紙の本
リアル・レディ・ジョーカー
2015/12/09 16:56
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
グリコ・森永事件を下敷きにした高村薫「レディ・ジョーカー」を先に読んでいたので、あの傑作がどのように構想されたか知りたくて読んだ。巧妙で奇抜、スケールの大きな手口、ユーモラスですらある犯行声明とは裏腹に、犯人グループの背後にあるであろう闇の深さは戦後最大の事件という名に恥じない。圧巻はかい人21面相からの手紙。警察が容疑者としてリストアップし、一斉聴取したB作戦の顛末も興味深い。ただ、いかんせんイニシャルが多く、必要以上にぼかしている箇所もあり、どこまで事実と確定できるのか疑わしい記述も散見され、隔靴掻痒の感は否めない。
紙の本
謎のルポライター、衝撃のデビュー作
2004/02/21 14:02
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投稿者:茶太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中を震撼とさせた劇場型犯罪「グリコ・森永事件」の真犯人から著者の元にテープと手紙が届き、それを警察に鑑定してもらったところ「本物」と認定されたというから凄い。真犯人は世間があっと驚くような人物らしい。本書では、警察が科学捜査など最新技術を駆使し、総力を挙げて真犯人を突き止めようとする。その肉薄する様は壮絶だ。しかしあと一歩というところで逃してしまう。犯人は相当に頭脳的で警察との知恵比べだ。そこまでして犯人を突き動かすのは何なのか。相当な怨恨だ。犯人は企業が過去に行った強引な事業推進で身を潰した元職員のグループではないかと言われている。
文庫化にあたり、時効を迎えての所見や被害者の社長が開いた記者会見の模様が描かれているが、被害者が犯人と裏取引をしたのではないかという疑惑は払拭されない。この事件は戦後高度成長で成功した企業の闇を問いかけた事件といえよう。何十年後でもいい。新事実が発掘され、事件の真相が明らかになり、再び一橋氏が本を出すことを願っている。
紙の本
唯一まとも
2022/01/02 12:09
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投稿者:Eternal Kaoru - この投稿者のレビュー一覧を見る
一橋文哉の本では唯一まとも.この本の仮説には説得力がある.
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刑事学の先生が、オススメされてたから読んでみました。未解決の事件を追ってスゴロクのあがりの一個前まできている状態。世の中には解明しちゃいけないコトって、たくさんあるのです。
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時効になり迷宮入りしてしまった同事件について
著者が自らの足で全国を巡り集めた情報を元に
事件の全貌に迫った迫真のドキュメンタリー。
未公開の情報なども含まれているため
より真相に迫れているのではないかと思う。
グリコ・森永事件を通して
普通の人には窺い知れない
裏の世界・社会の暗部を暴くことに成功しているし
たぶん僕らが思っているよりも
日本において裏と表はホントに表裏一体なのかもしれない
と思わせられる。
政治家の名前が出てきたり
国際問題に発展する怖れが出てきたりと
裏の世界と政治が大きく関わっているところも興味深い。
著者に犯人を特定する法的権限がないので
犯人について名言を避けているが
おそらくこの本の中に出てくるXという組織が
黒幕だってことなんだろうなぁと思う。
Xについて詳しく述べてないんだけど
たぶんあの団体だろうなぁ
というのはその存在を知っている人が読めば
思い当たるように書かれている。
僕らの世代だと小さいときに
テレビでキツネ目の男の似顔絵をテレビで見たとか
グリコに毒が入ったらしいって話を聞いたとか
その程度の記憶しかないんだけど
事件について詳しく知ると
他に類を見ない大型犯罪で
突飛な手口を使った知的な犯罪であり
その後の様々な事件に影響を与えているのが分かる。
劇場犯罪と呼ばれたように
犯人は手紙を使って
警察を挑発するような発言を繰り返したり
週刊誌などの問いかけに答えたりしていて
国民総探偵化なんて呼ばれたりしたらしいんだけど
それくらい興味を引く事件であり
不謹慎な言い方をしてしまうなら
推理小説を見ているような感覚を覚えてしまう。
現実は小説よりも奇なり。
まさにこの一言につきる。
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この事件当時、僕の親父は氷菓卸しの仕事をしていたらしく小さい頃から聞かされてきた。
この本を読むと事件の詳細から怪しい背景まで色々分かってしまう。宮崎事件同様事件が「解決」した後でも謎が多くあり後気味の悪い怖さが残る。
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一橋文哉の著書の中で一番のオススメです。
読めば読むほど闇深い事件でドキドキさせられます。
セットで当初警察から「キツネ目の男」としてマークされていた宮崎学の著書を読む事を、より楽しめます。
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ルポ。
結局のところ僕ら一般人にはグリコ・森永事件の真相はわからないままなのだろう。読みやすく、興味深い。が、結局イニシャルトークに終始するあたり現実感に欠け、ペケ。
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犯人は誰だ?
未解決事件で一番気になるのがこの事件。
どんな小説よりも実際に起こったこの時間は興味深いです。
子供の頃、好きだったハート型のキャンディが売ってなかったのは、この事件があったからなんだなぁと分かりました。
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子どもの頃に、キャラメルが食えなくなったり、シチューが食えなくなった時期があって。「キツネ目の男」なんてのが意味もわからず、子どもの間で流行ったりもして。
いい年齢になったので、どんな事件だったのか興味を持ち、本書を手にとった。
いや〜、犯人の犯行声明ったら面白すぎ。
愉快痛快だが、その背景に流れるものはなんだか暗い。
「どくいり きけん たべたら しぬで」
……端的な警告だが、ゾッとするではないか。
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ハンドル名の通り。
先日もNHK特集がありましたが、これが一番でしょう。
週刊現代も連載しています。
犯罪をやるのなら、彼ら以上じゃないとかっこ良くないですね。
女、子供、障がい者、犯罪とは対局にある人間をあえて登場させて
捜査を攪乱させている。
踊る捜査、マスコミ。
ある意味、私の英雄でもある。
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「怪人21面相」ときつね目の男のモンタージュで有名なグリコ・森永事件。三億円事件と同様に、これも昭和史に残る大事件のひとつだ。とはいうものの、やはり事件発生は子供のころということもあり、この典型的な劇場型犯罪はどういったものだったのかを知りたいと思い本を読んでみた。最終時効を迎えてしまった犯罪なので、だれも最終的な真相には至れないが、どんな事件だったのかを改めて読む際には十分その期待にこたえてくれる本だと思う。
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みんな大好きグリ森事件モノ。イトマン事件との絡みが秀逸。いちいち深く詰める前に場面はぽんぽん飛ぶので始 めは面食らうものの、面白くお奨め。考察は全体に浅く、インタビューが下手そう。文はうまい。
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事件自体に興味があるので、楽しんで読めた。ただどうしても未解決事件ということで、すっとしない感が…。あたりまえだが。
資料編も豊富というか、脅迫状を改めて読んだが、実に興味深い。やはり犯人は、捕まえられない理由のある組織かなにかと関係しているのだろうか。
そういえば今日は、時効日だ。
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結局、Xという組織は何だったのか?
皆目わからない。
闇に消えた怪人は今、どう暮らしているのか、ほんとに知りたいなぁ〜