紙の本
篠田さんのファンで、かつヴェネツィア好き、という人には食い足りないかも?
2003/08/19 01:32
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投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る
篠田さんのファンでヴェネツィア好きの私は、今度の建築探偵がヴェネツィアを舞台にしている、と知った瞬間に、深春や蒼があの迷宮のような街で、街と事件の両方に幻惑されていく話に違いない、と勝手に思い込んでしまった。が、深春はとっとといなくなってしまって、事前に想像していたようなシーンは蒼が仮面にマントの人物に後をつけられたところぐらい。
まあ、読みもしないうちに想像が暴走してしまった私がいけないのだが、メインの事件がヴェネツィア本島ではなく架空の島で起こるので、せっかくヴェネツィアを舞台にしながら、街そのものが話題となるのはストーリーとは直接関係のないところでだけというのがちょっとさみしいのだ。
もっとも、あのラグーナの茫漠とした風景、あれも確かにヴェネツィアであり、この巻の真の主人公というべき羚子の心象にはふさわしいものであると思う。今回のストーリーで、羚子の館をヴェネツィア本島に置いたら、物語が空回りしてしまうだろう。
そういいながら、同じシリーズで同じ街を舞台にすることはないんだろうなーと思うと、やっぱりもったいないと思うのであった。
ところで、この本を読んだ翌年にまたヴェネツィアへ行って、京介の昇ったコンタリーニの螺旋階段を昇り、神代さんの飲んだチョコラーテ・コン・パンナを飲み、深春と蒼が食べたクラブサンドを食べてくるあたり、私もミーハーだなあ。
紙の本
水の都の情景が美しい
2002/01/21 01:04
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜井京介、ヴェネツィアへ…イタリアへ行きた〜い!!! 情景がものすごくキレイで篠田さんの本領発揮の1冊です。
もう少し犯人たちの内面に踏み込んで欲しかったような気もしますが、充分と言えば充分。登場人物紹介で、京介が「30才、肩書き無しの建築史研究家」、深春が「30才、フリーター」になっているのが、笑えましたね(笑)。
すごく私の友人関係の理想に近いフレーズがあったので、ちょっと引用します。
「別に意見がいつも同じである必要はない。ただある程度興味が共通していて、ちゃんと話が出来てお互いに見つけたものを教えたり、教えられたりできる道連れ。そんな人がそばにいてくれたら、ひとりよりずっと楽しいだろう。」
簡単なようだけど、適度な距離感をもった人間関係って難しいですよね…。
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「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズの第8弾らしい。
らしいというのは、このシリーズを1冊も読んだことがないので知らないから。
元々ミステリこわくて読めない体質だしさ。
では、なぜ手元にあるかといえば、イタリアそれもヴェネツィア物だから。
とある人が、このくらいならこわくないわよ、と薦めてくれたのだ。
結論。十分こえ〜よ・・・。
何か2時間サスペンス見ている気分だった。
実際、読むのに2時間もかかったしさ。
他のシリーズを読まなくても、これ1冊だけでも話は通じたのは
確かだけどさ。
ヴェネツィアの魅力は十分伝わってくる本であった。
愛がね、なんか溢れているのよ。
ヴェネツィアの要素がギッシリ詰まっていて嬉しくなる。
カフェ・フローリアンでクソ高い飲み物を分かっていながら飲んだり、
貴婦人との待ち合わせがダニエリだったり、そりゃもう、たまらん。
ヴェネツィア大学には日本語学科もあるらしいしさ。
2000年に出版されたものらしく、通貨がまだリラというのもいい。
ああ、私も行きたいよ。ヴェネツィア〜!
初めての海外旅行でヴェネツィアを訪れた登場人物の青年が、
『海の都の物語』を読んでいて良かったというのだが、全く同感。
ヴェネツィアについては、この本を読んでいるかそうでないかで、
楽しみ方が全くかわってくると思うからだ。
しかし、事件現場となったサンタ・マッダレーナ島ってどこにあるの。
というか、本当にあるのか?
本土ならともかく、島は大きいところしか知らないので真偽は不明。
サン・マルコまで1時間でムラーノ島が最寄(つっても遠いだろうけど)
ありそうで、なさそうなんだよね。
それにしても、何で「赤き死の仮面」がモチーフに使われているのか。
ヴェネツィア→仮面という連想からだろうか。
それとも、ミステリだから?それが謎だ。
もう一つの謎が、桜井京介という人の言語能力だ。
事件概要を流暢なイタリア語で、しかもヴェネト方言の強い刑事を
相手にしながら語れるなんて凄すぎる。
どこで学んだんだ、どこで。
学習開始から2年が開始した私は、本文中書かれた、簡単なイタリア語を
読めるだけで嬉しくなっていると言うのにさ。
随分な違いだわね。くそっ。もっと勉強しよう。
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ヴェネツィアが舞台。
カタカナの苦手な私には苦行のような本でした。
登場人物の名前が覚えられない!
人が簡単に死んでいるような感じがしてあまり好きな話ではなかったです。
イタリアの警察が嫌いになりそうな、そんな本でした。
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おもしろかった。これまで読んだ一部を除くほぼ全巻通して最後に感じた曖昧さや釈然としない感がなく、すんなり読み終われました。
京介さんは駆ける蒼に手を引っ張られ、深春さんに後ろから押し出されながら文句言いーの呆れつつ苦笑しつつ進んでる。そんなイメージが浮かんだ。
2006.4読了
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桜井京介シリーズ
ヴェネチアでの事件。孤島に住む未亡人と亡夫の息子との孤島の売却問題。
消えた日本人女性。占拠された島。殺害された使用人たち。現れた2つの死体は別の人間。
2009年6月21日再読
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今までの建築探偵の中で、一番よかった。
トリック(?)が甘くないとは言わないが、それを蹴散らすものがある。主役の4人が少し引いた形が、かえってよかったのかもね。
「この世に仮面なしに生きている人などいない」という言葉が切ない。
そして仮面の下の、悪意や絶望しか見えなくなってしまう状態の苦悩。その始まりは、それでも「愛」だったと思うし、愛だから余計に切ない。人間はこの愚かさから脱却することは、出来ないのか。
しかし、京介の過去については、このままわからないままずっと、ひっぱっていくつもりなんでしょうか? それとも、いつかは書いてくれると期待してていいんでしょうかね。
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ずいぶん前に読んだ本。
蒼20歳。
ヴェネツィア。
富豪未亡人が隠遁している島に招かれた神代、京介、蒼たち。
予想通りの展開だがまあまあ。
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ヴェネツィアの小島に隠棲する未亡人に不吉な気配が忍び寄る。かつて求愛を受けた亡夫の息子が企てる島の売却話、招待した女性ライターの失踪、未亡人に寄り添う女彫刻家にも暗い過去が。ラグーナをわたる不穏な風はふたつの殺人を呼んだ。京介、そして人生の重大な決断を前に悩む蒼が迷宮のごとき街を走る。
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外国に行きました♪
桜井京介の初期の作品は魂が洗われる
透明感があります
推理小説らしい意外性・・・読み返そう
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再読。シリーズ通算8作目・本編7作目。
巨大な迷宮建築の様なヴェネツィアの街の圧倒されるような歴史の重みや、どこか不安を覚えるような街の造詣の魅力が良く伝わってきます。
あの件の返答を出せずにいる蒼。
京介・深春・神代さん、三者三様の見守り方で蒼に心を寄せているのがやっぱり良いなぁ。
良い事も悪いことも、沢山の過去の連なりの上に現在の自分があるということ、そして大切なのは塗り替えられない過去ではなく、今とこれからの自分なのだと悟った蒼の出した答え。
再読なのにじんときますね。
肝心の事件のほうは、これまでの作品にもちょいちょい「仮面」というキーワードが出てきていましたが、この作品でその言葉に込められたものが効果的に活かされている。
人の心を操る狡猾なあの人物の仮面を剥ぎ取った京介が、心の中でふと独白した思いが胸に刺さる。
”彼の強さが欲しい”と。
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かなり昔読んでいたが、犯人を覚えていたのが印象的だった。
舞台はヴェネチア。
それだけでいいわぁと言う感じ。
久々に蒼と同じくらいの女の子も出て、華やかな感じに。
そして蒼と神代先生の養子問題。
ラストにさらっと決着がついてあれれと拍子抜け。