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「孤愁の岸」を読んでる最中、やはりどうしても昔読んだ宝暦治水について書かれた子供の本を読みたくなり、ネットで探してようやく見つけました。
「千本松原」という題名には、ほとんど記憶は残っていなかったのですが、なんとなく「これだ」という気がしてさらに調べてみるとビンゴ。
全部読み終えてみても、これを小学校の時に読んだという記憶はやはり皆無だったのですが、たった一つ、話の中で、美濃の百姓が治水に来た薩摩藩の武士から「よかひがつづっもんどな」と薩摩弁で話しかけられ、百姓が後日その言葉を真似して「よかひがつづきますな」と答えたシーンがあったことだけは、深く記憶に焼き付いていたのです、それはたしかにありました。(正確には、「よかひが」ではなく「よかひよいが」でしたが)
このシーンを読んで、やはりこの本が探していた本だったことを確信。安心して最後まで読みました。
児童書とはいえ、描写はリアルでキャラクタは立ち、ストーリーもスリリングでなかなかどうしておもしろいものでした。特に、「孤愁の岸」は薩摩武士の側から描かれているのに対して、「千本松原」は美濃の百姓側中心の描写なので、併せて読むとより深く当時の状況が納得できました。
父の故郷鹿児島と、妻の実家のある岐阜を結びつけ、そして4年間住んだ四日市からも指呼の距離にあった千本松原でのこのすさまじい事件。今までうかつにも知らなかったことを、本当にもったいなく思いました。
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これも小学5年生のとき担任の先生が読んでくれた。
今思えばその先生が読んでくれた本は全部面白かった。
自分じゃ選ばないジャンルだったからこそ、
有り難かったな。
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命がけの河川工事を描く、勇ましくも悲しい物語。
江戸時代中期、美濃の国の木曽川、長良川、伊尾川に囲まれた村で生きる少年与吉と百姓たち。洪水に苦しむ彼らを救うため、大規模な河川工事を指揮したのは、遠く離れた薩摩の侍たちだった。困難な工事の労苦を共にする中で、美濃の百姓と薩摩の侍の間に、いつしか絆が芽生えていく。
「百姓は土地がいのちじゃ、地獄の底のようなところでも、しがみついて生きてかんならんのじゃ。」