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ヨーロッパ人の世界観の変遷を知ることができる1冊。特に大航海時代の部分が興味深かった。コロンブスがトスカネリの地球球体説を信じ西に向かい、発見した島嶼群を西インド諸島と名づけたのは有名な話。彼は生涯そこをインド近くと信じて疑わなかったのだが、現在の世界地図を見ていても、なぜ彼がそのような間違いをしたのか見えてこない。この本を読むとなぜかがわかる。岡崎勝世氏の『世界史とヨーロッパ』と合わせて読むといいと思う。
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地図と共に世界史をおさらい。国の興亡とともに鮮明になっていく世界地図の姿が、平易な解説と共にわかる。惜しむらくは、執筆年度が古い上に著者が逝去し、改訂が行われていない点である。よって、80年以降の記述がない。
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はじめに
図版目録
第1章 地図の起源
第2章 ギリシア・ローマ時代の地図
第3章 中世における世界図の退歩
第4章 近代地図のはじまり
第5章 地理的発見時代の地図
第6章 世界図における新大陸
第7章 メルカトルから近・現代地図へ
第8章 中国における地図の発達
むすび
(目次より)
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未知の土地へのあこがれと征服欲、当時の世界観や測量技術の水準……。1枚の古地図が語りかけるものは無限だ。現代の常識からすれば、奇怪な形の古地図には、しかしこの地球を知りつくしたいという、人間のしたたかな意志が秘められている。さまざまな世界観を示す地図の歴史は、さながら人類の地球征服の絵巻である。本書は、未開民族からメルカトルをへて現代にいたる地図の変遷をつづった快著。(講談社)
地図の歴史に興味があって読んでみた。昔の地図には制作者の思想や願望が反映されており、現代の視点で見ると奇妙なものが多い。逆にアイデア次第で、自分の地図を作ることも可能だ。地図の歴史を読んでいて、そんな事を考えた。
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中学校の地理の時間、メルカトル図法、サンソン図法、モルワイデ図法、正距方位図法とか習ったかな。
1時間もかけず、あっさり通り過ぎたような気が。
でも、今なら、地図が描かれるには必然性があったことも理解できるし、近代図法がオランダで確立するのかといった背景にも関心が持てる。
...というより、メルカトルがオランダ人だったとは、本書で初めて知った。
それから、古代や中世のエジプト、ギリシャ、ローマの地図の特徴も、イスラムの地図の正確さも面白い。
中国の地図の歴史についても章がある。
あれ?記述が少ないな、とおもったが、11世紀以前のものが伝わっていないからだそうだ。
ただ、死海文書みたいに、中国でも考古学的な発見がなされていると聞く。
本書の刊行後、もしかすると状況が変わっているのかもしれない。
本書を古書店で購入。
刊記をみると、第一刷が1974年、私の手元にある版では2001年に出た25刷とのこと。
その道の大家が、退官後、自身の研究の集大成を一般向けに書くという、古き良き頃の新書だ。
今はGPSなど、測量技術も相当変わってきている。
著者自身が最新の事情を増補するということは、ご年齢的に望めないのだろうけれど、誰か書き加えてくれないかな?