紙の本
受験を技術で説くハウツー本
2005/10/09 16:20
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語は教科書丸暗記,国語は「字数で内容が決まる」,数学はパラシュート法(三角関数なり微分なり,現時点でやっているところに集中し,基礎に拘泥しない)などというのが本旨。暗記法については,理解したり,関連づけたり,反復したりが大切だ,らしい。自分の勉強法を開陳したという本という印象。
本書を著すために類書を300冊読んだらしい。その勉強の跡は,それらからの引用でもわかる(ポアンカレからの分数についての引用には括目した)。勉学に意欲的な生徒には有効。意欲さえあれば,あとは方法論だけが求められるだけだ。
英語の教科書丸暗記は,たとえば長崎大学付属中学校では実践されているらしい。つまり選ばれし者はやっているし,やらされているということだ。数学パラシュート法は,本気になった生徒にはたしかに方法論として有効だろう。だが,国語の「字数で内容が決まる」は,東大など筆記が出題の主力になっている大学受験者にしか参考にはならないだろう。
「単語帳ほど無味乾燥なものはない」(54頁)。御意。しかし,文章丸暗記って万人には興味がないだろうし,単語帳なら学習が単調な分だけ,気分が向かないときに始動手段としては有効だと感じたのは中高校時代の僕。
藁にすがりたいなら読むべし。受験を精神ではなく(精神も重要だと思うけど),精神を体現する技術で説くハウツー本としては,有効だと思う。(1104字)
紙の本
勉強ほど、贅沢で楽しい趣味はないと思う
2001/03/29 10:22
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投稿者:桐矢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一度読んでみようと思っていた本。今となっては類似本がいろいろ出ているようだが、さすがにいろいろうなずかされることが多かった。
勉強そのものは、教えてもらえても、勉強の仕方は誰も教えてくれない…。それを教えてくれる、優秀な教師であったり、家庭教師だったりするのだろう。
一番、共感した言葉。「これらは投資としての勉強ではなく、消費としての勉強である。何のみかえりも期待せず、勉強することそれ自体を目的とする。これこそが、究極の勉強法であろう」
もう、全くその通り。消費のための勉強は、ほんとうに楽しい。もちろん、この本は、「受験のための」勉強とか、「コミュニケーションのための」英語の勉強とか、「仕事のための」経済の勉強とか、そのような場合にも力になってくれるだろう。
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知識があれば興味が深まる。勉強方法の原則から、ちょっとしたヒント、方法論を紹介。学生諸君、そして学びを続けたい大人たちよ、読んでみてはいかがですか、大変なことにんりますよ。
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野口さんの「超」シリーズ。
大変勉強になった。が、すべてを自分で真似て実行するのは難しい。
念頭において、行動をしようと思った。
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・P17
・P26
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[目次]
序章 勉強はノウハウ
第一章 「超」勉強法の基本三原則
第二章 英語の「超」勉強法
第三章 国語の「超」勉強法
第四章 数学の「超」勉強法
第五章 「超」暗記法
第六章 「超」受験法
第七章 勉強の「超」ヒント集
第八章 未来への教育
・勉強 → ノウハウ+意欲(←目標から生じる)
勉強とは目標と現在の状況との差を埋めるもの。 また、目標は具体的なイメージで捉えよう。
・何も見返りを求めずにただ勉強すること自体を目標にする。それが究極の勉強だろう。
興味と知識は連鎖的に広がる。
?まずは対象に注意を向けること。
?理解して覚える
?関連付けて覚える。 人間は内容の似たことを一緒に覚える。 ストーリーをつける
?反芻、反復する。
反芻について。 記憶はいったんワーキングメモリ(短期記憶)に入る。それを反芻することで、強固な記憶となって忘れなくなる。間隔を長くしながら繰り返す。
・鳥の目法
全体を俯瞰するようにして勉強をする。 → 全体から把握する。細かいのは後。
毎回目次を見てから勉強を開始する。そうすると今自分がどこを勉強していて、前後とのつながりはどうなのか、ということが見やすくなる。
八割の原則。 まずは全体把握を。 また、進んだ段階から見ると、それまえの所はよくわかる。
・ギリシア考古学者の父シュリーマンは15ヶ国語をマスターした語学の天才でもあったのだが、彼の勉強法は非常にユニークである。その方法は次のことである。非常に多く音読すること、決して翻訳しないこと、毎日一時間を当てること、常に興味ある対象について作文を書く事、これらを教師の指導によって訂正すること、前日に直されたものを暗記し手、次の時間に暗唱すること。 以上。 ちなみにここでの「教師」とはシュリーマンが貿易商で築き上げた富の半分近くを出して雇った個人教師である。
・ドイツ語は音楽的でフランス語は論理的。
・論文構造についての詳しい解析
・講演のコツ。 初めの全体のアウトラインとなる目次的なのを必ず挿入。&重要な所は何度も繰り返す。 文章のコツ。 一文につき、一つの主張。が、しかしを使う場合は分を区切る。文を推敲する前に論理を固めよ。
・経済データについて。 基礎的な数字を覚えて、それとの関連付けで覚えていく。
・面接は模範解答を準備する。
・ニュートンとガウス、フェルマーの最終定理を証明した数学者 集中力のすごさ
・「レフトハンデッド・ディクショナリ」(左利きの辞書)によると 『講義とは教授のノートが学生のノートになる過程である。ただし、どちらの心も通ることはない。』
・常に正しいことほど大きな誤りはない。
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「速読英単語」ユーザーなら一度は耳にしたことがあるのでは。
勉強本の草分け的存在、野口悠紀雄氏の最も有名な一冊。
多少偉そうな文体なのがちと気に食わないが、勉強本にありがちな「突飛な」理論がなく、もっともな事をじっくりと教えてくれる。
個人的に気に入った勉強法が多かったので、オマケで星4つにしました。
一つ非常に勉強になった勉強法(?)があるので紹介します。
「数字に対する考え方」、です。
皆は数字について対してどのようなイメージを持ってますか?
厳密?難解?
著者はこの数字を「説得ツール」「曖昧でも許されるモノ」として扱っています。
確かに、説得に数字は付き物。
かの新潟の星・田中角栄は、国政に関するありとあらゆるデータを頭に叩き込むことで、あのような強大な影響力を持ち得たことは有名な話。
そのためには数字を効率良く暗記する必要があります。
本書で紹介されている暗記法は「基礎だけ覚えてあとは想像しちゃえ法」です(勝手に名付けました)。
例えば、自動車の国内年間販売台数は?
こう聞かれてパッと答えが言える人は、自動車メーカーの販売員くらいでしょう。
なんてことはない、日本の総人口(1億2000万人)だけ覚えておけば良いのです(てゆーこれくらい大体分かるでしょう)。
ここから先は想像で語ります。
(おおよそ1世帯は3人構成?)
つまり日本には4000万世帯ある。
(そのなかで車を持つ世帯は6割くらいか?)
2400万世帯が車持ち。
(車を変えるのは6年に一回くらいか?)
…年間400万台!
答えは1994年のデータで421万台。
このやりかたは全く正確ではありません(21万台はけっこうデカい)。
しかし、テキトーに「1000万台くらい?」と答えるより、はるかにかっこ良い!
いかがでしょう?
こんな感じで本書は進んでいきます。
長くなってしまったけど、おススメの一冊です。
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効率的な方法が載ってます。
野口 悠紀雄先生の本は、今のビジネスマンは、読んでて、当たり前なのかもしれません。
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・受験生用とビジネマン向け用を区別しているのはありがたい
・三つの原則、興味関心をもつ、全体を理解する、八割理解はなるほどと納得
興味関心については今までの経験上痛感。全体理解は実践してみたい。
八割理解は学生時代テストでやってはいたが、通常の勉強でも応用したい
・出来る人は自然と身につけてるだろうなという部分もあるが、英語の丸暗記法と、数学のパラシュート法は目からウロコ。
・国語の速読法も驚いた。小説以外の本は必ずしもはじめから読まなくともよい、とのこと。要は内容が理解できればいいので、ストーリーを追う必要がないわけだ。
・いくつになっても勉強は可能との言葉にはげまされる。
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かなり目新しい事が多かった。
英語を分解すんなー!なんて、高校でも予備校でも聞いた事ありません。
でも、実際に今の教育現場で用いられている方法はあって、(教科書の丸暗記とか)
気になった事は試してみる価値アリかな、と思いました。
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今までの勉強方法に疑問をもたざるを得ないほど明確に勉強のやり方を書いている。基本からやることが理解をする上で非常に重要だと思っていた。しかし勉強はノウハウと言い切る本書では急がば回れのような方法は採らない。部分的にしかも使い方がわかれば八割方理解できればいいと説く。そして勉強する過程で残りの二割が見えてくる。非常に実用的で説得力がある。いきなり全てを理解することは難しいが全体のうちのどの部分かを知り知った上でわからなくても進んでいくという姿勢は初めての意見である。
「超」勉強法の基本三原則
一.面白いことを勉強する。
二.全体から把握する。
三.八割原則
四.勉強は意欲で進む。
言われて当然と思ったのは一と四である。しかし高校時代の記憶をたどると必ずしも当然ではないことを思い出す。日本史が好きであったが、一部分の時代のみが対象であった。本を読んで面白いと感じただけで終わってしまった。数学も難しいところで挫折してしまい、日本史と数学を両立するか悩んでいるうちに大学受験を迎えた。面白さを意欲に変える、意欲の源を面白さからいただく。面白さと目標を両立させる。どうやら勉強のやり方に対する考えが間違っていたようである。
上記の四つのうちでやっていたのは全体を把握するぐらいである。そもそも簿記の勉強を初めて思うように進まないことと我慢をしながら行っていることに気づいたから本書を読み始めた。勉強のやり方と時間の扱い方である。何がいけないのか。具体的に何がいけないのかは判断できなったが、取り組む姿勢と目標設定は問題があった。自分にどのような勉強が必要なのか問題意識を植え付けることができる本である。
○速読のルール:音読しない。P123
○文より先に論理 P132
○進んだ段階から見ると、それまでのところはよくわかる。 P167
○学習対象に興味を持つ。 P215
○いつも勉強を続けていることが必要である。勉強に「浸かっている」こと、勉強に関して「現役でいる」ことが必要である。これまで述べてきたように、数学の計算力、英語の単語や適切な言い回し、字数の把握、漢字、すべてやらないと「なまる」。 P244
○スケジューリング
持ち時間をハッキリと把握し、そこにいたるまでの時間のマネジメントを的確に行おう。
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著者は「超」勉強法の基本三原則の1番目に「面白いことを勉強する」とあげています。人は誰でも、面白いことに興味を持ち、そこから意欲を持って学習を開始するのです。
ゆくゆくは、その出発点から始まった学習は、あらゆる分野へ拡大していく可能性を持ち、日々学習に励むものの思考は知的好奇心の拡散が発生するような気がします。
様々なことに興味を持って学習していきたいものです。
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外国語は暗記で勉強する、数学などは全体から把握する、などの勉強法が紹介されている。他の本を読んで、すでに実践している方法も多かった。やや古くさい記述もあるが、この本が95年に書かれていたことを考えると感嘆せざるを得ない。
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感想
数学のパラシュート勉強法は聞いたことのないものだった。短期間で知識を身につけていくには場合に応じて、勉強方法を選択していく必要があると感じた。
要点
・楽しく勉強すれば集中できるしいい。教科書通りにやらなくてもいいのではないか。
・全体的に、要点を理解することが大事。わからない点があっても立ち止まらずに進むと、後になって理解できていることが多い。
・英語は丸暗記
・文章は長さで4つに分類できる。
・精読には最初と最後を読んで全体を把握すること、重要な点をピックアップし拾い読み、がポイント。
・良い文を書くにはわかりやすさを意識、メモで流れをつくってから書くべし。
・数学の基礎は結構難しい。基礎を飛ばしてもいいかも。
・受験数学は自分で解くよりも、解き方を覚えたほうが早い。
・理解すれば記憶になり易い。
・短いフレーズとかよりも、自分でいろいろと意味を付け、関連付けると暗記し易い。
・暗記しようとした後にテレビとか他のことを考えたら、効率が低下する。寝ると脳に記憶され易い。
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・英語は教科書を丸暗記
・文章の分量が、書く内容を決定する。逆ではない
といった、ちょっと面食らうような勉強法を提唱している。所謂「正攻」とは別次元の、「超」勉強法。
とはいえ、奇異な方法ばかりを提唱して読者の気を引こうとか、そんな魂胆で書かれたものではない。この本は、大学受験を乗り越えるためだけに行われる局所最適な勉強に対する警鐘である。生涯を見通した場合に最適な勉強法を挙げ、ケーススタディや多くの書の引用を通じて、その勉強法の正当性を主張している。
・大学受験が終わったきり勉強しない学生
・学校で教わることと社会の要請との大きな食い違い
といったものに対して、誰もが問題意識を持ったことはあるはずだ。本書ではこれら問題を深く掘り下げ、どうするべきかという行動の指針レベルに至るまで明快に説いている。
提案される勉強法がやや過激なだけに賛否が分かれる内容であろうが、個人的には大変面白く、部分的に自身の勉強に取り入れたいと思うものであった。また、本文が示唆に富むのはもちろん、著者の膨大な知識がコーヒーブレイクを含む随所に滲み出していて、大いに読み応えがある。