人猿の行動原理のうちにあるかのような書き方には疑問をいだいた。まるで道徳はサルに学べとでも言わんばかりではないか...
 著者が自らの研究領域を越えて、道徳とは何かという哲学的な議論に終始する姿にも閉口した。人間を物質から成り、自然法則にもとづいて行動する存在にすぎないという考えは、太古から存在する。経験論、機械論などと呼ばれたこの主張は、精神の実在や意志の自律を主張する人びととのあいだに長い哲学論争を繰り広げてきたが、ヴァールは、自らが引用している経験論の大御所ヒュームの二番煎じのような議論を展開しながら、道徳が人間に固有のものであると説く宗教家や哲学者たちを愚弄する。
 また、まるで美術書のように頻繁に引用されているヒエロニムス=ボスについての講釈も、冗長で煩わしい。ヴァールは、この15世紀生まれのオランダ人画家の、「楽園」などの作品に示された人間観察の鋭さを称賛し、進化論さえも先取していたと思われる数々のモチーフにもとづいて、自身の人間論・道徳論を構築している観がある。しかし、いったいなぜ霊長類の研究発表の場が、美術作品の解説に割かれなければならないのか、私は最後まで理解できなかった。

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2015/03/25 13:54

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