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紙の本

偉大なる「ふつう」

2003/06/01 18:08

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヨーダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は91歳の熊谷氏が記者を前にして語る内容を採録したもので、昭和46年当時の日本経済新聞に「私の履歴書」として連載されたという。
 語り手との信頼関係を築き、相手が十分心を開いていなければ、ここまで「聞き語り」はうまく運ばなかったのではと感じる見事な内容である。担当した記者の名前を知ろうと思って探してみたが、本の中には見つけられず、無署名である。ただ、ふだんの話をまとめて掲載するのも嫌がったという熊谷氏からこれだけ話をひきだした聞き手の力に感じ入ってしまう。
 赤瀬川原平さんは解説で「感受性の浸透圧の、同質の聞き手にめぐり合った」のではないか、と指摘する。そしてこうも書いている「熊谷さんは文章をほとんど書かないけれど、言葉に対しては絵と同じような敏感さを持っていたのだろう。〈略〉論理化できない微妙なニュアンスのところをあれこれ考えるものにとっては、それを単純な論理でまとめられるのが生理的に耐えられない。一言ではいえないことだから、ひょっとしたらその場のタイミングでしゃべっているのに、そんなタイミングを無視して言葉の意味だけでまとめられたんでは、ぜんぜん違うものになってしまうし、そういう粗雑な神経が嫌なのである」と。
 これはそのままマスコミジャーナリズムの取材姿勢を厳しく問いただす言葉とも受けとめられるんじゃないかと思う。記者にコメント発表することを毛嫌いするようになるスポーツ選手の理由もこれに近いものがあるのではないか、と。
 さて画家である熊谷さんは、言葉に対してどんな想いを抱いていたか。探してみると本文中にこうあった。「一般的に、ことばというのはものを正確に伝えることはできません。絵なら、一本の線でも一つの色でも、描いてしまえばそれで決まってしまいます。青色はだれが見ても青色です。しかしことばの文章となると「青」と書いても、どんな感じの青か正確にはわからない。いくらくわしく説明してもだめです。私は、ほんとうは文章というものは信用していません」。
 なるほど、最終的なところでは信用していないのか。すごい。言葉のもつ意味とその定義性は一面とても便利なものだけど、反面ひとはその意味に捕われすぎて、言葉に振り回され、本質を見失ってしまうこともある。言葉によって世界を正確にとらえようとすることなどはこの画家にとって、とても不遜で胡散くさいものに映っていたのかも。
 では、本職の描くことの力を無邪気に信じていたのか、というと、そうでもないんである。ここがとてもおもしろいところだ。
 「人間というものは、かわいそうなものです。絵なんてものは、やっているときはけっこうむずかしいが、でき上がったものは大概アホらしい。どんな価値があるのかと思います。しかし、人はその価値を信じようとする。あんなものを信じなければならぬとは、人間はかわいそうなものです」。
 この肩透かし感、力の抜け具合はいったい何なんだろうという感じである。しかしそうやって言われてもちっとも不快ではないから不思議だ。絵を描く一人間として、そこに執着する自身もかわいそうな存在に含みつつ、そこをどこかで超越している。本人はそう呼ばれることを好まなかったというが、「仙人」と言われたのも、むべなるかなである。このひとの生き方をまねしようとしても決してまねできるものではない。しかし偉大なる「ふつう」を生ききった希有なひととして、「ふつう」軽視の時代風潮のいま、さらに見直されてもいい人物だと思った。 

 *生き方と共に魅力溢れる作品にふれるには、旧居跡に建っている熊谷守一美術館がオススメです。http://plaza10.mbn.or.jp/~kumagai_morikazu/

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2004/11/03 00:36

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2013/08/12 09:40

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2008/04/12 16:51

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2015/06/30 13:48

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