自動車のメカニズム みんなのレビュー

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投稿者：ブックレビュー社　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　「車は動けばよい」と考える人の多くは自動車の内部の機構には興味がない。そのような人を対象に「仕組みがわかっていればクルマはもっと面白い」と説き，デフォルメしたイラストや身近なたとえを引き合いに出して説明していく。ただ，いわゆる「フリーのモータージャーナリスト」を著者とする，こうした自動車のメカニズム本はすでに多く書店に並んでおり，本書の説明や視点が特にすぐれているわけではなく，平凡だ。見開き単位で一つの部品やテーマを完結させるため取っ付きやすい。しかし，内容を分かりやすくするために描いたイラストに対する説明はあるものの，並んで掲載した最新事例の写真や図には本文でほとんど触れていない。したがって，基本と応用との間のギャップは本書が狙う読者層には埋められないだろう。評価できるのはチャイルドシートやリサイクル，ハイブリッドカー，燃料電池など最近の注目技術について全体の1/3の紙面を割いていること。１冊読めば現在の自動車の技術について一通りのことを理解できるからである。
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