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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
老夫婦や、周りの人間から噂として広まっていくことが真反対になるように、人間の考えることはこうも変わってしまうのかとかなしさを覚えましたが、人間とはこういうものだなと確かに感じました。
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投稿者:狂人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小川未明のこの作品は幻想小説にも乗っていて、神秘的なお話です。いわさきちひろの素朴な挿し絵で絵本になっていますが、少し大きくなってから読んであげたい。
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投稿者:なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見こわいおはなしに聞こえて子供はいやがりましたが、私は切なく心に残るおはなしでした。
子供ももう少し大きくなったらわかってくれるかな?
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この本を読むと、やっぱり中原中也の詩、「海にいるのは、あれは人魚ではないのです。海にいるのは、狼ばかり。。。」というような(すみません、ハッキリとはおぼえていません)詩がつい、思い出される。
中也も金沢生まれ、未明も新潟生まれだから、やはり、日本海の荒涼とした海を背景に作られた作品だからなのだろう。新潟の水族館などに行くと、ときどき、この話の人形劇を映画にして、上映している。幼い頃、母に「早く帰ってこないと、捕まえられて、サーカスの人たちに売られちゃうよ」とよく怒られた記憶があるが(サーカスの人たちに失礼ですよね!)、薄暗い夕方の物悲しい気分と相まって、泣きそうになった。そんなことを思い出させる。
石井桃子やいぬいとみこ等による児童文学の記念碑的評論集「子どもと文学」(在庫切れ)では、随分、この作品はたたかれていたが、それでもやっぱり子どもをひきつけることは、否定できない。なぜ、ひきつけるのかといえば、このお話の中に、「おそろしいもの」がファンタジーとして登場してくるからだと思う。誘拐犯が子供を監禁してどうのこうのといった生々しい話には、なにか想像力を枯渇させるような物が含まれている。ファンタジーとして登場してくるからこそ、一気に想像力を掻き立てられ、本当は、日常の中に潜んでいるはずの怖ろしいものを、心のどこかで知ることができるのだと思う。
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これ小さい頃に読んでトラウマになった。
でも今改めて読んだらそんなことなかったなー。
童話系っていい人はずっといい人なのにこれはいい人→悪人になるんだよね。めずらしい…。
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いわさきちひろの未完の遺作。
この画家の描く少女のきゅっと上がった目尻がとても好きです。
いろんな意味で大切な一冊となりました。
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物語の「人魚」といえば、大概はネズミー小・人魚らへんなんじゃないかと思うが、私にとってはこれだった。囲われモノでも、愛されてれば幸せなのに。それ以上何も求めてなんかいなかったのに。
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カテゴリに悩む一冊です。
作家は皆さんご存知の小川未明ですが、この本に限っては「いわさきちひろ」の絵に惹かれ購入したからです。
しかも未完のまま遺作となってしまったにも関わらず発行されたという曰くものです。
病魔と闘いながらも最後まで筆を折らなかったちひろさんの気持ちが絵から伝わってくる一冊です。
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小学生のときに読んだきりだったのを、青空文庫アプリをとった機会に再読。心変わりの怖ろしさ。赤い蝋燭を見てみたくてしょうがなかったのを思い出した。
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人間はきっと、魚よりけだものより人情深いに違いない…北方の海の人魚は、そう信じて人間の住む町に子供を産み落とす。蝋燭をあきなっている老夫婦に拾われた人魚の娘は美しくかしこく育っていくのだったが…。美しくも悲しい人魚の娘の物語といわさきちひろさんの絵がとても合っていて、深く感動しました。この作品がいわさきちひろさんの遺作であったことをはじめて知りました。蝋燭に赤い絵の具で絵を黙々と描く人魚の娘の姿と、病の痛みに耐えながら物語の世界を描いているいわさきちひろさんの姿が重なって、より美しさと悲しさが感じられるようでもありました。それにしても人間とはなんと欲に弱いのでしょうか。ささやかながらも幸せな日々を大切にしていくことは出来なかったのでしょうか。人間の欲望は青く荒れ狂う北方の海よりも深くて恐ろしいのかもしれません。
この作品を読んで小川未明が日本のアンデルセンと言われる理由がわかる気がしました。
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誰しもが持っている心の弱さや欲深さ、人間が外道に落ちる呆気なさが生々しく描かれた作品。
人魚の母の思いとは裏腹に壮絶な人生を歩む娘には心が締め付けられました。
桃太郎の鬼のような明確な「悪」は存在せず、何の変哲もない普通の人間が欲にまみれ、途端に人の道を踏み外すところに唖然とし、同時に自分の中に潜む心の弱さをも認識して恐怖を感じました。
序盤で善良な人間として描かれていた老夫婦が欲望に呑み込まれる姿には寒気すら覚えるほどです。
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オーディオブックで家事をしながら聞いた。人魚がかわいそうで悲しくて胸が詰まった。人間はなんて欲深く愚かなんだろう。昔、持っていたいわさきちひろさんの絵本の中の女の子の黒い瞳を思い出していた。女の子は海に帰って幸せになったのだろうか?母親の仕返しのところで終わっているので怖いままだ。だから、ずっと心に残っているのかもしれない。