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罪つくりなからだ(角川文庫)

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紙の本

ファンタジーな設定にリアルな心情が弾ける

2015/02/22 19:03

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者が角川文庫とタッグを組んだ「青春官能ファンタジー」シリーズの第2弾。ゴーストになってしまった幼馴染みとの甘酸っぱい愛情を、コミカルな中にも描いた第1弾にして前作『ずっと、触ってほしかった』にも通づるファンタジーな設定を踏襲しながら、それでいて前作とは異なる心情が弾けるシリアスさを今回は醸した仕上がりとなっている。

そのファンタジーな設定だが、今回は友人と魂が入れ替わるというもの。主人公の肉体は交通事故で失われてしまったので、無事だった友人のカラダに主人公のココロが宿った男が1人取り残されることとなる。そして、友人には妻【静香】がいて、主人公には恋人【早希】がいる。

入れ替わって労せず美しい妻をゲットしてウハウハな官能パラダイス~!……といったテイストではない。事故の原因は自分にもあると思い悩み、友人のフリをして静香との生活を続けることに苦悩する主人公を始め、全体には何とも言えない重さの空気が漂う。それなりの年月を共にした妻(静香)ならばスグにバレるだろうとの憶測も働き、静香の台詞からもそれは滲み出ているのだが、その読み手の憶測は半分当たり、半分外れる……予想以上だったという意味で。清楚で麗しい佇まいだった静香が次第に豹変していくのと、その過程の全てが心情として大決壊する終盤で描かれた女の内面(情念とも言えるか)はかなり壮絶。それだけの不幸も味わった静香だけに、その溢れ出る想いは男の想像を遥かに超えて重いのである。

主人公には健気で一途だっただけに、その存在そのものを喪った早希にはまた別の悲しみがある。しかし、もしかしたら……という感覚が次第に芽生えてくるという意味で静香とはベクトルが逆となる。主人公に内在するカラダとココロの「ズレ」が、そのまま静香と早希の心情のズレとなり、先輩でもある静香を思いやる早希の優しい気持ちが遠慮という足枷にもなるという様々な悩ましさが存分に描かれている。

三者三様に抱えるズレとすれ違いの切なさは、後戻りできない悔恨への抗いのようでもあり、もしかしたらという「if」のようでもあり、また、これを優柔不断な男の二面性に置き換えれば絶妙な三角関係でもあったりと、ファンタジーな設定に反したリアル過ぎるほどリアルな心情には見方によっても表情を変える深みがあって、こうした人物の内面を抉るように描いた小説という意味では見事であり、その水準はすこぶる高いと断言する。結末もまた「良かったね」と感じるか、あるいは切なさ倍増か……ヒロインのどちらに肩入れするかで印象が大きく変わると言えよう。まさに一筋縄でいかない物語である。

官能面については「寸止めのエロス」が追求されていて、正直なところ肩透かしと言わねばなるまい。場面こそ前作よりは多いものの、官能小説においても(リアルと同様に)前戯は下準備でしかないことを痛感してしまい、何だかんだ言っても結ばれてナンボなのだな~と下世話なことも思ってしまう。友人に付された官能面での設定も機能しておらず、最後の最後にピュアな結びつきが描かれるのみと考えれば、今回もまた官能要素が盛り込まれた、それでいて前作とは趣の異なるオトナのドロッとした部分も見せる切ない恋愛小説と捉えるべき作品であろう。

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