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著者がなんだか怒っている調子の本。
怒りの源泉は、web調査だらけのマーケティング・リサーチに、定性調査のエキスパートとして忸怩たる思いがあるのかしら、、、という感じ。
実務でマーケティング・リサーチに携わるものとしては、両方ともに大事。定性調査で初期仮説を確認し、仮説をかため、定量調査で仮説検証する。その両輪があってはじめて、ものがいえると考える。
だけど、著者はなんだか定量調査に対し、反感をもっているように感じる。
しかも、この本はシニアと若いママだけに絞り、一部のマーケターが言っている消費者像を「ほら、違うだろ!」と言い募っているだけ。
この本に書いてあることは、日記調査などという面倒なことをしなくても、普通に生活をし、いろいろな人と会話をしていれば浮かび上がってくること。
しかも、著者の数字やグラフの読み方がなっていないので、この日記調査からの読み込みもイマイチな感じがする。
そうそう、そもそも1週間もの日記調査に協力する時点で、普通の生活者ではない。エスノグラフィーだというならば、もっと長期間、張り付くくらいに観察しないといけないし、もっとエクストリームユーザに聞かないと意味が無い。
だから、なんとも中途半端な本だし、定性調査も含めて「マーケティングの嘘」と言われかねない本だなあと思いました。
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調査対象としている2世代が、ちょうど親と私の世代でした。たしかに親はよく動きます。コーヒーが好きです。
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書きやすい「世代」を選んで書いているような気がしないでもない。書かれていることは確かだと思うが、強引な印象。
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新聞広告で気になって図書館で借りた。日記調査を基にした団塊シニアと子育てママとの対比。
以下メモ。
⚫︎シニアは義務と責任からの解放。
⚫︎60%が交際相手がいないと答えた定量調査。恋人がいるか、異性の友人がいるかと聞かれて、恋人って誰?のように捉えることが難しい現代。
⚫︎同様に朝食も。ミルクとクッキーでも朝食と捉える人はいる。健康に気を使う、も同義語。毎朝野菜ジュースを飲んでる人も主観的には「健康にとても気を使っている人」なのかもしれない。
⚫︎買った理由は、なんとなく、が主な理由。そのため提示された選択肢から、もっともらしい回答を選んでしまう。心理的合理化。
⚫︎自販機の横に、立ち小便厳禁の張り紙が貼られると、そのブランドにネガティヴなイメージを抱いてしまった。
⚫︎定量調査は、わかっていること、だけしか、調査できない。
⚫︎料理のニーズに、時短、があるが、だからと言って、時短カレーは成功しない。
⚫︎何故その車にしたのか→エアバッグが標準装備だから→なぜエアバッグが必要なのか→運転していて安全だから→なぜ安全が大切なのか→自分も安心だから、家族もくつろげるから(=心理社会的結果)→なぜ家族がくつろげるとよいのか→家族を大切にするため(=価値観)
⚫︎日記調査はTPOの他に、どんな道具立てが、生活者にどんな気持ちをもたらすのか、を明らかにする。
⚫︎ジモティ新家族は、明確に「妻方近接別居」になっていく。実家とは「母系の実家」。実家の車を借りることに対する心理的距離は無くなった。
⚫︎男系のバァバにとっては、義理の娘に対して「気を使わずに、やってほしいことをもっと色々言ってくれればいいのに」。娘と同様に、自分の子供であるはずの息子のところの孫なのに、実は嫁(息子の妻)のもの、という感覚がある。
⚫︎娘のところの孫に対しては、娘を介しての関係ではあるけれど、直接的な関係を感じることが容易。
⚫︎ジィジは絶望的に直接的関係はとりえない。
⚫︎嫁の側から見ればもっとはっきりしている。バァバが買ってきてくれた添加物入りの食品に、実の母なら、母さんこれはやめてよ、と言えるが、義母にはできない。外孫、内孫という言葉。
⚫︎子育てが終わった夫婦には、カップルアゲインというコンセプトが言われたが、これは間違い。シングルの生活を確保しつつ、共有化するところだけミックスする、という、シングルミックス、が正しい。
⚫︎孫たちも集える場所というならば、住処のダウンサイジングというのも、無い。
⚫︎唐揚、おでん、手巻き寿司、焼肉、しゃぶしゃぶ、お好み焼き、鍋などは、「家族する」というモチベーションで集まった時に繰り返し登場する。
⚫︎生活動線は「頻度」と突発的な「異常値」の間を揺れ動く。両面に注目することが大切。異常値から仮説を組み立てる。ポストマタニティママは頻度と異常値の揺れが激しい。
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確かに量的な調査や、フォーカスグループインタビューでは、本当のインサイトが見えてこないことが多い。それを「生活日記調査」をもとに、デプスインタビューで明らかにしている。いろいろな世代について調査しているだろうが、本書では、ヤンママとシニア世代を中心に、一般的に思われていることと、本音のインサイトについて書かれていておもしろい。
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『時短』『簡便』『手抜き』が
子育てミセスと言われている。
コンビニ食、惣菜などを活用していると言われているが。
料理の方法論は 大きく変わっている。
クックパッドを使用して 口コミを重視して
クッキングタイマーを使用して、上手に料理する。
包丁よりも ピーラーやスライサーを使用する。
『まごわやさしい』
マメ、ゴマ、ワカメ(海藻)、ヤサイ、サカナ、シイタケ。
食生活に きちんと取り入れることの大切さを理解している。
マーケティングの手法が マスを表面的に 調査することで、
『都市伝説』が 生まれることとなる。
基本的には 『生活日記調査』が 本当の&等身大の消費者の像
ポストマタニティ層とシニア層の消費者の姿
を浮かび上がらせる。
子育てミセス(ポストマタニティ)は
手抜きの食生活という都市伝説ではなく もっとこどもの健康を
真剣に考えて、健康を 基本にしている。
こどもができることで 食生活を中心にして大きく変化している。
『こどもが喜んで食べてくれる』食メニュー
『こどもの完食メニュー』
シニア層は 『義務や責任』から、開放されたので
『誰かのためではなく、自分のためにというより
自分のしたいこと、自分の欲しいこと』へ 視点が移行している。
よく歩き、季節の移り変わりを大切にしている。旬を食べる。
『自然の運行リズム』
生活動線という ひとりの生活像を綿密に 追求する。
『生活ヒストリー』
生活シーンの中で 商品はどのように現れるのか?
人の気持ち から 商品への 関係がポイントとなる。
『作り方』『使い方』まで 追求しなければ 姿は浮かび上がらない。
『都市の鼓動』『団塊世代の東京移民物語』
東京に集中した時期があり、それが分散し始めている。
なぜ ミルクシェイクが売れるのか?
さらに売れるための ミルクシェイクをつくるには どうすればいいのか?
『イノベーションの解』
クルマにも 玄関やベランダがあってもいい。
大型のイヌの空間もあってもいい。
京都への旅行は 総数は変化していないが 女性が増え、男性が減っている。
京都は 女性の旅行に変化している。
アンアン ノンノ世代の シニア化によって 変化が生まれている。
コーヒーを飲むのが シニア層に集中し、若者が飲まなくなっている。
戦後三世代が 母系家族を構成している。
バァバァが、中心核となった ファミリー的つながり。
そこには、シェアーする 仕組みができている。
シニア夫婦の 生活感の変化が 女性はより行動的に。
のんびりと ゆっくりと歩き 季節を味わう。
シニアの『日常的贈与』活動に注目する。
なぜ高価なマスカットが熟れるのか?
『濡れ落ち葉』『カップルアゲイン』(一般的なマーケティング)
『新しい生きがいつくり』『自分探し』『社会参加』
『避難路』『避難場所』
���シニア層が、子育てを核とした<義務と責任>の生活動線を完全におり始めた。そして、<こどものためにつくる>という動機をうしない、<自分の食べたいものを自分でつくる>方向にシフトを変えていく。それが、自分の中にある生理的リズムと自然の運行のリズムがシンクロしたところで食べることを選択していく。』
一人文化が 充実したものに。
『ひとりでいることの美しい70歳が増えると、日本は変わっていくと思う』
『見てきたような嘘』やマーケティング『都市伝説』は、世の中に流布している。
自分と人との違いを感じて、その差異と多様性に気づく。
確かに、マーケティングは マクロ的で ミクロのアプローチが足りない。
しかし、コンビニにおける膨大な情報やネットによるコミュニケーションによって
マクロ的な アプローチは 企業内部に大きく集積されていると思う。
つまり、業界的なアプローチだけで 動いていては意味がない。
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マーケティング以前にいろいろ勉強になった。「まごわやさしい」とかね。
また、自分が(著者達の)マーケティングのセグメントから完全に脱落していることを知った。
そういえば、最近、欲しいものが何もない。
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定量調査で把握できないデータを生活日記調査と観察調査で補完する事例を、ポストマタニティ層とシニア層で示した好著だ.「まごわやさしい」、「エルゴベビー」、「ベビーバギー」などポストマタニティ層に関連する用語は全く知らなかった.「義務と責任」から開放されたシニア層についてはなるほとなという記述が多かった.
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そうなんだよね。いくら大規模にとったとしても、自己申告式のアンケートってあんま信用できなくて、だからたとえ数人でもじ~っくりと観察する方が企画として良いデータが手に入るというのはその通り。
ただそれはそれで、「誰かに報告しなきゃ」という意識が入って歪んじゃうという弊害はあるんだけど。
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マーケティングには定量調査より、ひとりのサンプル調査のほうが効果が大きい、ということを、この本は言いたいはずなのですが、なんだか今どきの乳幼児を抱える母親とその上のシニア世代はこんなライフスタイルですよ~の話のほうが比重が大きすぎて、この本の目的は達しているのかちょっと心配。でも、今どきのママさんとシニア世代をものすごくよく理解されているなと思いました。あ、そういう意味ではサンプル調査の効果をうまく表しているともいえるのかな。
今どきママはちゃんと料理してますよ。で、けっこう健康的な和食ですよ。子ども好みではありますが。
あと、シニア世代の食事は二十四節気と七十二候がキーワードというのはかなりうなずけます。
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定量調査でなく、生活日記調査。
A3一枚で24時間メモリ。TPOと、気持ち、道具などのプロダクトを記入する。
シニア層とポストマタニティ層。
通過型市場=女子高生、妊婦、ターゲットが入れ替わるため今までの実績がモノを言わない=新規参入のチャンスあり。
定量調査の限界
選択肢が不正確、回答者はウソをつく、心理的合理化(ありそうな答えを言う)、調査できるのはわかっていることだけ。社内稟議には使える。
東京移民物語、集団就職の人たちが郊外に家を買った。
包丁よりもクックパッド。ピラー、スライサー。
ルクーぜのホーロー鍋。クルーゼのココット・ロンド。ティファール。
団塊世代は全共闘世代ではない。全共闘はその後。80年代に入って集団就職が減少、地元化。
母親を中心とした三世代近接。
実家の減築もない。三世代のための住宅。
シングルのミックス=ミングル。
濡れ落ち葉はもはや死語。
男性一人のためのカフェ。
53週ではなく、24節気で生活する。
「クロワッサンで朝食を」フランス映画
生活日記交流サイト
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・シニア層の特徴を「義務と責任からの解放」と捉えると年齢で分類できない。
・人間の生活行動のほとんどは無意識に行われる→購買理由はほとんどが「何となく」だ
・仮説を検証する定量調査には意味があるが、商品が売れない、広告が効かないと悩むマーケターにとっては検証に値する「仮説」を発見、創造するほうがよほど大事だ。
・習慣になっている行動は大きな需要が期待できることは言うまでもない。
・生活者の気付きを得ていくための当たりをつけるのに、生活者二次データは意味を持つ。
・出産、子育てというライフステージの転換が、コーヒー飲用の習慣化を促している。
育児中のママの「一区切り」にコーヒー飲用の習慣が定着している
「リラックス」と同時に「リフレッシュ」「ウォームアップ」「エンカレッジ」効果を求める
・シニアがよく歩き、散歩を好むのは、こんな自然の運行リズムを感じ始めるから。
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入社以来BtoBの世界に身を置いてきたが、今年の1月から初めてBtoCを対象とすることになった。今まで、BtoBとBtoCの一番の違いは、顧客がそこにいるかどうかだと思う。法人営業は、お客さまが意識しているかどうかは別にしてもお客さまが置かれている状況を見たり聴いたりすることができるが、BtoCの世界では全てのお客さまに同様のことをすることができない。顧客像をいかに掴むかが真の課題である。ということで、1月からマーケティングのお勉強をやり直している。
顧客像を掴むという課題について、これまた著書は多いのだが、たまたま書店で見つけた本書は、新書でありながら、得ることが多かった。(というかBtoCの世界では常識なのかもしれないけど。)
IYの鈴木氏も「数字だけを見るのと、数字の向こうに顧客の心理を読むのとでは、対応が違ってくる。」と言っているが、本書では、マーケティング「都市伝説」がひとりひとりの生活者日記調査によって間違っていることを示した上で、「一人の生活者をできる限り丸ごと把握することによって先入観にとらわれることなく、定量調査やグループインタビューだけでは見えてこない気づきが発見できる」としている。そして「生活シーンはTPOPPの五つの要素(T=TIME(いつ)、P=PLACE(どこで)、O=OCCASION(どのような事情で)、P=PSYCHOLOGY(どのような気持ちで)、P=PRODUCT(どのような商品を使って))に分解でき」、「具体的な生活シーンの中で、商品がどのように現れるのか、人は商品からどのような価値を受け取っているのか、人と商品の関係を明らかにすることが、気づきを導き出す。それはしばしば本人も言語化できていない気づきである。」
「実家の減築?とんでもない!」の一節はなるほどと思った。子供が独立してしまった後、空っぽになった大きなサイズの住まいをリストラして、もっとコンパクトな住まいへと住み替えていくのは理屈には叶うのだが、「女系を縦糸にした三世代の近接連鎖という実態をみていれば、実家のダウンサイズが将来の主流になるはずもないことは一目瞭然だった」と言っている。
このように、ありそうなマーケティング「都市伝説」に騙されないよう、日々精進していかなければ。