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みんなのレビュー30件

みんなの評価4.2

評価内訳

30 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

クレストブックスでもおかしくない。

2015/09/29 17:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

これはもう、何故かわからないけどタイトルにぐっと胸を掴まれて。
 きっと、多くの人はなんでもなく平凡な日常を過ごしていくのに、取り返しのつかない出来事にその平穏を破壊されてしまった人々というのは必ずいて、なにも知らなかった過去を取り戻したいのに取り戻せない、そんな物語なんだろうなぁ・・・、といろいろ想像してしまいました(また、表紙も抽象的な感じですし)。

 すっかり大人になった“わたし”は、13歳のとき、1961年の夏を思い出す。
 すべての始まりは機関車にはねられて死んだ少年ボビー・コールだったのか。 それとも少年の無力さや非力さを自覚していなかった“わたし”の未熟さ故だったのか。
 個人的にも好きな<少年もの>ジャンルではありますが、大人視点からの回想なので瑞々しさは弱め。 その分、文章に深みがあるというか、「これって新潮社クレストブックスに収録されてても違和感なくない?」と感じてしまう文学性の高さが素晴らしい。

 私個人は無神論者ですが、<祈り・祈る>という行為に意味はあると思っています。今作で描かれる神はキリスト教ですが、それが読解の妨げになることもなく。
 事件そのものは犯人がすぐわかってしまう単純なものですが、この主題はむしろ大切な人を失くしてしまったあとの気持ちのありようや家族や他の人との絆、自分自身意識しない偏見の存在の自覚など、平凡に生きていたら気づく必要のないことに気づいてしまう苦悩と、けれどそれ故により深く相手を見つめられるという利点を得られたような気がするけれど、それもまた事件のために苦しんだせいと考えてしまうような。まるで生きている自分と死者たちとの違いはほんのわずかにすぎないと理解することが救い、とでもいうような。
 2歳下の弟ジェイクに比べて、普通もしくは些か愚鈍な“わたし”が語り手だったのも読み終えてみたらそれでよかったと思えた(途中はかなりイライラさせられたが)。
 ありふれた祈りが必要なのは、それが普通の人だから。

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紙の本

二つの祈り

2015/08/09 12:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めて読む作家。ミズーリ在住で、大学で教え乍らの作家生活らしい。過去にはシリーズになった作品もあるが、ワタシは残念ながら読みそびれている。

夏のある日、一人の少年が鉄道で事故死する。その真実に謎があり、周囲の子供たちは不思議がっている。前半は何やら不吉な予感を孕んで、暗い波動がどこに向かうのか見えぬまま、何かと複雑な人間関係をあれこれ覗いては繋ぎ、あるいは切り離す。

十代初めの少年がいて、それよりもっと幼い弟がいる。弟は失語症で、しゃべろうとするとどもる癖がある。姉は将来性を見出されてジュリアードに進もうとしているのだが、何故か意志がはっきりしない。どうも田舎に残って、そばにいたい男性でもいるらしい。

中盤でこの姉のアリエルが失踪し事件となる。
そこまでは暗く熱い波動を孕んだ予感にすぎなかったものが、目の前で家族を脅かし始める。
アリエルの失踪に関わったのは誰なのか?
そしてどのように?

一貫して話を支えていくのは、謹厳実直でかつ高度に知的な牧師のネイサン。この少年の父でもある。
彼の祈りは情緒的でなく、大きく広くさまざまな人の心を覆い尽くす。

状況がますます錯綜し、すべての人がどうしていいか途方に暮れている時の、彼の「祈り」は実に深く重いところから心を前向きにさせる力が宿っている。

いっぽうで、そんな立派なエネルギーに満ちた「祈り」を退け、ごく当たり前の祈りを求める母。
その「ありふれた祈り」は、少年に奇跡をもたらす。

1960年代のことなので、ネイティブアメリカンはあからさまな人種差別にあっているし、女性の行動規範は今とは比較にならぬ古臭いコードで縛られている。そうした厳しい時代背景の中で、辛い思いを胸に抱えて人々が、神の名を頼りに心の傷をいやすことはできるのだろうか?

ミズーリあたりの自然描写が生き生きとしていて、陰惨な話に明るい光を投げかけてくれる。
暗い奔流のような話の流れが行きつく先は、意外や光に満ちたところで、切ない思いの中で複雑な謎を提示しながらも、読み終わって。非常に救われた思いになった。

少年を成長させるひと夏の物語、というのはよくある背景なのだが、そういう類の話としてもなかなか上出来なのではないだろうか?

対立する二つの祈りのシーンがそれぞれ素晴らしくて、それぞれに泣ける。
全編大変映画的な映像が行間から立ち上がってくる話なので、どこかで映画化されそうな気がする。

正直なところ前半がやや冗長なので、ここでは多少忍耐がいるのだが、後半に入って話の奔流に巻き込まれると、一気にラストまでのみ込まれてしまう。謎自体は非常に単純なものだが、二転三転する展開は牽引力抜群。二つの祈りに集約される、濃厚な人間ドラマが印象的だった。

非常に気に入ったので、他の作品も是非読んでみたい。

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2015/12/31 13:08

投稿元:ブクログ

評価はやや甘め。ジョン・ハートやトマス・クックを彷彿とさせる家族をテーマにした祈りと赦しの物語。死体は登場するが、謎解き目線で読むと失望する。

ミネソタの田舎町を舞台に、主人公の家族と周囲の人々の生活を牧歌的に綴っているだけなのだが、序盤から引き込まれそのまま読了。中盤に大きく動き出すまでは普遍的なエピソードの繰り返し。でもどういうわけだかハマってしまい、このまま事件もなく終わってしまってもいいとさえ思ってしまった。主役の兄弟をはじめ、人物造形が巧い。あっさり描かれているのにそれぞれが活き活きとした印象で、登場人物の希望も苦悩もすんなり受け入れられる気持ちにさせられた。

終盤ではちょっとしたサプライズもあるが、真相は予測可能。若干間延びした感じが残念だが、謎解きに対する肩透かしは想定内だったので、特に問題なし。

タイトルの意味がわかる場面は秀逸。読み手の私が一番救われた気になった。全体を通して感じるのは浄化。年の瀬にのんびり読めたからかな、いろんなものが洗い流されたようで、気持ちのよい読書時間でした。つくづく、作品とタイミングの相性って大事よねー。

2015/07/20 19:05

投稿元:ブクログ

作中に幾度も出てくる死。誰しもが迎える出来事の一つとして描かれている死はどれもとても静かである。しかし死は確実に世界を変える。神は常にともにある、という感覚は私には馴染みのないものだけど祈りは神に届くと信じたいし、神がいてほしいと心から願う。赦しと祈りの物語。

2016/02/11 19:32

投稿元:ブクログ

少年の日の、ひと夏の事件を回顧する内容。
初めて読んだ作家さんですが、切なく、確かな描写で、とてもよかったですよ。

ミネソタ州の田舎町、1961年。
13歳のフランクはやんちゃ盛りで、街中をすばしこく飛び回っていました。
穏やかで博識な父親は牧師。
母は、良家の出で、芸術家肌。
二つ下の弟ジェイクは賢いが、緊張すると吃音になるため、からかわれることもあります。
姉のアリエルは美しく、音楽の才能に恵まれていて、弟達にも優しい。
一家の希望の星だった姉が行方不明となり、フランクの住む世界はとつぜん悲痛な色を帯び始めます‥

豊かな自然に恵まれた町ですが、上流階級と庶民の住む区画は分かれています。
人種差別もあり、普通の人々の中に、いろいろ癖の強い人間もいる。
互いに許しあってほど良い加減で暮らしていた、ゆったりした描写が、しだいにテンポを速めていきます。
複雑な出来事をただ目を見張って受け入れるうちに、男の子達は大人の世界に一歩、足を踏み入れていく‥

卑小な人間のどうしようもなさ、悪気はなくとも個性がぶつかり合い、弱点がすれ違う哀しさ、苛立ち、切なさ。
タイトルになっているシーンは感動的です。
よく描ききってくれたな、と胸をうたれました。
エドガー賞はじめ全米の主要なミステリの最優秀長編賞を独占した作品です☆

2015/03/16 11:46

投稿元:ブクログ

1961年夏、ミネソタ州の田舎町で平和に暮らしていた主人公一家を思いがけない悲劇が襲う。
悲しみ・怒り・悔い・死に対する不安や恐怖、様々な苦しみを抱えながら成長していく主人公と、その家族の再生が丁寧に描かれていました。最近死に対する意識が強く、手に取っておきながら読むのを躊躇いましたが、エピローグのレッドストーンの言葉に少し救われた気がします。
そして私はクリスチャンではありませんが、この小説を読んで、宗教とは本来こうして人の心を支えるものだよなと改めて思いました。

2015/03/23 23:35

投稿元:ブクログ

手にした段階から、自分好みの物語だとの予感がしました。アメリカ中北部ミネソタ、主人公が少年。大草原の小さな家? スタンドバイミー? ジェイムズディーンが出できそうな雰囲気、、、前半、なかなか舞台説明、人物紹介が長くてじらされますが(^^*)、待つだけ後半楽しめました。それだけ奥行きあり!

性格の違う兄弟、どちらもいいです。
庶民の生活、人生感にも見える神との距離。
心の平和なることを祈る、与えられた境遇から、人それぞれ、か、、、

2015/01/22 16:43

投稿元:ブクログ

 アメリカには少年の冒険小説がよく似合う。トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンに始まった少年が冒険する物語は、少年向けの小説であったとして、スティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』やロバート・マッキャモンの『少年時代』などなぜかホラー作家の正統派少年小説として、かつて少年であった大人たちに読まれ、評価された名作として知られている。

 時を経て、リーガル・サスペンスの巨匠、兼売れっ子作家であるジョン・グリシャムですら、『ペインテッド・ハウス』というジャンル外の傑作をものにしている。そららの流れはミステリの世界にも受け継がれ、ジョー・R・ランズデールの『ボトムズ』や『ダークライン』などは少年冒険小説でありながら、一方でミステリの形を損なわないばかりかむしろミステリとして評価されている部分が注目される。

 同時に少年の冒険の舞台としてしばしば取り上げられたのが、アメリカ南部である。南北戦争の影、黒人差別の文化、そしていっぱいの手つかずの自然。少年の眼という純粋な感受性のフィルターを通して、驚きと発見に満ち満ちた世界で、様々な大人たちの生と死を見つめながら、人間生活の矛盾に満ちた世界の仕組みを理解してゆくには適した土地風土であったに違いない。

 だからこそ南部出身の作家はジャンル外であろうと少年時代の物語を書いてみないではいられないのかもしれない。

 さて、その少年冒険小説の系譜に、また一作の金字塔が登場した。本書は、ミネソタ・リバー沿いに広がる田舎町を舞台にしたの郷愁と抒情に満ちたミステリーである。作者はコーク・オコナー
・シリーズで知られる作家だが、シリーズ外作品を書いたことで、なんとこれがアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)を受賞、さらにバリー賞・マカヴィティ賞・アンソニー賞と続けざまに受賞し四冠に輝くことになる。

 なんと言ってもこの作品の魅力は、1961年に生きる12歳の少年を主人公にした作品世界がとても魅力ある登場人物たちと時代背景によって構築されていることだろう。2歳年下の純粋な正義感に溢れた吃音の弟、音楽の才能に恵まれた年頃の美しい姉、大戦の傷を引きずる教会神父の父に、その父の戦友で放浪者のガス。『大草原の小さな家』と同じミネソタを舞台に、自然いっぱいのミズーリ川流域で、川にかかる鉄道線路を渡る二人の兄弟の姿があまりにもみずみずしい。

 それでいながら、これはしっかりとミステリである。死と向かい合い、やがて少しずつ成長をとげてゆく少年たちの物語でありながら、死の絶望的なほどの悲しさと、生き残った者が心に負う痛みは、抉られるようだ。それでも少年たちの生命力は泉のように途方もなく、彼らは真相に迫ってゆく。小さな名探偵たちが辿る冒険の道は、このひと夏にこめられている。

 いくつもの死と別れ、真相の残酷さ、癒しと成長をこめたこの素晴らしき世界にこそ、少年たちの夏があった。一ページ一ページに作家の品格が滲み出ていて、少年のどきどきするような好奇心に連れられ読者はこの本から眼が離せなくなるだろう。ぼくにとっても『ボトムズ』以来の傑作登場が嬉��い。アメリカならではの少年時代の郷愁小説である。この種の作品は希少ゆえにとても価値があり、なおかつ誰の心にもあるノルタルジーに共鳴するせいか、いつまでも心に残る。そんな作品に餓えている読者にお勧めの一冊である。

2016/01/25 17:51

投稿元:ブクログ

ミステリーというより,家族の物語としての重みが先に来て,読み応えたっぷりの満足感がある.現在の私が40年前を振り返って書くという形式で,13歳の少年にすぎない私の考察も重厚になって,一夏の経験というにはあまりにも次々起こる出来事に崩壊していく家族と踏みとどまる人の強さがぎっしり詰まっている.ニューブレーメンという街の様子もそこにあるかのようで,川や草原や吹きゆく風など匂いなども確かに感じられた.吃音の弟ジェイクに訪れた奇跡に感動した.

2015/05/27 08:37

投稿元:ブクログ

始まりが1人の少年の死からなので、『トーマの心臓』を思い出す。
少年の死は直接メインテーマではないけれど、この話の始まりとしてはすごく大事。
子供のままではいられない、というさしせまってくる話。
真実は残酷なものだったが、知りたいと思ってしまった以上、突き進まないわけにはいられないという心理は理解できる。

2015/02/18 21:14

投稿元:ブクログ

1961年、ミネソタ州。
平穏な少年の日々が一変する悲劇。

ひねりが一度しかないとシンプルだなと思ってしまうな。
でも雰囲気はよい小説だった。

2016/02/14 22:43

投稿元:ブクログ

 1960年代初頭のミネソタ州に起きた一連の事件を回想するフランク。平凡でつつましくも幸せな生活を送っていたフランクの一家の暮らしは、ある少年の死から一変し、やがて家族や親しい人たちを巻き込む忘れられない事件へとつながっていく。
 田舎に暮らす少年が、ひと夏の経験を通じて大人へ一歩近づく成長小説としては、スティーヴン・キング著『スタンド・バイ・ミー』と雰囲気が似ているが、こちらはより直接的な殺人事件が起きるため、全体的に暗く悲しい影を落としている。

 真犯人が誰かについては容易に想像がついてしまうのだが、ミステリとしてよりも、秘密を抱えて悩む少年フランクの目から見た大人の世界と家族愛を静かに描いた小説として評価したい。

2015/01/07 14:12

投稿元:ブクログ

最初(2ページまでに)に提示されるキーワードが、1960年代、少年、夏、線路、そして死体。

作者はあえてこのキーワードを並べたんだと思ってますが。読み手はイメージを掴みやすいですから。
しかし彼の物語より遥かにミステリ色が濃い物語。
米国人はノスタルジックな物語が好きなんでしょうかね。

年初にいきなり佳作との出会いです。

2015/08/04 14:43

投稿元:ブクログ

アメリカの家族もの、とりわけ父子ものはちょっと苦手だけれど、これはおもしろく読めた。主人公の少年、父母、姉と弟、周囲の人々、それぞれの造型にリアリティがあって、しみじみ胸に迫る物語になっていると思う。

ミステリとしての「真相」は、そういうのに鈍い私でも途中で見当がついたし、すごく派手な展開があるわけでもない。同じようなのをどこかで読んだような気もする。それでも最後までぐいぐい読まされた。あざとさのない語りがいい。欠点のない人などいないし、苦しみのない人生もないけれど、人は生きていくのだ。そんなことを思った。

2015/04/10 21:35

投稿元:ブクログ

なかなかやるなあ、この人。

"少年時代""大人になって振り返る"という点で、思わず「スタンド・バイ・ミー」を連想させられる。
そして終わりには静かな余韻が用意されている。

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