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みんなのレビュー6件

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紙の本

文字なし絵本のおもしろさを味わう。

2010/06/05 17:38

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は絵のみの、文字通りの「絵本」である。

原題はフランス語で、TROIS CHATS。

この言葉で検索をかけてグーグルの画像を見ると、
TROIS CHATSのタイトルをもつおしゃれな3匹の猫の
写真やイラストがたくさん見られておもしろい。

日本ドメインの3匹の猫の写真やイラストとは
どことなく違う雰囲気が楽しめる。

本書の原書の書影も確認することができる。

さて、この原題は、直訳すると「3匹の猫」である。

それを「ねこ さんびき」としたところに
どことなくおもしろみを感じるのだ。

「3匹の猫」だと、なにか昔話の語りが聞こえてきそうなのだけど、
「ねこ さんびき」というと、「ねこがどーんっとさんびきいる」絵が
迫り出して見えるように思えるのだ。

ところで、字のない絵本といえば、
ガブリエル・バンサンの『アンジュール』が思い浮かぶが、
興味深いことに、ガブリエル・バンサンも
本書の著者であるアン・ブルイヤールも
どちらもベルギーのブリュッセルの出身で、
美術学校で学んでいるという共通点がある。

実は、私自身は決して絵を味わうのが得意というわけではない。

文字で情報を入れて、文字で書いていくのが一番得意だと思う。

だが、できるだけ五感を開き、文字で表されていないものを
自分の言葉で、文字で表現してみようとする過程は好きである。

そういうこともあり、『アンジュール』の書評で難産したにもかかわらず、
文字なし絵本語りに再びチャレンジしてみようと思ったのだ。

表紙の猫の存在感は、一匹ならば『ねこのせんちょう』が一番だと思うのだが、
本書の三匹の微妙に違う個性的な姿には目を惹かれる。

三匹は白黒猫なのだが、白黒の量が微妙に違っている。

一番左の猫は白が多目で、体だけではなくて顔も半分近くが白く、黄色の目をしている。

真ん中の猫は黒が多めで、白いのはおなかの部分。目は緑色。

一番右の猫は前足は黒が多くて、後ろ足は白が多い。
白黒バランスは今までの二匹の中間くらいで、目は青。

三匹の猫の距離感覚は均等ではなく、
黄色い目の白黒猫と緑の目の白黒猫は寄りそうように近くにいて、
青い目の白黒猫はちょっと離れている。

三匹の目がお互いをけん制しあっている。

黄色の目の猫が見つめているのは、緑の目の猫。
青い目の猫も少し離れたところから二匹の猫を見ている。
緑の目の猫のまなざしはまっすぐだ。

三匹の長い黒い尻尾がすーっと木の枝から垂れている。

見返しは、どこまでもどこまでもどこまでも青い空、
そしてぽっかりと浮かぶ白い雲。

中表紙の猫たちは少し目線が変わってきている。

三匹の目は静かに下に向けられているのだ。

特に青い目の猫は、前のめり具合が違う。

静かに止まっているのに、もう次に動きがあるとわかるのだ。

そして本編が始まる。

青い目の猫はますます前のめりに下を見ている。

そんな青い目の猫を見ている黄色の目の猫と緑の目の猫。

ここまでの3枚で動いているのは、三匹の目と青い目の猫の体躯の傾きだけなのだ。

下には一体何があるのか。やっと次の絵で見えてくる。

濃い緑の水の中、真っ赤な魚が三匹、泳ぎ回っているのだ。

青い目の猫はもう魚に引き込まれてしまいそうだ。

そして・・・。

そして・・・。

飛び込むまでが本当にゆっくりだ。

青い目の猫の体躯がゆっくりゆっくりのめっていくのを
ぜいたくにも本編3枚の絵で描く。

泳ぎまわる赤い魚。

とうとう青い目の猫の前足が離れる。

後ろ足がしっかりと木の枝を捉え、尻尾がしなやかに動く。

三匹の赤い魚は、猫の動きに気づいて、目を見開いて固まっている。

ここは青い目の猫と三匹の赤い魚のみの絵。

飛び込んで着水する直前。まだ青い目の猫は若干水面の上にいる。

猫の飛び込む姿がきれいだと思った。

うずをまく水面。

飛び込んだ猫の姿も赤い魚の姿も見えない。

緑の目の猫と黄色い目の猫は、不思議そうな様子で
顔を木の枝にくつけるようにして下を見ている。

二匹は同時に飛び込んだ。

こちらは派手に飛び上がる水しぶきに黒い二本の尻尾が立ち上がっている。

その先の展開は、予想外だ。

今まで、ゆっくりゆっくりゆっくり展開していたものが、
残りの二匹が飛び込んだことによって、急速に展開してしまうのだ。

なんかこういうことって、あるよね?

なんて大人絵本読みは、つい何かに例えてしまいたくなるけど、
なんだかおもしろい、ということでよいのかもしれない。

おもしろみは、いろいろな要素でできているのだが、
最後にそれを目の前に展開するものから見つけ出すのは、
やはり自分の心の中にあるユーモアセンスなのである。

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2006/04/16 19:00

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2007/10/16 15:19

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2011/04/16 00:28

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2019/07/14 03:29

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2022/09/08 15:01

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