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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.0

評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

2014/12/18 23:33

投稿元:ブクログ

織田作之助『木の都』B
口縄坂の思い出。
いわゆる人情ものから少しだけはみ出す人情にほっとする。
これは太宰の読み応えと少し似ていた。

豊島与志雄『沼のほとり』A
凄まじく暗示的な恐怖譚。
海外幻想文学に連なっても遜色ない。これは好み。

坂口安吾『白痴』S
間違いない。

太宰治『トカトントン』B
印象は深いけど太宰なら別のものを好む。

永井荷風『羊羹』B-
戦争が終わってもブルジョワはまだまだ厚い。
うーんこれはわからなかった。

獅子文六『塩百姓』B
製塩を始めた百姓と、それに続く村の人たち。
寓話的。

島尾敏雄『島の果て』S
もっとも嬉しい出会い。早く「死の棘」も読まねば。
またしまおまほさんが独居の祖母の死を発見したという挿話など、この一族の不思議な魅力にぼうっとなってしまう。
「山の端の向うの青白い月夜の部落には真珠を飲んだつめたい魚がまな板の上に死んだふりをして横たわっているのだ。私は是非ともその様子を

見届けて来なければならない」
「お月様かと思ったの」「ごめんなさい。でも眠っていたのではありませんわ」
「私は誰ですか」「ショハーテの注意さんです」「あなたは誰なの」「トエなのです」「お魚はトエが食べてしまいなさい」
溜め息が出るほどコケティッシュで。

大岡昇平『食慾について』B
任務中に甘納豆を喰う滑稽。

永井龍男『朝霧』B
近年文芸誌でよく見る痴呆や介護の話の先鞭か。
でもよくわからなかった。

井伏鱒二『遥拝隊長』B+
外因性の狂気でいつまでも戦争中の男、と、周囲の混乱と憐みとあざけり。
秀逸なコミックのようだ。

松本清張『くるま宿』B
士族の矜持。

小山清『落穂拾い』A
別の本でも読んでいたが、これは内容云々ではなく文章自体が香り立つような色気。
茶碗蒸しのように安心させてくれるのだ。

長谷川四郎『鶴』B
なかなか悲壮。

五味康祐『喪神』B-
とても端整な映画を見たかのよう。

室生犀星『生涯の垣根』A
「密のあわれ」でも思ったが、ぎょっとするような性的なモチーフを持ってくる人だが、それがどぎつくない。
むしろからっとしていてユーモラス。
何せ「君のきんたまは白いね」だもの。

2014/12/06 01:50

投稿元:ブクログ

第4巻。表題作『木の都』は織田作之助の短編。
その『木の都』は、大阪・天王寺周辺を描いている。土地勘があるので楽しく読んだ。ジャンルは違うが有栖川有栖もこの周辺を舞台にしたホラーを書いていて、こちらも面白い。
1944年〜1953年に発表された短編を集めているせいか、戦争と戦後を舞台にしたものが多い。と、なると外せないのが坂口安吾『白痴』だろう。若い頃からずっと好きだった短編。
戦争を描いたと言えば大岡昇平が有名ではあるが、このアンソロジーに収録されているものの中では井伏鱒二の『遙拝隊長』が良かった。滑稽でありつつも悲哀漂う一品。
松本清張は家にけっこう文庫本があったので長編は読んでいたのだが、『くるま宿』は初めて読んだ。子供の頃はただ面白くて読んでいたが、この歳になって改めて読むと違った発見があって味わい深い。
味わい深いといえば室生犀星もそうだ。幻想文学好きには『蜜のあはれ』が有名なのだが、『生涯の垣根』は日常の一コマを切り取った、余韻の残る作品だった。

2015/04/13 18:26

投稿元:ブクログ

1944年から1953年にかけて書かれた日本文学から15篇を収録。個人的に面白かった順に。
 
坂口安吾「白痴」
戦争の最中にある街の描写に始まり、主人公の持つ信念、白痴の女をめぐる色々など、安吾が持つ頽廃というものへの憧れがぎゅっと込められていた。
 
井伏鱒二「遥拝隊長」
一人の退役軍人を軸に据えて、悲哀に満ちたエピソードや、何となく心に残るフレーズが散りばめられた、井伏鱒二らしいユーモラスな短篇だった。
 
小山清「落穂拾い」
作者の考えが「誰かに贈物をするような心で書けたらなあ。」と素直に出てくるところに、単なる私小説に留まらない魅力を感じた。
 
永井龍男「朝霧」
痴呆というものを扱った小説はこれまであまり読んだことがなかったが、悲愴感は感じずむしろ面白く読めた。文章は静謐できめ細やかだった。
 
太宰治「トカトントン」
既読の作品だったが、トカトントンという音に悩まされる悲しき男の話、そしてそれに注がれる太宰自身の皮肉的な見解は、何度読んでも唸らされる。
 
島尾敏雄「島の果て」
南の島に駐屯している少尉と、島に暮らす少女との儚げな営みが、ドラマチックかつ優しい筆致で描かれていた。救いのあるラストもよかった。
 
長谷川四郎「鶴」
こちらはラストは悲惨なものの、暗さを感じさせない魅力を持った作品。鶴の自由な様子から、戦争による鬱屈からの脱出を夢見るというモチーフは面白かった。
 
織田作之助「木の都」
エッセイ風の語りから、少年時代の思い出の地、そこで出会った人々、と話が転々していくのが見事。大阪の街をもっと知りたくなった。
 
大岡昇平「食慾について」
他の著作(「野火」など)のイメージとはまた違った、エッセイ風のとぼけた雰囲気がよかった。
 
五味康祐「喪神」
一見普通の剣豪小説のようでいて、どこか幻想的な物語や文章で楽しめた。ラストには驚いた。
 
室生犀星「生涯の垣根」
作家である主人公が持つ庭へのこだわりと、民さんという職人への思いとのバランスが絶妙で面白かった。
 
松本清張「くるま宿」
剣術の得意な人力車夫をめぐる、時代小説でもありミステリーでもある上手い短篇。作者の他の長編にもいつか挑戦してみたい。
 
豊島与志雄「沼のほとり」
地味ながらも、しっとりと後に残るホラー。序盤にて、母親が抱く見知らぬ土地での不安な感じがよかった。
 
永井荷風「羊羹」
時代背景を知る上では興味深い内容かも知れないが、いかんせん物語が蔑ろな気がした。
 
獅子文六「塩百姓」
これにも同じく、時代を切り取ることに注心しすぎているように感じた。
 
戦争を題材とした物が多いという共通項はあるが、物語性に富んだもの、文章が美しい或いはユーモラスなもの、一方で時代性という観点でのみ選ばれたであろうものなど、玉石混交の感を受けた。

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