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フロイトの夢判断にかぶるような基本的な本を読んだ後なので、すごく理解が深まった。とはいえ、これはあくまで著者の論であり、フロイトの論をさらに発展させ応用したものであって、フロイトについて言及しているのではない。
神話は夢から作られた可能性があることや、夢の中に出てくるものの意味など、具体例と共にわかりやすく説明されていて、すごく面白かった。
印象的な夢は、何か意味があることなんだと捉えてみると自分をより一層理解できることができるだろう。
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新宮先生の本。
夢の象徴解釈の話とか、エディプスのトリアス・数字の話とかがなされている。
最後の方は夢とあの世とかの話になってて、ちょっとびっくりした。
「日本語は入れ子構造」の話も出てた。
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夢の役割をわかりやすく解説した本。
特に夢解きの例題は、幾つかある夢の構造解釈に繋がっており、
いわゆる辞典の象徴の解釈だけでは
見落としがちな夢の構造を教えてくれる。
夢は、本当は、ずっと私たちを睡眠の中に引きずり込んで
眠らせておきたいので、ずっと眠らせるために、
性欲を解消させるような象徴を登場させる機能をもっているとか
(性欲などの欲望はなかったことにしたい)、数の意味などの
お話もあり、なんとなく映画『マトリックス』は
夢の世界がベースになっているよくできたストーリーだな
と今更ながら納得しました。
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忘れていた幼年期の記憶を呼びもどし、自らの存在の根源を再確認する-人間精神の深層にある無意識のこの欲望こそが、我々が夢を見る理由である。夢はどのようなしくみによってその欲望を満たすのか。夢に登場してくるさまざまな内容は何を象徴するのか‥、ラカン精神分析に精通した著者が豊富な実例分析をもとに夢の本質に迫る。 -20100131
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[ 内容 ]
忘れていた幼年期の記憶を呼びもどし、自らの存在の根源を再確認する―人間精神の深層にある無意識のこの欲望こそが、我々が夢を見る理由である。
夢はどのようなしくみによってその欲望を満たすのか。
夢に登場してくるさまざまな内容は何を象徴するのか。
気鋭の精神分析家が豊富な実例分析をもとに大胆に夢の本質に迫る。
[ 目次 ]
第1章 空飛ぶ夢
第2章 消し去れない昔
第3章 時の架け橋
第4章 夢をあやつる知
第5章 エディプスの夢トリアス
第6章 反復する情熱
第7章 夢中の転生
第8章 夢の語らい
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ラカンの精神分析に続きこの著者の著書は二冊目。ラカンのほうを先に読んでおいたおかげでどのあたりがラカンなのかは少しつかめたような気もするが、本著においては「ラカン」という単語がまるで出てこないものだから、そういう意味では本著は不親切なのかもしれない。とはいえ、ラカンは「フロイトに還れ」と唱えたわけなので、新宮からすれば、ラカンはフロイトの発展型なのかもしれないが。本著で主張されるのは、まずは「言語」の重要性。われわれは言語なくしては、物事を伝えられはしない。確かに身体言語のようなものもあるかもしれないが、しかし、いわゆる狭義の言語がなくしてはわれわれは、身体言語の「解釈」すらできないわけで、言語というものはわれわれの誕生を意味する。そして、言語がなかった時代というのは、その言語を獲得した=物心ついた頃から逆算した時代でしかなく、ある意味、生きていなかった時代にあたるのである。言い換えれば、われわれは二度誕生するのである。
と、言語の重要性から入り、次いで、夢の中における「自己」へと本著は舵をとっていくこととなる。夢の中には、さまざまな人々が登場してくるが、われわれは、そこで誰かを注視することになる。その誰かとは、自分なのである。だが、夢の中ではその誰かが自分以外の別の人へと投影されていることもある。そして、その自分を見つめている誰かすらも自分ではない誰かの視点にかわっているかもしれない。だが、これはわれわれは常に自分以外の誰かに注視されており、そうやってわれわれの自我は生まれてきたのであり、われわれが自らを客観的に眺めるということは、つまり第三者になって自分を眺めているということにあたるのだろう。そこから、類型夢や象徴(木=女性、水=誕生、蟲=妊娠、3=ファルス、4=結婚、5=性行為など)へと論が展開される。しかし、これはあくまで夢を解釈するための、道しるべのようなものにすぎない。フロイトはここで「性」を頻繁に扱いそれが批判されもするけれど、しかし、性がまったく出てこないならばそれもそれで不審がらねばならない。われわれは「性」に縛られているからである。それは間違いがないはずだ。また、夢の構造にも迫っていくこととなる。ひとつの夢で同様な構造が反復されていたり、あるいは対象性が見受けられたり、そういったものが解釈の手がかりともなるということが明示される。最終的に新宮は、われわれはもともと夢を生きているのではないか?といった考えを提示する。夢が最初にあり、夢がが「この世」であり、われわれは夢から醒めるとき=夢において死ぬのである。だから、夢から醒めた世界=現実=「あの世」であり、そのあの世において、この世であった夢について語ることにより、あの世はこの世へと変わってゆく。その途上で生み出されたものが「神話」であり、そのために必要であった道具こそが「言語」であったのではなかろうか?と。そして、無意識こそがわれわれの主体であり、無意識とはすなわち「夢」である。それゆえに、われわれにとって夢こそが実は現実を創出しうるもの、いや、そもそも、夢こそが現実だったのである。この、だった、というのが味噌なんだろうけれどね。たださ、夢の内��だけ書かれても、明らかに一定数の人は胡散臭いと感じるだろうね。もっと、その人の情報みたいなのを載せてくれないと、読みながら自分で解釈することも相当難しいし、無理があるし、けれど、ある程度の情報があった上での解釈ならばそれは信憑性があるだろうわけでさ、そのあたりがなんとかなれば夢分析ももう少し評価されうるだろう。
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夢って不思議…。そして、夢について書かれた本も不思議。夢を分析する本は何冊か読んだけど、どれも独特な文章だと思う。なんというか、理屈がしっかりあるようで、ないような…。でも、妙に説得力があって。
夢の分析は、経験を積み重ねた上での直感が大切な気がする。
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メダルト・ボスに感銘をうけたのに続いて読み始めたから、象徴や類型夢についていくのは少々しんどかったが、エディプス・コンプレックスの再解釈や、夢の語り、ことば、他者性などに展開する後半は、フロイト~ラカン派の醍醐味を楽しめた。フロイト『夢判断』出版百年記念本?
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象徴、類型夢、ファルス。。。
読んでは前に返り、前に返っては読み。。の繰り返しで、私には難しく、理解ができなかった。。
唯一、空を飛ぶ夢が納得いったくらい。。
いつか、再読したら理解できるだろうか?
今は全くダメだった。。
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数々の夢の実例や夢判断で有名なフロイトなども引用しながら、夢の背景にあるものを分析している。哲学書のような文体が多くて読むのに難儀した。
夢の実例の記述は面白い。よくぞここまで詳細に文章に起こせたものだと感心する。シュールなほど訳がわからない展開な上に、目が覚めればすぐに忘れてしまうものをよく再現している。映画「君の名は。」では、この「夢から醒めたら徐々に忘れてしまう」のをうまく設定として使っていた。
自身の経験からは、その時の精神状態によって夢の内容が連動することはある。特に、なにかに追いたてられたり精神的に疲れている時にはそれがよく出てくる。
最近テレビ番組で俳優の古田新太が「役者あるある」として「舞台の初日で幕開き直前なのに台詞が入ってない」という夢を役者は必ず見ると言っていた。昔演劇をやってた私も、演劇から10年以上遠ざかっているのにいまだにこの夢を見るのは困ったものだ。