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紙の本
なかなか面白い見解や分析もあるが、わかりやすくはない
2007/10/21 11:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「まえがきにかえて」から「あとがき」まで全222ページであるが、60ページ以上読んでも、主題・趣旨が何なのか理解できなかった。本書の題名は「日本人の発想」とあるが、対象範囲をしぼりきれていないのではかろうか。また、使われている用語と表現が高踏で、一般大衆向けではないようにも感じる。そもそも新書は、素人向けにわかりやすく書くものではないのか。
社会科学でもそうであろうが、学術論文というものは、まず先人の業績や現在の到達地点を明確にしてから、自分がどこまで歩を進めたか、どんなこれまで分からなかったことを解明したのかを示すものであろう。この本もその手順を踏んでいるようである。しかし、どこまでが先人の業績で、どこから著者の見解なのか、分かりにくかった。ほとんど全文を読み終わる頃になって、ようやく分かりかけてきた。なかなか面白い見解や分析もある。たとえば、「わが国においては、文化的には〈育成〉文か、社会的には〈馴化〉強制、政治的には〈帰嚮〉原理を基本的なモデルとして考察するならば、その現実をかなりよく捉えることができるのではないか。明治以降の日本は、西欧化=近代化によって巨大でめまぐるしい変動を経験したわけだが、そこでは、資本制産業化によって、〈制作〉分化を、異国民との接触によって〈異化〉強制を、対外緊張と階級分化とによって、〈支配〉原理を受け入れてきたから、激しい変動のなかで異質なものの混合、変質、または還元がくりかえされてきたにちがいない。」という文章など。
あとがきによれば、さまざまな機会に書いたものを集めて一冊にまとめたものという。まとめきれていないようにも思う。個々の考えの熟成、掘下げが不十分でもあるようだ。
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