紙の本
全9話のホラー
2022/12/04 17:57
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー短編集の「謎」がどれもオチが甘く期待外れだったので正直期待してなかったが、良い意味で裏切られた。ゾクッとする話のオンパレードで毒気の強い話が得意の著者の本領発揮という感じで最高でした。
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ホラー短篇集。全9話。
我孫子さんにはめずらしく?ホラーというか怪奇というか、そういうテイストの短篇集でした。
私は個人的には、ホラーってあんまり好きではないので評価は★3つとなりましたが、ホラー好きには結構いいかも?
ラストの『猟奇小説家』は、わりとおもしろかったです(*´▽`*)途中で「うわ〜オチ読めちゃったよ・・・(´〜`ヾ)」ってがっかりしたんですが、そうは問屋が卸さない(笑)さすが我孫子先生です。私の想像力を凌駕するオチがちゃんと待ってました♪
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小説雑誌のパロディとして作られた「小説たけまる増刊号」がこの本の「元本」である。残念ながらその本のことは知らなかったのだが、小説家が本人自身楽しんでこのような企画をするのは面白い試みだと思う。その文庫化にあたってもあたかも「個人文庫」であるかのような体裁をとっていて、また楽しい。
この巻は「ホラー」の分野のものを収めている。ホラーと言ってもそんなに怖くない(^_^;)怖さがあとから「じわり」ときいてくる感じといったらわかりやすいだろうか。
また、最初の七篇には「隠しテーマ」がある。そのテーマに気づかなくても勿論面白いのだが、読後にテーマを知り(途中、「解題」にテーマが明かされている)もう一度読みなおすのもまた良いものであると思う。
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「猫恐怖症」「猟奇小説家」がかなり良い。「猫恐怖症」って猫好きに取っちゃあ悲惨極まりない話だし。「猟奇小説家」は、「意外な結末」がかなり楽しめる一品。
そうかあ、これは「○○テーマ」だったのね。「春爛漫」は見当がついたけれど。「○○」をテーマに「恐怖小説」を書くという試みもなかなかのものだなあ。
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ホラーな短編集。
「猫恐怖症」「春爛漫」「芋羊羹」「再会」「青い花嫁」
「嫉妬」「二重生活」「患者」「猟奇小説家」
春爛漫が印象に残っている、悲しかった。
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「小説たけまる増刊号」からホラー作品を集めた「怪の巻」。
最初の7篇には仕掛けがあるようです。
「解題」というタイトルで、種明かししております。
その後に2篇続きます。
一番ドキドキしたのは最後の「猟奇小説家」なんだけど
最後の方の一言で、ただのキモい作品に評価が下がった。
ホラーと言っても怖くないです。キモいです(○ ̄m ̄)
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猫恐怖症 / 初出 小説すばる 1993年8月号
春爛漫 / 初出 小説すばる 1994年1月号
芋羊羹 / 初出 小説すばる 1994年4月号
再会 / 初出 小説すばる 1994年7月号
青い花嫁 / 初出 小説すばる 1994年11月号
嫉妬 / 初出 小説すばる 1995年7月号
二重生活 / 初出 小説すばる 1995年12月号
解題 / 書き下ろし
患者 / 初出 ミステリマガジン 1995年11月増刊号
猟奇小説家 / 初出 小説すばる 1996年6月号
あとがき
解説 (笹川吉晴)
『小説たけまる増刊号』 1997.11 集英社刊 再編集文庫化
装幀 京極夏彦 With FISCO
印刷 凸版印刷
製本 凸版印刷
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まあまあ面白く読めました。。
猫恐怖症が一番サラッと読めました。
青い花嫁も好きだけど、いかんせんすべての話しが
ちょっとブラック。。
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落語を題材にミステリ、というかホラー化させたようなショートストーリー。
かまいたちの夜でいえば、底蟲編みたいな。
そんな気味の悪い話が多い。
落語という縛りの中で展開する話は面白い。
エロいネタが多いため、怪というより淫としても良いかも知れない。
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死の猟犬的な短編集のネタがあるのかなと考えていましたが、違う仕掛けがありました。
個人的には猫恐怖症が一番面白かった。
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休日を利用して「たけまる文庫 謎の巻」と本書「たけまる文庫 怪の巻」を2冊続けて読み終えました。
「謎の巻」はどんでん返しのミステリー作品、本作「怪の巻」は完全にホラー作品です。
ホラー作品なのに、ところどころエロいシーンが描かれていて、僅かな行数にもかかわらずなんともリアリティを感じる。
しかし、本作の醍醐味は短編なのになんともいえない恐ろしさ。
手にしたのが明るい時間でよかった(苦笑)
説明
内容紹介
単行本刊行時に個人雑誌形式で世間をあっと言わせた話題の短篇集が、なんと今度は個人文庫になって帰ってきた。今回配本分はホラー作品を集めた「怪の巻」。怖いです。(解説・笹川吉晴)
内容(「BOOK」データベースより)
業界初(?)の「ひとり雑誌」形式で世間を「あ~っ?」と言わせた話題の短編集「小説たけまる増刊号」が、なんと今度は驚きの「個人文庫」になって帰ってきた―。記念すべき第一回配本分はホラー作品を集めた「怪の巻」をお届けします。猫を異常に恐れる男の話「猫恐怖症」、桜が頭蓋を食い破る「春爛漫」、小説の通りに起きる惨殺事件の謎「猟奇小説家」など選りすぐりの九編。…怖いです。
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物語の文章を、一字一句疑ってかかる事は、
反対にその物語を信じて読む事に等しいのではないか?
結局作者の掌の中でいいように転がされる道化だ。
どれだけ先を予測して寸前までよみ切ったとしても、最後の数行で容易く車線変更してしまう。
思うようなラストにならないし、
そもそもミステリに思うようなラストなど望んではいない。
「思惑が外れる方が、
外れれば外れるほど面白いなんて、
おかしな話だなぁ。
当たれば当たるほどいい、占いとは正反対だ」
賢いふりして馬鹿みたいに転がされる事が、
実はミステリを楽しむ一番の方法かもしれない。
と馬鹿話はこのくらいにして、
本書はホラー7篇、ミステリ2篇の短篇集。
個人的には、
・再開
・嫉妬
・患者
・猟奇小説家
の4つが面白かった。
短篇集だから当然とはいえどれも2.30ページほどの短い話で、
とくにホラー話は、
結構膨らみそうな展開なのに、
あっさり最後の数行でとってつけたようにオトす。
ミルクボーイのコーンフレークのネタを、
1分くらいで、
駒場 : オトンが言うには、頭蓋骨ちゃうか
内海 : 絶対ちゃうやろ、もうええわ
とオトすような話。
狐につままれたような妙な読み応えに、
言いようのない引っ掛かりがあって、
ホラー話なんだからそれはそうなんですが、
その怪しさとはまた性質が違う、
なんかどこか手を抜かれているような、
ターゲットを子供にしぼった物語のような違和感。
なんだろうなとそのまま7篇読み終えて、
解題でその違和感の正体に気づいた。
思い返せば、
1発目の猫の話で気づけたかもしれない。
ホラー7篇に隠された裏テーマの正体を。
こういう趣向とかユーモアは楽しい。
あとがきにもあるが全編通して、
現実?虚構?どっち?
と白黒つかないままどちらとも取れる終わり方をする話が多い。
虚構は虚構のまま、
物語はその追及を許さず終息する。
江戸川乱歩なんかの世界観。
叙述トリックが巧みで、
患者なんかは、精神病院の設定を活かした信頼できない語り手モノで、
再開なんかも結局そう。
「だいたい主人公がバチくそ狂ってるんだよなぁ」
猟奇小説家は、
最近読んだウロボロスの偽書にそっくりで、
まぁミステリの王道設定なんでしょうが、
小説の模倣殺人が起きて、
小説家の元に警察が来てって話だけど、
オチのひっくり返しは2.3発斜め。
物語は初めから読み進めなければならず、
少ない情報を頼りに、
状況を想像し、未来を予測する。
そこでプロファイルされた人物像や設定が、
(特にミステリは)
最後まで正しかったことなんて殆どない。
思い込みを作り込み、それに漬け込んで、
いかにひっくり返すのが肝だからだ。
そんな当たり前を徹底するのは、
生半可なストーリーテラーではつとまらない。
我孫子武丸にはそれが十分すぎるほど務まる。
たけまるはつとまる。
つまらない話はこのくらいにしておきます。
……はて、頭からこの文章を読み返してみたら変だ。
「」で書かれてるセリフみたいな所は、
僕の記憶では書いた覚えがない。
それ以外のところは一字一句僕が書いた確信があるが、「」の文章だけは全く記憶にない。
「一体誰なんだろう?」
と考えても無駄なのかもしれない。
白黒つかない灰色の中で、
頬をつねってみるが、
痛みはしっかりと存在を証明する。
窓の外は明るくなっていた。
SNSに投稿を終えると、
僕は「布団を」頭までくるま「り、深く目を閉じた。
あれ、今ってどっちなのかなぁ………
あぁ怖い怖い
何が怖いって
文章が怖い