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津波の墓標(徳間文庫カレッジ)

津波の墓標 みんなのレビュー

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みんなのレビュー5件

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紙の本

真実の光と影

2016/03/12 09:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

悲しみは同じではない。
 東日本大震災の被災時の状況などを耳にするたび、そう思う。
 死者15894人、行方不明2561人。この数の、きっと数倍の悲しみがあの日とあの日に続く日々にはある。
 しかも、震災から5年経っても今なお避難生活をおくっている人が17万人以上いる。
 この作品は2011年3月11日に起こった東日本大震災のあと、ほぼ2カ月半を被災地で過ごした著者が現場で見聞きしたいくつかの話を記している。
 著者には被災地での取材活動の中ですでに『遺体―震災、津波の果てに』という良質の記録作品がある。その中で書き記されなかった多くの人たち、悲しみを、この作品で掬い取る形になっている。
 著者はいう。「一つひとつがまったくちがう意味と重みを持つものになるだろう」と。

 東日本大震災の報道で海外メディアは口々に東北の人たちがまじめでおとなしく淡々と避難生活を送っていたかのように報じた。
 しかし、実際にはそうではない負の面もあったことを、この作品では取り上げている。
 それは商店や住居からの強奪だけではない。ATMからなくなった現金は6億を超えると記されている。
 被災地だから善ばかりが語られることはない。真実を知ることと、悪を過大に解釈することは違う。
 まして、なくなったお金にしろ被災者が盗んだものとは限らない。
 あの混乱の中、被災地にもぐりこんだ多くの人たちがいただろう。
 たくさんの遺体をカメラにおさめて記念撮影する人たちの様子も、ここには書かれている。
 人の行為のすべてが善なのではない。
 大きな厄災は時に人間の本質をさらけ出す。

 それは報道する側も同じだ。被災から数カ月もすれば復興の明るいニュースが目立ってきた。視聴者や読者がそれを欲していることもある。それもまた事実だろうが、報道する側に選ばれた事実である。
 震災から5年経った報道も同じだ。明るいニュースの影でいまだに歯を噛みしめている人たちがいることを、忘れてはいけない。

 真実とはなんと空しいことか。
 もはや数字だけが信頼できる、そんな殺伐としたものを感じる。

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紙の本

震災報道とは

2015/07/19 21:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

マスメディアとは異なる視点から捉えられた、東日本大震災被災者・被災地の負の部分。

被災した家屋の金庫を工具でこじ開けようとした若者たち。被災者から痴漢行為を受けた女性ボランティア。Vサインで被災地の記念写真を撮ろうとし、被災者の怒りを買ったボランティア。ブルーシートをめくって遺体の顔を撮影するカメラマン。震災によって家庭崩壊の危機に陥った被災者。

このドキュメントを読むと、マスメディアが伝える被災者・被災地は、表面的な綺麗事ばかりと思える。異常な事態に直面した時、自己防衛本能から、人は負の部分を剥き出しにする。震災報道のあり方を強く考えさせられる書。

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2015/04/01 09:37

投稿元:ブクログ

東日本大震災被災地のルポ『遺体』の著者が、書ききれなかった部分を本書に記したものです。

報道されていない「負」の部分が分かります。
きれいごとでは片づけられない人間の感情がひしひしと伝わります。
痛いです。

2015/03/19 22:47

投稿元:ブクログ

free journalist・石井氏がtsunami・hit area (not nuclear disaster)を取材してまわった手記である.
”とても悲しいこと”や,”とても美しいこと”, とても”これでいいのか!”etc.のみを伝えるNHKの大越さん的なレポートの対極みたいなもの.
”こういう状況になったら,たぶん自分もこうなるよね”というものが多い.→for example, 被災地では食糧に困ったordinary peopleが,コンビニとかに入って必要なものを(まあ)盗ったと.あと,肉親を失った人たちが妙に躁になったり.ふだんから不仲だった嫁しゅうとめで,今回のどたん場でどうも嫁さんが義母を見殺しにしたんじゃあないか?という話. そうかとおもうとボランティアが壊れた家のまえで笑顔で記念写真とって被災者の怒りにふれるとか,ぎゃくに被災者のおっさんがボランティアのお姉さんにセクハラしましたとか.
かっこいい自衛隊員に,めんたまハートマークになってしまった若い女性→”何なんだよ,いい気になんな,すぐに引き揚げるくせに!”と怒る男性住民,等々. ――まあそれぞれ,ふつうの人間・ジャパニーズピープルのリアクションでしょう.
ところで被災者のすがたをあらゆる場面で容赦なく撮り続けるマスコミ諸君! 君たちにもやはり良心や葛藤はあったのだな.意外だったぞ! (見直したぞ,というとこまでは行きませんでしたが)

2015/04/12 22:07

投稿元:ブクログ

今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。

けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。

そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。

そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無く使命感を優先させて断行して欲しいところ。言い訳するくらいなら、そんな仕事止めちまえと思っちゃうわけで。

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