紙の本
読みどころは宣伝文句ではない
2002/03/25 15:49
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投稿者:沢居すだち - この投稿者のレビュー一覧を見る
発売当時、読んでみて思わず首をかしげた。
内容はとても面白い。Y-Y染色体を持つ「超男性」である主人公が、それゆえ女アレルギーを起こすという、とても長野まゆみらしい発想の物語だ。
しかし、宣伝文句とは内容が異なり、種の責任を未来に問うているとは思えない。額面通りに受け取らないのが、好意的に読むポイントであると思う。
主人公は、愛情など幻想に過ぎないと思わざるを得ない環境で、それでも自分の生きる意味を求めている。
人物の一人が性同一性障害であるというポイントも巧く物語に絡んでいる。ただ、この物語の人々は、殆どが身体的な性別と生殖的な性別が食い違っているが、精神的な性別と身体的な性別が一致している点で、性同一性障害をテーマにしたものとは違うといえる。ジェンダー問題とは微妙に異なる点で、男女の境界をあやふやにしている。植物的とでも云うべきか。
「自分の望まない躰」「望まれていると思えない躰」に対し、どのような答えがあるのか、読みながら見つけていって欲しい。
紙の本
テーマ自体は面白いが…。
2001/11/09 19:16
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投稿者:ゆうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に書かれてある文(内容説明に記載されている文章と同じ)を読んで購入した人は、まず裏切られた気持ちになるだろう。それも、悪い意味で、だ。
もそも主人公は別に、自分の出生の秘密など明かそうとしていないし、周囲が勝手に暴露するだけだ。内容説明とは大分話が違うので、参考にするのは止した方がいいだろう。
内容としては、掘り下げる部分をきちんと書き切れていない感を強く感じる。テーマとしては恐らく「性同一性障害」を描いたものであろうが、途中で脱線してしまう。それが筆者の意図であるかどうかは分からないが。どちらにしても、テーマ的には面白いものを取り上げているだけに、残念だ。
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近未来が舞台の作品。
生殖医療が発達した、家族の繋がりが希薄な世界。
「俺が生まれるのを希んだ人間なんて、いるのかな。…ひとりでも確認できれば、今より楽になれそうな気がする。」
愛に飢えた主人公・温(ハル)のサマー・キャンプが始まる。
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装丁:大久保明子
写真:Ben Simmons/pps
“愛情など、断じて求めない、はずだった。”(帯文より)
難しく衝撃的な内容に、理解するまで暫く時間が掛かった作品。
文庫版も出ています。
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読み始めはコミカルな感じかなぁって思ったら、やっぱりそうでもなくちょっとむずかしめ。いやあたしがおつむ弱いだけか。でも視覚的に訴えてくる美しさは健在。
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T.V.Cityが不動の1位で、白昼シリーズが2位だとしたら、あたし的長野さんの本の好き度ランキング(何じゃそりゃ)の3位はこれだと思う。近未来世界を舞台として、ライトなタッチで重いテーマを描く。本全体としてはむしろ登場人物への愛が先行している白昼よりも好きです。
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数多い長野作品でも、かなり好きなもの。
いつもゆっくりと最後迄読んで、くすりと笑い、切なくなって、満足します。
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設定が好みで描写がウツクシス。
ヒワ子さんが好き。文庫版もあります。
他、長野まゆみの既読は追々。
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ただ、周りに流されながら生きているだけの少年。出生に秘密があろうと、記憶に問題があろうと、温はただ、あるがままに生きているだけ。そんな少年の夏を淡々と描いているだけ。切なくて、優しい気持ちになれる。
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長野作品には表向き「愛情なんて求めないぜくそくらえだ」と振舞っているけど、実は愛情に飢えている美ボーイがよく出てきます。
この主人公・温(ハル)はその中で私の一押し。彼の背景が非常に具体的でわかりやすいからでしょうか。
理系的要素が大きい話なので、理系アレルギーの私は相当読み込まないと理解できなかった。。
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遺伝子のお話はとても難しかった。誰が男で誰が女で、誰と誰の子で、今誰の子として生きているのか。二人の関係は何?謎が残りつつ、楽しかった。
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遺伝子のお話が説明的に出てくる部分があって、それが難しい人には難しいかも。
授業で遺伝子は習っていてとても好きだったから簡単に想像できたものの、友人は難しくて読めなかった…とのこと。
かなり好きです。
ちょっと心が痛くなったりもするけど、最後は優しい。
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これもまた性別がいろいろと
割に表現は露骨な方、下品と取る人もいるのかもしれない
個人的にはそこが良さだと
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長野まゆみ読んでますか?とか
好きですよね?とか言われると
そうなんだけど、微妙な気持ちになります
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性同一性障害がテーマになっているのかなあと思ったり、遺伝子操作とかそういうのがテーマになっているのかなと感じました。