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自分が発明した遺伝子装置によって、娘が死ぬ時期を知ってしまう父親。娘を救おうと、あらゆる方法を探します。ディズニーになったらしいんですが、そっちはまだ見てません。
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イエスの遺伝子を追って、ゲノム研究の第一人者が大冒険…という現代SF。結構うろおぼえになってしまっているが、今この仮想本棚に加えても良いと思える出来だったので追加。【借/-00】
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学者は、2千年前の奇跡の遺伝子に出会った
(登録の関係で上巻の絵ですが、上下巻で1セットとしてレポートします)
読了日:2006.01.18
分 類:長編
ページ:350P, 300P
値 段:590円, 552円
発行日:1998年3月徳間文庫
2000年2月発行
出版社:徳間文庫
評 定:★★★★
●作品データ●
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主人公 :トム・カーター
語り口 :3人称
ジャンル:SF
対 象 :一般向け
雰囲気 :ハリウッド映画的
カバーデザイン:花村 広
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---【100字紹介】----------------------
細胞からすべての遺伝子情報を解読する装置を発明した
天才学者トム・カーター。一人娘の遺伝子を調べ、
娘が1年以内に脳腫瘍で死ぬことを知る。
娘を救うには奇跡の治癒能力を持つ
イエスの遺伝子の謎に挑むしかない…
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--オリジナル・データ-------------------
THE MIRACLE STRAIN
by Michael Cordy
Copyrightc1997 by Michael Cordy
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主人公のトム・カーターは遺伝子学者。
しかも超がつくほどの天才的科学者です。
彼は何と細胞が1個あればすべての遺伝子情報が読み取れてしまう
スーパー顕微鏡をつくってしまったのです。
それを解析するこれまたハイパーなソフトを開発したのがジャスミン。
この2人がノーベル賞を授賞した夜からメインの話は始まります。
突然現れた刺客に銃を向けられたトムでしたが、
撃たれたのは彼の妻。最愛の妻を亡くしたトムは、
それだけでなく恐ろしい事実を知ってしまいます。
妻には脳腫瘍があったのです。そして、彼の死んだ母にも…。
一人娘のホリーにその要素が遺伝していないかと心配になったトムは、
自ら開発した装置で、ホリーの遺伝子を調べます。
そして彼女が、1年以内に脳腫瘍を発症し、
死に至るであろうことを機械に告げられてしまうのです。
…と、序盤のあらすじを書いてみました。
このあとトムは、娘を救うために動き回るわけです。
ストーリーの深みを増すのが三つ編みでも結うように
トムたちのエピソードと交代で語られる
「謎の集団」や「刺客」の話。
謎の集団は、見返しについている「主な登場人物」で言うところの
「ブラザーフッド」というあやしげな宗教団体であり、
「刺客」とはマリアというブラザーフッドの暗殺者のこと。
彼らのそれぞれの事情が次々と語られ、
全体のストーリーの中に編みこまれていくのです。
それらが1つに重なるとき…、物語が急転しそうな
期待感と緊張感がないまぜになってストーリーは進展します。
本作は著者にとってのデビュー作に当たるとか。
ふと作品のアイデアが思い浮かんでしまったコーディ氏は、
これを書くために仕事をやめたらしいです。凄い。
確かに着想が大変面白い作品。
また、著者が小説初��戦というのも分かるような気がします。
大変映画的で、しかもハリウッド映画的。
設定の突飛さといい、動きの派手さといい、展開の仕方といい、
ハッピーエンドへのもっていきようといい。
大味で、エンターテイメント性に富む構造です。
とにかく主人公・トムは映画のキャラのよう。
「小説らしさ」はむしろ、準主役のマリアやジャスミンが担っています。
それぞれのキャラの個性はくっきりとしていて、
それらが生き生きと描かれています。
この作品のジャンルとして本には
「冒険ミステリー」とありましたが、まあ順当にSFかと思います。
サイエンス・フィクション。
著者は「これがSFではなくなるほど科学は進展してきている」
とのことですが、少なくとも作中の2002年には、
これは実現しませんでしたし、2006年現在、まだまだ無理だと思います。
ここに出てきている技術は少なくとも、
著者が考えている以上に実現が難しいものであると思います。
何が難しいってまず、顕微鏡(どうやら電子顕微鏡らしい)で
DNA配列をこんな風に読み取ることからしてまず難しい。
それから、読んだ遺伝子情報から得られる情報が具体的過ぎる。
機能予測も大変正確でしたけど、これは現在、
よほど特徴的なモチーフをもったタンパク質相手でないと難しい技術です。
構造予測すら単純なタンパク質に限られていますしね。
そして「あと1年でこの遺伝子の持ち主は死にます」って、
そんなこと分かるか!?とも思ってしまいますし。
それだと遺伝子異常により死亡するのが双子だったら、
ほぼ同じ時期に死んでしまいます…。
しかし実際は、生まれたてでもない限り、そんなことはないでしょう。
他にもいくつか、ええええ!?というのもありましたが、
それも含めて、やっぱりエンターテイメントのためのSF、
と分類しておきましょう。
ちょっと主人公に都合よすぎな展開、というのはありましたけど、
物語としては大変、面白い作品でした。
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文 章 :★★★+
描 写 :★★★★
展 開 :★★★+
独自性 :★★★+
読後感 :★★★+
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菜の花の一押しキャラ…ジャスミン・ワシントン
「パパにもっとたくさん会える?」
「お前が会いたいときはいつでもかまわない。
夜でも昼でも。そばにいるよ」
(ホリー&トム・カーター)
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文庫本では上下2冊に分かれているけど、1冊本を読んだ感想です。
あれこれと詰め込んであるけれど、結局は「イエスキリストのDNA」を分析し奇跡を起こす能力を手に入れるという話。たったひとつのアイデアをよく膨らましたなって感心した。ものがたちにひねりを与えているのかなと思っていた要素が、実はそれだけではなかったというあたりの展開がおもしろい。
一番気になったのは、主人公に魅力がないこと。周囲の人たちの方がずっとおもしろい。
全体として、一気に読ませてしまうだけの力強さは持っているけど、読み終わってから何となく虚しいような、妙な虚脱感が残った。ホント、アイデアは本当におもしろかったのだけれど。
2007/3/4
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表現がくどくてワンパターンな印象を受けたが、それでも一気に読んでしまうほどアイデアが面白い。ストライクでした。
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遺伝子やらDNAやら小難しい内容かなぁと想像していたのですが、バリバリのエンタメ小説でした。
『イエスの奇跡』は、イエスキリストのDNAに関係しているのでは、と考えた主人公の科学者。
娘の脳に腫瘍が出来て、そう長いこと生きられないとDNA検査の結果わかり、『イエスの奇跡』について調べる。
冒涜だ!と言ってしまえば、まぁそんな気もしなくはないのだけれど、やはり神と呼ばれる人物の謎は面白い。
ナイスな着眼点。