サイト内検索

詳細検索

送料無料(~12/31)

レビューキャンペーン(1201-31)

hontoレビュー

江戸の幽明 東京境界めぐり(朝日新書)

江戸の幽明 東京境界めぐり みんなのレビュー

新書

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー2件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
2 件中 1 件~ 2 件を表示

2015/03/17 19:46

投稿元:ブクログ

昨日機中で読んだ本。
アラマタ先生による東京「周縁部」散歩・案内。面白くない訳がない…というか深すぎ。
勢い、氏による東京「中心部」案内である先行の2冊《江戸の快楽』『江戸の醍醐味』も読みたくなりましたが何と既に絶版。日本にいればAmazonマーケットプレイスで中古本を買うところなのですが…残念。

2015/02/22 10:03

投稿元:ブクログ

・荒俣宏「江戸の幽冥ー東京境界めぐり」(朝日新書)は 荒俣流東京案内である。第一部は概説、第二部から東京めぐりである。その最初のあたりにかうある。江戸の境界を示す「朱引のうちとそとに不可思議で曖昧な江戸が成立してしまつたのである。ひよっとすると、江戸は中心部より郊外がおもしろいのかもしれない。」(105~106頁)所謂マージナルであらうか。 幽冥といひ、境界といひ、かういふことなのである。大体、荒俣は『江戸名所図会』を「お伴に持って行くのがよろしい。」(106~107頁)といふ。江戸 時代のガイドブックである。並みの人間の発想ではない。そんなわけで、名所図会に従つての東京めぐりが始まる。
・と書きはしたものの、私が最もおもしろいと思つたのは、実は、それではない。平井呈一のことである。荒俣が平井の弟子であるとは何度か読んだことがあつた。しかし詳細に触れたものはなく、師弟とはいふものの、正確にはいかなる関係にあつたのかと、ずつと気になつてゐた。それが本書にかなり詳しく書かれてゐたのである。もちろん本筋ではない。「長々とした身の上話」(407頁)と荒俣自身が書く、脱線と言へば脱線した内容である。ただし本文と全く無関係ではない。これは永井荷風から始まる。荷風のよく歩いた日本橋周辺を扱ふ第十五章「新川あたり 因縁の稲荷めぐり」は荷風の「来訪者」といふ中編を中心とする。この主人公、実は平井呈一がモデルなのである。平井と猪場毅が荷風の「偽作偽筆の無断販売という裏切り行為を行ったことを知り、荷風が怒りのあまりその事実を暴露するために書いた」(399頁)といふのであるから、平井には不名誉で「相当なダメージがあったに違いない。」(400頁)作品 である。荒俣はこの主人公と平井を比較しつつ、平井との関係を書いていく。平井と知り合つたのは、中学生の時に出したファンレターであつた。それに思ひがけなく返事が来たのだといふ。その後、何度か手紙のやりとりをし、大学生になつて、平井上京の折に会つたのだといふ。「若者だらけの喫茶店に突如、白髪を長く垂らした着流しのご老人が入店したため、店の中が一瞬静まり返ったのを覚えている。」(407頁)さすが、怪奇文学の大家といふべきか。これ以後、何 度も会つていろいろと教へを受けてきた。荒俣が泉鏡花と稲垣足穂を好きだと言つた時に、「『鏡花とか足穂じゃ、話にならねえよ。大したモンにゃなれねえな』」(409頁)と切って捨てられ」たといふ。それほど「平井は「自身の鑑賞眼には自信を持ち、また蔵書を愛した。」(408頁)人であつた。これ以後、更に伝記的な事項と、俳人としての平井の記述が続く。この中でのポイントは「二重性」であらうか。その一は「二重の家族」「二重暮らし」(414 頁)、二つの家族と生母と養母である。その二は俳句における二重性、若き平井は同語反復を好んだらしい。ただし、これが平井の人生の大きな意味を持つとしても、怪奇文学との関連に於いていかなる意味を持つのかについては、荒俣は触れてゐない。それでもこの部分は平井の評伝としておもしろく読める。平井呈一といふのはかういふ人であり、荒俣と平井はかういは関係であつたのかと思��。師弟といつても様々である。教室等で講義、教へを受けるばかりが師弟ではないのだと改めて思ふ。これだけでも本書を読む価値があるといふのは、あまりに個人的な嗜好かもしれないが、たまにはかういふのも良いものである。もちろん、 東京めぐりの書としても、荒俣の子供時代からの思ひ出等が随所に出てゐて、それが時代を表してゐたりするのでおもしろい。そんな書であつた。

2 件中 1 件~ 2 件を表示