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紙の本
紅白に出たい、阿部和重さん
2004/07/04 22:35
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投稿者:もくりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
はたして、「anan」の読者と阿部和重さんの読者は一致するのでしょうか?
阿部さんの小説には、ストーカーの家庭教師やスカトロ大好きロリコン警察官などが登場します。「anan」の読者、つまり「20代から30代」までの女性が追い求める「キムタク」的な人間とはまったく逆ベクトルな登場人物たちです。彼女たちの日常生活において、このような人間達と遭遇してしまったら、彼女たちは目を背けるであろうし、あるいは罵詈雑言、または無視といった態度を取るかもしれない。そういった意味で阿部さんの小説は、若い女性が好き好んで読むものではない。
しかし、このエッセイは「anan」に連載されたらしい。
しかも、一年も続いたらしい。
不思議だ。
書かれているエッセイもどーでもいい内容で、例えば、芥川賞に何回も候補されているにもかかわらず、賞が貰えないことから「小泉今日子文学賞」の設立を目論んだり(なぜ、小泉今日子なのか? その理由は書かれていない)、「小泉今日子文学賞」を設立しても受賞できなくては意味がない、と考えて芥川賞=紅白という図式を捻りだし、作家から歌手(ミュージシャンから作家になった、辻仁成の逆バージョン)になって紅白出場を目指したりする。
つまり妄想だ。しかし、阿部さんの書く妄想は、どこか冷たい。醒めている。書かれている内容の馬鹿さ加減とのギャップ、温度差が楽しい。
その温度差は、筆者の書く文章、つまり、強固な客観視=第三者=覗き見趣味からくるものだと思う。
もしかしたら、覗き見趣味=ワイドショー的な文章に、おばさん予備軍である、若い「anan」女性読者が惹き付けられたのかも知れない。
ちなみに阿部さんは現在、「EYESCREAM」という雑誌でエッセイを連載している。陰謀論や輸入盤CD規制問題などを相変わらずの「阿部節」で論じている。
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