紙の本
アイデア、状況設定、筋立て、ともに魅力的
2003/03/30 16:56
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この短編集は、ファンタジックで異様な印象をもたらすSFであり、私の好みではない部分がある。しかし、どの話も、アイデア、状況設定、筋立て、ともに魅力的で、上手く構成されている。特に女性のSFファンには、気に入られると思う。
紙の本
やはりSFにとって「神」というのは重要なテーマなのだと実感
2002/02/01 01:39
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投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
SF大賞を受賞した『戦争を演じた神々たち』とその次作である『戦争を演じた神々たち2』を合わせて文庫化したもの。お買い得感は満点。「戦争とSMこそが我々の文化だ!!」というような過激なコピーがノベルス版にはついていた。
短編集で個々が完全に独立した話。何の予備知識がなくとも、すっと世界に入っていける。大原ワールドが凝縮された一冊なので、今まで大原まり子を読んだことがない方にはお勧め。
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はずれなしの短編集。単なる好みで選ぶと「異世界Dの家族の肖像」・・・技術を機能させるために神話を導入するという発想とその推進力に畏怖。「宇宙で最高の美をめぐって」・・・宇宙最高の美女のさばけた口調が小気味いいので。「カミの渡る星」・・・言葉の響きとリズムが美しいので。
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SFというよりファンタジーではないでしょうか。
ちょっとタニス・リーを思い出しました。
イメージは確かに力強く、圧倒される感じですが、
理解の範疇を超えてます。
それと文章のセンスがどうにも好きになれません…
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すごい面白かった。大原まり子は普通の本屋や古本屋で本がなかなか手に入らないのが難点だな…。これはたまたま運よく手に入った。
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SFってえとちょいとばかし切ないくらいが良いよなぁ、というタイプであって、なんで切ないかってロボットって言ったら不老不死というか、無敵というか、なんかそういうのがむしろ人間との関係で切ない、的な、でもそういうロマンチストなんは男だけで、この女性著者にかかればSFはバリバリ戦争なんだわす。まぁ切なさはないんだけども、設定はいろいろぶっ飛んでてなんだかやっぱSFはこうなんか、って思わせたりしつつ、いちいちへんちくりんなやつらが出てきて、なんだか楽し気。そして思いのほか読ませる。不思議。
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短編集。SF。ファンタジー。神話。
シンプルで美しい文章がとても好ましい。
コードウェイナー・スミスをマイルドにしたイメージ。
「異世界Dの家族の肖像」が個人的ベスト。
「天使が舞い降りても」
作用・反作用。宇宙船に乗せた乗客が…。著者の作品はこれが初めてだったが、洗練された文体が非常に心地良かった。
「カミの渡る星」
ある惑星都市に流されて来た主人公。穏やかなシーンから始まるが、次第に都市の秘密が明らかになり…。
「宇宙で最高の美をめぐって」
美しい人造人間(?)の人生。スケール感が凄い。
「楽園の想いで」
女王アンジェリカの人生。好きなキャラクターです。
「ラヴ・チャイルド(チェリーとタイガー)」
兄妹。惑星環境装置。森になった兄。個人的傑作。後半の展開が好きすぎる。
「女と犬」
タイトル通り、女と犬の人生。これはよく分からなかった。
「けだもの伯爵の物語」
変身。ホラー風味の結末が良い。
「異世界Dの家族の肖像」
とある生物のライフサイクル。凄い凄い!最初は意味が分からなかったけど、進むにつれて繋がっていった。傑作では?ティプトリーの短編「愛はさだめ、さだめは死」とヴァーリイの短編「さようなら、ロビンソン・クルーソー」に近いような。
「世界でいちばん美しい男」
遺伝子操作。進化。ラブロマンス。刺激的。
「戦争の起源」
ユートピア。エロティシズム。VR。まさかの理由。
「シルフィーダ・ジュリア」
神話という印象がとても強い。それぞれの短編が繋がっていることを意識させる。
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大原まり子さんの作品は、どれも好きです。こんなところでなんですが、メンタルフィメール 貸しっぱなしになって、返ってきません。 中に入っていた 時の花束 という短編が、大好きだったのに。
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なんだか、ティプトリを感じさせる短編集だ。
もちろん、女性という共通項はある。
(もっとも、ティプトリは最初、女性だとカミングアウトしてなかったが)
そう意味での、女性と世界観が通じるのか?
いままで、大原まり子にはそんなイメージが少なかったのだが。