紙の本
結局、今の科学じゃ駄目らしい。
2003/04/27 12:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kay - この投稿者のレビュー一覧を見る
「意識は科学で解き明かせるか」と言うタイトルの通り、きわめて科学的に意識というものにアプローチしている。その分、相対性理論や量子力学が苦手な人は少し苦労するかもしれない。どのように脳は情報を処理しているのか、そしてそれを説明するのにどのように量子力学などの考え方が役に立つか、そんなことを大真面目に議論する本。ただし、現在の脳科学の状況を見ても分かるように、未だ全て理論の域を超えていない。見識を広めたり、知的想像を楽しむのにはもってこい。
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茂木健一郎氏のファンなので購入したが、天外氏の論理飛躍、宗教と量子力学の強引な結びつけ(こういうのを形而上学的というのだろうか)に辟易した。ニューサイエンス信望者にしばしば見られるが、現代科学を否定しつつ、量子力学などとのアナロジーを「あの世」など見えざるものの存在の根拠とする姿勢は、少なくとも科学の新たな地平を開こうとする挑戦者のものではない。
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内観によって何が出てくるかというと、
仮説が出てくる。
その仮説を一生懸命に努力して検証していくのが、
サイエンティストの役割だと思うわけです。
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[ 内容 ]
物質からできている脳に、なぜ「意志」が生じるのか?
劇的な進歩をとげた近代科学に、立ちはだかる最後のハードプロブレム。
人間は自らの脳で、この問題を解決することができるだろうか。
21世紀の科学革命を予測する。
[ 目次 ]
第1章 「量子力学」が描く世界(近代科学の発展を振り返る;アインシュタインが口火を切った ほか)
第2章 「隠された秩序」は存在するのか(「量子力学の不思議」―波動の重ね合わせ;「量子力学」と哲学的世界 ほか)
第3章 意識と脳科学(脳科学の現在;記憶のメカニズム ほか)
第4章 科学は心を解明できるか(「ツイスター」とはなにか;ツイスターで世界は記述できたか? ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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神経伝達物質の運び屋の謎を解明したという今度のノーベル医学生理学賞はエポックメイキングじゃないかとおもうが、茂木さんの意見を聞いてみたいところだ。天外さんは量子力学と仏教の唯識の共通性を説くのだが、心の問題へのアプローチというのは多角的であるほど面白い。これは企業経営なんかにしても同じことだ。
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やっぱり量子力学とか素粒子とか出てきた段階で目が泳ぐ(笑)
ただ物質が先か心が先か、で今回は心が先と考えるといろいろ説明がつくのでは?と天外さんが提案していると言うことだけつかみました…
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17世紀後半、心と物質は別のものと考えるようになったのが近代科学の始まり。すなわち、宗教と科学の分離。ガリレオガリレイは宗教裁判にかけられた。そして21世紀、また心と物質は一つになるかもしれない。そういう本。
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天外さんと茂木さんの対談本。精神や意識を量子力学的な見方で分析できるとする天外さんの理論を、量子力学のトピックを積み上げる形で解説してくれる。量子力学の非主流意見を知るのにもなかなか良いと思った。
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意識のハードプロブレムに大胆な挑戦をおこなう脳科学研究者の茂木健一郎と、ニューサイエンスにかんする著述活動で知られる天外伺朗が、物理学と脳科学にまたがって意識の謎をテーマにした対談をおこなっています。
前半では天外が、みずからの関心にもとづきつつ量子力学の発展を振り返り、デイヴィッド・ボームの「ホログラフィ宇宙モデル」への期待を語ります。後半では茂木が、ロジャー・ペンローズの『皇帝の新しい心』などの著作をヒントに、脳科学における「結び付け問題」などを解決するための展望を切り開こうとするもくろみを語ります。こうした二つのテーマを軸に、それぞれの議論に対する対談がおこなわれています。
天外や茂木の読者には、おもしろく読めるのではないかと思いますが、一般の読者にとってはしばしば展開されるアナロジーにもとづく議論が目についてしまい、戸惑いをおぼえるのではないかという気がします。