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2015/04/17 00:07

投稿元:ブクログ

ケルズの書は、アイルランドで8~9世紀頃に制作されたといわれる聖書の写本である。制作地はアイオナともケルズとも(あるいはその両方)言われるが、後者の地名から「ケルズの書」と称される。聖職者コルム・キレの主導の下に作られたと言われる。
「ダロウの書」、「リンディスファーンの福音書」とともに三大ケルト装飾写本の1つである。「世界で最も美しい本」と呼ばれるほど、際立った装飾に彩られた写本である。
本書はダブリン大学トリニティ・カレッジ図書館に保存されているものを元に、各ページの図版や拡大図に解説を添えたものである。
解説は学術的だが、図版は門外漢が見ても美しく、意味がよくわからなくてもつい見入ってしまう精緻な繊細さに満ちている。

たまたま、何かの折に耳にし、印象には残っていたのだが、今年初めに図版が多い新版が出たと聞いて借りてみた。

どのページも整然としたカリグラフィーと装飾文字や絵で彩られているが、ムラや癖が見られることから、制作に携わった写字生や彩飾家は複数と言われ、おそらくこの部分は写字生Aが、この部分は写字生Bが、という解析もなされている。

収録されているのは、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四福音書である。
各福音書の冒頭には内容を象徴する絵や聖人の肖像画が添えられている。唐草などの模様の微細さ、色彩の豪華さは驚くほどである。
整然としたテキストには、ところどころ飾り文字や小さい絵が差し挟まれる。
動物や人の絵には、それぞれ象徴的な意味があり、福音書の内容に沿ったものが描かれるが、中にはこれまでの研究では意味が判明していないものもあるようだ。
幾何学模様にも象徴的な意味があり、菱形は、宇宙を表す四分世界や四元素、四季、四体液などを表すとされ、「ケルズの書」の中にも多く描かれている。また、やはり「ケルズの書」で多用されている装飾である3つ一組の点は、「三位一体」を表すと考えられている。

制作に用いられた材料もまた興味深い。
用紙として用いられたのは、子牛の皮で作られる「ヴェラム」である。子牛の皮の真皮層のみを残し、ぴんと張りながら乾かす。皮に残る脊椎の跡から、子牛が何頭使われたか推測することも可能だという。「ケルズの書」には相当な数の牛を使ったと見られ、制作した修道院はかなり大きな群れを抱えていたか、または毎年少しずつ制作が進められたかいずれかだと考えられるようだ。
顔料やインクに関しては、近年の化学分析の発展もあって、多くのことが判ってきている。インクとして用いられていたのは、濃い褐色の没食子(虫コブ)インクで、硫酸鉄と混ぜ、固着剤のアラビアゴムと混ぜ合わせて、水やワインなどに溶かして用いた。付着は優れているが、退色しやすく、時を経て、ところどころで鉄に由来するレンガ色を呈している。
このほか、木や骨を焼いて作るカーボン・ブラック・インク、酸化鉛(橙赤)、硫化ヒ素(黄色)、インディゴ(藍色)、大青(青)、石膏(白)、カイガラムシ(臙脂)などが用いられていたという。

美しい書はまた、美しい写本箱に収められてい��という。残念ながら「ケルズの書」はかつて盗難に遭っており、写本箱はその際に失われたと見られる。どれほどの美しい箱だったのだろうか。


*イスラムのコーランともまた違うのでしょうけれど、聖なるものを飾りたいという思いは古今東西、変わりはないのかもしれませんね。日本の平家納経の本もいずれちょっと見てみたいと思います。

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