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僕は、そして僕たちはどう生きるか(岩波現代文庫)

僕は、そして僕たちはどう生きるか みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー17件

みんなの評価4.3

評価内訳

17 件中 1 件~ 15 件を表示

2015/07/04 13:42

投稿元:ブクログ

今の自分にズシリと響く本。
よくも悪くも、自分がコペル的人間であることを痛感。
繰り返し読み返しては、ああここに書いてあったことはこういうことか、とか、これはこう解釈しよう、とか、読むたびにいろいろなことを考えさせられる。
今年の上半期、いやむしろ一生、繰り返し読む本だと思う。

2015/03/01 11:10

投稿元:ブクログ

梨木香歩は、先日『ピスタチオ』を読み終えた所。
和と洋が、良い意味で対比的に描かれていて、これまでの作者の視点が上手く現れている。

主人公コペル君が、不登校児ユージンや、かつて自分を救い、救うことでコペル君の自尊心をちょっぴり傷付けたショーコと織り成す物語。
ユージンが何故、学校に行かなくなったのか。
ユージンの敷地に何故、インジャ(隠者)が住み着くようになったのか。
ユージンの祖母や、コペル君の母は何を思い、子どもたちに伝えてきたのか。

様々なテーマが明らかにされるのだけれど、どこからも目を逸らせなくて、苦しくて、泣きたくなる。

けれど、そこでの「泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから。」が本当に胸に響いた。
その後、オーストラリアのブッシュマンの話が入ったことで、ユージンは遠い遠い場所から檻の鍵を貰ったのではないだろうか。
この辺りの流れは、全てがきちんと収まっていくので非常に面白い。

「僕」は、「僕たち」でいることを望んだ。
それは考え続け、伝え続けることを選んだことでもある。

理不尽な群れの流れの中で、自分を見失わないこと。
情報を選ばされるのではなく、情報を選ぶこと。
生きることの在り方が、ほんの少し形を帯びたように思う。すごいな。

2016/02/28 14:41

投稿元:ブクログ

相変わらず、何を書いているのか自分には深くは理解できてはいないと思うけど、それでいいと思う。
重要なのは、自分がこの人の書く本を好きで、この人が居る事を嬉しいと思う事。
引用しようとしたけど、一部分だけだと正確さに欠ける気がしたのでやめておいた。

2015/09/27 23:41

投稿元:ブクログ

(15.09.27)

主人公のコペルは、ペットのゴールデンレトリーバーのブラキ氏と叔父のノボちゃんとともに、染色の材料を取るため、親友で不登校のユージンの家に向かう。いとこのショウコと、その先輩で一人になりたくてユージンの家の庭の森に潜んでいるインジャ、そしてオーストラリアからのマークが登場する。

タイトルがそのままテーマで、戦争のこと、動植物のことなどが細かく書かれている。テーマへの一つの答えは、文中に出てくる「人間は、群れの中でしか生きていけない」というものか…

物語としては、いい訳でも面白い訳でもない。とりあえず読み切ったな、という感じの一冊。

2015/05/21 21:39

投稿元:ブクログ

群れが大きく激しく動く
その一瞬前にも
自分を保っているために

「僕はそして僕たちはどう生きるか」
この言葉を、誰がどのような思いで発したのかは、
伏せておきます。

冒頭にあるように、
流されずに生きていくために
思考停止にならず考え続けること。

意見を常に照らし合わせ、
アップデートすることを欠かさない。

以下引用
大勢の人が声を揃えて一つのことを言っているような時、少しでも違和感があったら、自分は何に引っかかっているのか、意識のライトを当てる。

人が生きるために、群れは必要だ。強制や糾弾のない、許し合える、ゆるやかで温かいきずなの群れが。人が1人になることも了解してくれる、離れて行くことも認めてくれる、けど、いつでも迎えてくれる、そんな「いい加減」の群れ。

良心的兵役拒否について初めて知った。
今のこの世の中だからこそ、
どんな選択肢を選び取ることができるのか、
考え続けないといけないな。

2015/07/13 22:50

投稿元:ブクログ

辛い。

もちろん「文章の質が低くて」という意味ではない。
良い本だと思うし、好きでもあるけれど、ただ、辛い。

特に(というかむしろそこのみだったかも知れないが)主人公コペルの友人のユージンが学校に来なくなった「理由を作った出来事」のシーンが辛すぎる。
「ユージン、それは辛かったね」という意味での辛さと共に、「自分にそういう出来事が迫ってきたらどうしよう」と想像してしまっての辛さ(恐怖のような)、
そしてこれは特異な感じ方かもしれないけれど、その出来事の『主役にされた子』が「いったいどう感じただろうか」「どう思っていたろうか」「どれほどの混乱『なぜ? なぜ?なぜ?』に襲われただろうか」とも私は考えてしまって、それも辛い。
その出来事における自分の行動の意味を知ったコペル(ユージンがコペルにそう伝えたわけではないから「気付いた」が近いか。だがそれも正しい表現ではない)の受けた衝撃もわかる。それも辛い。
私(私達の多く)はコペルに近いタイプの人間だから、わかるし、辛い。

こう書くと、全然人に薦めるべきでない本のようになってしまう。そういう風には思っていないのだけれど。
ただ、友人や同僚に薦めたいか、と言ったらそういう種類の本ではないように思う。
では誰に?
薦めるとすれば…… 
子供に。子供たちに。教え子(いないけど)に。
若い人に。
コペルに近い性質を持つ、私のような大人たちに。

帯の「今、この時代」という表現の意味が、読み終わった今よく分かる。
ユージンのおばあちゃんの「いつ何時、何がどうなるか全くわからない、気づいたときは遅かった、ってことが、本当に起こるんですよ」という言葉が、読み終わってから心に重く響く。

2015/02/24 14:58

投稿元:ブクログ

理論社から出ていた単行本の文庫化。
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』へのオマージュでもある作品で、中高生に読んで考えてもらいたい内容だけれど、岩波は岩波でも、「少年文庫」ではなく「現代文庫」に入ったことに意味を感じる。
解説は澤地久枝。

2015/08/15 22:46

投稿元:ブクログ

平成のコペル君のくだりが気になり、購読。

日常がただただ紡がれていくのかと思うと、
中盤から急に投げかけが深くなってくる。

前作を知った上での読書となると物足りなくなるかもしれないけれど、
小説として読み進める中でこうしたトピックがあると深いかも。
小説をただただ読むだけでは物足りない方にお勧めの一冊。

2015/03/11 16:34

投稿元:ブクログ

主人公の男の子二人のぐるぐるぶりが、ああうん、あるよねという感じ。
ユージンの苦悩はわかるし、コペルに対する怒りや落胆もわかる。
コペルが己を恥じる気持ち、おかしいと思っているのに多数の意見に飲み込まれ、それに反対を唱えることで受ける攻撃を本能的に避けて、気付かないふりをしていた自分に気づく恥ずかしさは誰でも一度は経験したことがあると思う。
リーダー格に飲み込まれて友達を無視したり、差別を区別と嘯いたり、いろいろ。
確かにこれは卑怯なことで、ユージンがコペルを貶めるのも正論なんだけれどもやもやする。
本気で自分を心配している友人に対して「コペルは幸せなやつすぎるからいえなかった」って、平たく言えば「おめでたい頭のてめーに言うだけ俺のエネルギーが無駄」って意味とほとんど同意で、じゃあ、ユージンは彼を下に見ていいって根拠はなにかと言う気がする。
あのこっこちゃん事件、確かにわかっているくせにわからない方向へ進んだコペルは卑怯だが、ユージンも意見と空気に飲み込まれやめてくれとは言えなかった。
もし、そういったなら少なくともコペルか、コペルから話を聞くことになったであろう彼の母親なら一緒に担任と戦ってくれたことは間違いない。
ユージンと同じような目にあったことがある。
「皆のための教育」に私の大事なもの、そのときは自尊心をいけにえにしろと言った教師がいた。
最後に負けたこともユージンと似ている。
その事件を冷静に振り返られるようになっても、やはりあの教師のやったことは間違いだと思うし、傷口はとっくにふさがった。今なら、あなたのやったことは教師としてまちがっていましたと泣きも怒りもせずにはっきり言える。
ショーコが「集団の中にいて言いたいことを言う」という生き方、これは本当に難しい。
梨木果歩は彼女をサバサバ系という安直な書き方をしていない。
彼女がいたらしんどい、というコペルの表現。
彼女のようなタイプをKYとして片づける生き方を今の日本人の多くは選択している。
強い人間と一緒にいると弱い人間はしんどい、だから排除する。彼女をデリカシーがないと落とすことで、自分の弱さを庇護するのだ。
インジャの話も本当の対象年齢層から考えるとぎょっとするエピソードだが、某芸能ニュースで裁判沙汰になった劇の話を思い出す。
これも多数の人間の意見に少数の声なき抗議が飲み込まれていく様に似ている、
梨木果歩の描く『境界線』の物語。
単なる平和の話でも、引きこもりや不良化の話でもない。
どこで線を引くか、自分の線をどうやって守っていくのか、特にいろいろな線を自分でこれから引いていく若いひとたちが読むべき本だと思う。

2015/05/09 00:43

投稿元:ブクログ

前に読んでいたことに途中で気付いた。前に読んだときよりも今回の方が胸にずしっと響いた気がする。それは時局のせいかもしれないし、私があの時よりも人生経験を積んだせいかもしれない。

この本に書かれていることはすごく大切なこと。特に若いうちに読んでほしいこと。

こういうことをきちんと文書にして表現できる梨木さんに感心する。
そして、こういう本を書いたり出版したりが普通にできる世の中でせめてあってほしいと心から思った。

2016/10/01 22:16

投稿元:ブクログ

なぜこの表紙なのか、なぜこのタイトルなのか、と思いながら読み始めた。小説の文章はとても読みやすい現代文。主人公の少年コペル君の話し言葉だ。だが、読み進めていくにつれ話題が深化していく。小学校で不登校になった親友ユージンに何が起きたのか、そのときコペル君自身が何をしたのか。偶然出会った傷心の少女インジャに何をしてあげられるのか。戦前に徴兵拒否した青年の話題と現代のコペルたちの悩みが重なっていく。この表紙とタイトルは時代を超えた守るべき共通の価値観を考える象徴だった。

2015/11/29 20:31

投稿元:ブクログ

群れ。鳥の群れ、魚の群れ、荒野を走る動物の群れ。
その流れを止めることは難しい。
勢いのある流れをせき止めるには、大きな力が必要だ。
しかしその力は、自分の感受性を高めることから発し、少しの違和感にも敏感に反応し思考することから始まる。
それは14歳でも30歳でも50歳でも同じだ。
最後の、14歳のコペル君の言葉が力強く、良かった。
梨木さんは単純に戦争反対を書きたかったわけではない。
忙しい子どもや疲れたオトナにも、お勧めしたい本です。

2015/03/05 12:10

投稿元:ブクログ

どこか大人びて生意気な感じのする14歳の少年、コペル君の一日を追う。折り重なる重たい話の中に、植物や虫生命の輝きが映える。

コペル君は優しくなるだろうなぁ、と思った。
そして、これから悩んで生きるだろうなぁ。

激しく動く集団の濁流の中で、個を保つことの難しさ、苦しさ。
その中で、僕、そして僕たちがどう生きるか。
落ち着いた言葉で語られる。
最後の一節が、やけに響いた。

2015/10/29 16:27

投稿元:ブクログ

テーマとか問題意識とかいうものに、ここまで真っ正面から真剣に向き合った小説も珍しいのではないだろうか。

説教臭い「物語」は好きではないが、そんなえり好みや斜に構えた感覚がしぼんでしまうほど、あまりにもまっすぐに「どう生きるか?」提示されて、読み手も真剣に向き合わざるを得ない。

コペルとユージンとショウコみたいな中学生が同じ所にごろごろいたりするもんか、と思わないでもなかったけど、そういう些細なツッコミもどうでもよくなってしまった。

ユージンの事件のときのコペルの対応、意識できないだけできっと数限りなくそのように振る舞ってきたであろう、読み手である自分。
大抵の人は大抵の場面で善良であり、自らもその善良さを信じている。平凡に暮らしていれば、いうほど芯から嫌な奴、悪い奴なんて世の中でそうそうお目にかかることはない(ちょっと気に障るとか気が合わないとかはべつとして)。
問題は目立った極悪人ではなく「集団」である。一人一人は善良な「コペル」であっても、「集団」から距離を置いて自分の頭で深く考えることは(突然判断を迫られたらなおのこと)とても難しい。
(ちなみに大きな集団に対抗している小さな集団もまた集団であることを忘れてはならない、と私は思う)

どんな人にすすめるべきか。中学生? でも中学生のころの自分が読んで、しっかり浸透しただろうか? 30過ぎた今だからこんなに身に染みるのではないか?
読み手の体験と心持ちによると言ってしまえばそれまでだけど。薦め方もなんだか難しいような内容だ。

2015/03/15 16:02

投稿元:ブクログ

何かを目指して利害の一致した人が集まるチームとか、他の人と自分たちは違うのだと主張しているようなグループとは違って、本当に人がひとりで生きていこうとするときに必要な「群れ」のあり方。社会とか帰属とかの概念語に規定されるようなものでも、地縁血縁のような息苦しい繋がりによるものでもない、正しいあり方の群れ。

こんなふうに生きていける世界、ずっと探してた。自分の言葉では表せなかったこと、梨木さんに見せてもらった。

群れは人を傷つけず。離れて一人になりたい人の気持ちを拒まず。

傷ついた人の心に響く知恵ややわらかな気持ちをさらりと言葉にする人が集ったり集わなかったり。

離れたとしても戻りたいと思えば、自分の席を空けて手招きしてくれる。

こんな群れがあるとわかっていれば、ひとりでも生きていける。

ひとつひとつの言葉にうなずくしかないくらい、心が透き通るような気がした。

こんな健やかな人たちの群れなら、人はすくすくと成長できるかもしれないね。

たった一日の出来事が綴られていただけなのに、私は私の半生を救われたような思いでした。

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