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応仁秘譚抄(光文社文庫)

応仁秘譚抄 みんなのレビュー

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応仁の乱、主役四人のそれぞれの語り

2015/03/19 21:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、室町時代に京都を中心として起きた応仁の乱とその前後について、岡田秀文が描いたものである。岡田には以前にも足利五代将軍義教をテーマにした小説があった。室町時代を描く作家は珍しい。時代小説といえば江戸時代が圧倒的な数を占めている中で、平安や鎌倉ではなく、同じ武家社会でも鎌倉ではなく室町時代を選んで描いているのである。

 室町時代は初代の尊氏が武将の片鱗を見せたに過ぎず、後の将軍は皆貴族化し、特に特徴のない時代であった。したがって、それほど皆の興味を引くものがあるわけでもなく、小説としては何を描くべきかが難しいと想像する。

 応仁の乱は十年以上も戦乱の世が続き、人々の暮らしも荒廃し、良いことはひとつもないと言っても過言ではない。岡田はこれを取り上げた。その主役は足利義政であり、日野富子であり、足利義視であり、細川勝元である。何となく迫力にかける人物ばかりである。唯一富子が女傑らしさを発揮して光る存在であったのかもしれない。

 本編は、この応仁の乱とその前後を4人の主役の立場からそれぞれを描いている。一話目が足利義視、二話目が富子、三話目が細川勝元、四話目が義政である。同じ話をそれぞれの立場から描くので、当然それぞれの喜怒哀楽は異なっている。それぞれの思惑もあるのだが、その本音を吐露しているわけである。

 意外性が出てくれば面白かったのだが、四人それぞれの思惑の描写があまり違ってこない。これは困ってしまう。勿論、多少の違いや心情や隠されていた真実の描写はある。しかし、興味を引くほどのことはなかった。したがって、折角立場の異なる四つの視点から描いているにもかかわらず、極端に言えば同じ話を四回聞かされているような気さえしてくるのである。

 着想も面白いのだから、もっと型破りな応仁の乱の切り口を見せて欲しかった。タイトルの秘譚にしては、期待ほどの隠された話は出てこなかったというのが率直な感想である。最後は義政自身が語るというより、その従者が語っているという形式を取っている。従者は義政の人間としての器を高く評価している様子が伺えるが、他の三人の評価とは正反対で、そこだけが興味をそそる点であった。しかし、従者の話は裏付けがなく、三対一で義政はとんでもなく無能で、決断力に乏しい将軍だったという印象が強く残るのである。

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