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中原中也が唯一(?)安定した関係を築いた友人・安原喜弘に向けて
送った手紙集。
中原の手紙に安原が解説的小文を加えるという
資料的な役割が大きい本だが、1冊の小説を読み終わったような気分だ。
2人の若い青年の友情の物語。
中原が室生犀星に寄贈した詩集が、1週間後には古本屋に売られていたという
エピソードは何度読んでも強烈。
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「又或時は彼は裏街の酒場で並居る香具師の会話にいきり立ち、その一つ一つに毒舌を放送して彼らを血相変えて立ち上がらせるのであった。そして彼は、取り巻く香具師の輪の中で何か呪文のようなものを唱え、やがてそこを踊りつつ抜け出すのである。学者達の会話は特に彼の憤激の因となった。誰彼の見境なく彼はからんだ。」(p.31)
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目に入るものは歳や状況や感情により姿を変える
安原善弘の解説と中也の生活を感じる手紙は、ぐっと中也の詩を密接に、また遠くに、より悲しく感じさせた
はあ、好き。有難いと思う。まだまだ知れるだなんて、またひとつ知れただなんて
もう届かない手紙の最後って悲しい。手紙なんて書いていたのは小学生の頃くらいで、あのやりとりの最後をわたし思い出せない
文末は、潔く、さよなら