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紙の本
創設メンバーの恨み節爆発
2001/01/23 22:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばいきんまん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者白井朗は、新左翼セクトの一つ、革共同・中核派創設以来40年近く……要するに二十世紀が終わるころまで……幹部を務めていた人物である。
一般に中核派というと、白ヘルメットにマスクで難しい左翼用語を連発し、革マルと内ゲバをしている連中と言った印象しかない。
本の内容は、大きくわけて内ゲバに対する批判や組織内の末期的な状況の報告と、中核派の「革命的再生」のために現執行部の思想批判の二点になる。
白ヘルマスクの裏に、こんなまっとうなことを考える古参幹部が、つい最近までいたというのは驚きである。が、追い出されてしまったことから、ついに執行部批判の本を出すことになった。そんな経過のせいか、全体にセクト機関誌的な文体で、こうした文章を読むのに慣れている人はともかく、普通の人は少しわかりにくい。
本の後半半分は、現在の中核派の思想に関する批判が展開されている。「資本論」なんか読もうと思ったこともない私には何とも言えないが、白井氏が相当に左翼の歴史や理論について勉強されていることが伺える。中核派が反スターリンリズムを標榜するスターリニズムの党に堕したのは実際の中核派も見ればわかるし、組織の趨勢がトップの判断ミスによって助長された来たのも歴史を見れば明らかなことで、論旨は自然である。
だが、今になってもなお、イデオロギー論争をしている場合ではないだろう。また大衆に対する認識の甘さは相変わらずだ。現執行部憎しの感情を押さえ、ほかに書くことがあるのではないか?
これなら滅ぶのも無理はない……中核派に何の愛着も筆者にはないが、滅びゆく者の痛々しさを感じる本だ。
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