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現代フランスを知るための36章 みんなのレビュー
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紙の本
現代フランスのあらゆる側面を知ることができる実践的フランスガイド
2000/08/21 23:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:瀬尾尚史(在パリ) - この投稿者のレビュー一覧を見る
各々がフランス留学経験を持ち、映画、音楽、美術を専門とする研究者達による、実践的フランスガイドである。
第1部「ぼくたちのフランス体験」では、編者3人の対談であり、それぞれの留学時代の体験談が収められている。第2部「パリの暮らし」ではカフェやマルシェ、アパートの探し方といった、パリで生活するための基本的な「知恵」が記されている。第3部「パリ 芸術と文化の首都」を読めば、映画、演劇、建築、音楽といった、今も尚、時代の先端を行くフランス文化の現在を知ることができるだろう。各章は4ページ足らずなので、概略的記述に留まらざるを得ないが、それでも各人の専門分野だけに、ありきたりのフランス・ガイドとは異なる高いレベルの記述を多く含んでいる。第4部「日本とフランス」では日本人のフランス観(あるいはその逆)や、日本に居ながらにしてフランスに触れる方法が紹介されている。
本書はフランスに興味を持つあらゆる人達に役立つものだ。これからフランスに来ようとしている人達(たとえそれが旅行であれ、留学であれ)、私の様に現在パリで生活する者、更には、フランスへ行く予定は無くともフランス文化に興味を持ち、フランス映画やフレンチ・ポップに日常的に触れている人。こうした人達のフランスへの興味を更に掻き立ててくれる。
しかし、フランスで生活するとなれば決して楽ではない。そのための条件として、ひたすら強調されているのは「フランス語学習の必要性」だ。それ無しには有意義なフランス生活など不可能なのであり、フランス人との「闘い」を切り抜ける事などできないのだと述べられている。巻末の「外国に留学することは、日本社会への不適合に対する逃走線ではありえない」という梅本洋一氏の言葉は、私自身を始めとする多くの在仏日本人留学生やこれから留学しようとしている人達が反芻する必要があるだろう。
本書は、様々な役立つ情報を含んだ楽しめる読み物であると同時に、フランスへの「甘い幻想」などとは無縁なフランスの「現実」を知ることができる本なのだ。
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