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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.5

評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

2015/03/13 20:08

投稿元:ブクログ

男1女2で男2を殺害・放火した罪で死刑囚となったアグネスが何故未熟な牧師を教戒師として指名したか、恋人関係であったらしいナタンを殺したのか、謎かけに加え、ナタンの生誕エピソードがオカルトめいていて、アグネスの独白だけでも読ませるのに、更に面白要素てんこ盛りでいいのか…から読み始めた。アグネスのアイデンティティーだけでも引き込まれるのに…贅沢な作品だわ。移動労働者として底辺で生きて来たアグネス、母親に置いて行かれたアグネス、死刑囚として決定してるが、アグネスの心は解放されるのか、とか、もう、なんか色々凄い。
アイスランドの実在する死刑囚アグネスの話だが、むろんフィクションではあるけれど、アグネスの内面が如何に理知的で繊細であっただろうか、と言う描写が素晴らしい。ハンナ・ケントはオーストラリア人、アグネスがどんな人間だったか、と言う作者の知的探求心が生んだ傑作。母親に捨てられ、子供の頃から農場を転々とし、身一つで生きて来て、愛する人間に愛されてないと知ってしまい、結果として殺人を犯すことになり、「魔女」とまで言われたアグネスが死刑執行日までの日々を過ごした農場で初めて自分を一人の人間として接してくれる人間を得ても死から逃れられない。死刑執行制度が云々、と言う事は微塵も考えずに読んだ。そう言う話ではない。女性作家の文章ってあんまり好きじゃない事が多いんだけども心の声の情景に酔う、と言うか。ひたすらに冷たく硬質で美しい感じ…
女子力も恋愛力もゼロ値に近いんだけど『凍える墓』のナタンとアグネスの回想の部分は、人間関係の一つとして国を越え、時代を超え、現在の私が読んでもとてもリアルである。ナタンの狡さ、アグネスの信じたい気持ちと絶望…人間関係の原始的なものを感じる。恋愛関係云々で読まなくても解る。普段は女性主人公ものは故意に避けて読まないんだけど『凍える墓』はそう言う意識無く読んでる。アグネスとナタンの出会い部分の回想に差し掛かってるんだけど、ナタンがちっともイイ男でもないのも気にならない。「男前」と評される男性が一人も出てこない(笑)んだが、そんなことはどうでもいい。
1800年代のアイスランドの農民の家が蝋燭の灯りだけで、常に薄暗い感触がどんなものか、とか、養母が死を迎える雪嵐の数日間のアグネスの心の中にある記憶、嵐が来る予兆に満ちた風景の描写とか、アグネスの主観で描かれているが抒情的な部分ばかりが先行しない情景に圧倒される…訳者が上手いんだろうけど、死刑囚の回想となると、刹那的で同情を故意に煽るような書き方もあると思うんだけど、決してそうじゃないと言うか…カスも残らないほど乾いているだけ、ではないけど、乾いているいる、と言うか…言葉で言うの難しいな…文章力が凄まじく凄い。

2016/03/21 21:57

投稿元:ブクログ

殺人を犯した女性死刑囚の、刑の執行までの姿を、史実を基に描いている。馴染みのないアイスランドという国の、19世紀の農村の姿が重く、暗く、寒く、そして、人殺しの悪女として冷たい視線に晒されているアグネスの絶望と人生が苦しく、冷たいぬかるみにはまっているような気持ちに。

2016/11/01 11:28

投稿元:ブクログ

アイスランド最後の女性死刑囚アグネスという実話を元にしたフィクション。
1829年、殺人罪で死刑宣告を受けたアグネスは、執行までの間を行政官ヨウンの農場で過ごすことになる。
アグネスを恐れ嫌うヨウンの家族や、アグネスの教誨師となった牧師補トウティとの関わりながら自分のことを話すようになっていくアグネスの心を描く。

アイスランドに関して知識もなく、イメージするものも無いため、最初は読んでも感じるものがなかった。また、アイスランド独特な名前が混乱しやすいところも戸惑う。
それでも読んでいくうちに切なく静かに進む物語に引き込まれていく。

アグネスのまっすぐにひとを愛した思いや、逃れられない身分の違いなどは、国が違っても十分伝わってくる。

心を閉ざしたアグネスにどのように接していけば良いのかと悩む若いトウティにも、人殺しという恐ろしい罪を負ったアグネスへの恐怖や嫌悪を隠せないヨウンの家族にも、大きな罪によって間もなく命を失うアグネスにも寄り添いやすい。

もともとの文章もなのだろうが、翻訳も静かな描写で語られており、物語の雰囲気にあっている。

知らなかった国への興味を引き出させる作品だった。

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