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紙の本
アメリカの郷愁の味
2000/09/19 01:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミオメロディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はカナダ二世の両親をもち、アメリカ庶民の味を子供時代から見知っているということもあり、独自の視点をもっている。
加えて食いしん坊で、食に、料理に興味を持っているから、アメリカのクックブックを主眼にすえ、アメリカの食文化を考察するこの本がおもしろいのは言うまでもないでしょう。
紙の本
アメリカ料理の成立を探り、さらにはアメリカ文化の特質へと迫るスリリングなエッセイ
2000/07/10 20:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:村井康司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカのメシはまずい、という話をよく聞く。どこへ行っても同じものばかり出 てくるだの、量ばかりやたらに多くて大味だの、ケチャップをべとべとに付けてごま かさなくてはとても食べられないだの、醤油をかけたらなんとか食えた、だの。しかし短期の旅行でニューヨークやロサンゼルスに行って外食だけした大方の日本人にとって、「普通のアメリカ人たちが家庭で普通に食べている料理」がいったいどんなものなのか、それがどういう経緯で現在の形になったのか、は、ほとんど未知の領域であるはずだ。
本書は「アメリカ料理」がどのような形で成立し、時代とともに発達・変化してきたかについて、ネイティヴアメリカンの食・移民初期の料理・西部開拓時代の食事・庶民と大統領にとっての「アメリカの味」・変容しつつある現在のアメリカ料理と未来への展望、という順で、それぞれについてのクックブックを紹介しつつ自在に語っていくエッセイだ。著者の東理夫には、ロバート・B・パーカーの「スペンサー・シリーズ」に登場する料理について書いた『スペンサーの料理』(早川書房)という名著があるが、そこでうかがえたアメリカ料理への深い愛情と体験に裏打ちされた該博な知識(東氏の両親は日系カナダ人二世である)が、本書からもひしひしと伝わってくる。トウモロコシやジャガイモ、トマト、ロブスター、アヴォカド、コショウ、パイナップルなどの食材はもちろん、クランベリー・ソースやミンスミート・パイ、クラムベイク(ハマグリの蒸し焼き)などといった料理法もネイティヴ・アメリカンたちから伝わったこと、自然環境の違いで食べるものがなくて困っていた初期の移民たちに食材の栽培法や料理法を教えたのも彼らであったこと、西部開拓時代に開拓民やカウボーイたちが食べたものの詳細、歴代大統領たちが好きな料理は何だったのか、などなど、アメリカの歴史や文化に多少なりとも興味のある人間にとってはおもしろくてたまらない話題が次々と登場し、僕は数時間でむさぼるように読み終えてしまった。
世の中のグルメ本が陥りがちなイヤミなディレッタンティズムから最も遠く、それでいて民俗学の教科書みたいに無味乾燥な記述でもない著者のスタンスのすがすがしさは、これらの料理を生み、そして現在でも変化しつづける「アメリカ文化」への愛の現れだろう。パンケーキの上にフライドエッグを乗せ、そこに甘いシロップをたっぷりとかけたアメリカの典型的な朝食がたまらなく食べたくなる! (bk1ブックナビゲーター:村井康司/ジャズ評論家・編集者 2000.7.11)
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