紙の本
素朴で愉快
2021/12/17 09:14
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投稿者:魔法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集となっていて、一話目のタイトルにもなっている「山の上の火」からとても良いお話しに、惹き込まれます。素朴な人々、又、知恵が身を助くというようなとても良いお話しがこれ以降も続きます。
全体を通して、素朴で、飾り気のないシンプルな人々や、生き物の姿に、アフリカ、そしてエチオピアという国のおおらかさや純粋さなどを想像させてくれます。
こんな風に世界のいろんなお国のお話を楽しく読める、岩波おはなしの本はやっぱり良い本だなあと、しみじみ思います。
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とっても楽しいエチオピアの民話集。真っ正直な人、おろかな人、まぬけな人がたくさん出てきて、じつにバカバカしいことが大真面目にくりひろげられるのだが、みんないじらしくて、こっちもなんともいえず元気になれる。よく知られたヨーロッパ民話にしばしばみられる皮肉や残酷性といったものは微塵もない、力の抜けた、明るいユーモアに包まれている。そうして笑ったあと、最後に配された「黄金の土」は、楽しい物語が生まれた土壌=祖国に対する尊厳がこめられていて、しずかな感動をよぶ。本書は、隠れた名著ではないか。
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他の地域の話として読んだことのある話がいくつかあった。意外にも文明の交錯する土地なのか、エチオピア。意外にもも何も、そもそもエチオピアについて何も知らないことに気づく。
表題作も、トルコのホジャの話にそっくりなものがある。が、ホジャが笑い話であるのに対して、こちらは深い感動をたたえた話。ストーリーはほとんど同じなのに。このことから喜劇の本質について何か考察できそうな気がするが、今のところ「気がする」だけである。
なお、「アラーの神さま」という表現が気になった。ありがちな誤解ではあるが、アラー=The Godであって、アラーの神なるものが存在するわけではない。
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2011.6.17これは面白い。3〜8分くらいの短編がいくつか。3〜4年生くらいからなら、このおかしみがわかるだろう。続きがあるなら読みたいくらい。挿絵が大好きな土方さんというのも、手にとった理由。
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語りの仲間に奨められたグラの木こりが入っているので、読みました。
とてもとても私のいまの力ではこの愉快なお話の楽しさは伝えられないけど、いつか語ってみたいお話がいっぱいありました。
でもエチオピアの事ってホントに何にも知らなかったなぁって思いました。
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昔ばなしをテーマにいろんな国の物語を楽しみました
アフリカ、ノルウェーやグリム、日本からは「たにし長者」
●エチオピアの12人が11人っていうお話(タイトル忘れた)
面白かったなぁ!めっちゃハッピーな(笑)
●おやじさんのおやじさんの…が7人も!ちょっとホラーでしたが(^^;
●ヘンゼルとグレーテルは、改めて読むと壮絶(^^;
●たにし長者は、いい人ばかりが出て来ていい気持になるね
そのほか、かちかち山やがらがらどんの話題がでて楽しかったです
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長女が、初めて…
「今日の朝読みで読んでもらった絵本面白かった!図書館にリクエストして!」
と、5年生の時言ったのがこの本。
1年生から月1回読んでもらっているのにね。
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「エーガル・シエットたたかいにいく」っていうのが、うまのほうこうをかえるやりかたがわかんなくてたたかえなかったからおもしろかった。
※図書館で借りた本。短編がたくさん。気に入ったのもいろいろあったようです。
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「山の上の火」
ストーリーテリング用に借りました。
本のタイトルになっている「山の上の火」ほか、全部で15のお話がのっています。
どれも、とんちのきいたお話で、副題にあるように「たのしいお話」です。
日本の昔話とも、グリムの話とも一味違い、エチオピア(アフリカ)に対しても自然に興味がわくかなあと思います。
適度な挿し絵と今でも十分読みやすい訳で、親子で読むのも、小学生が一人で読むのもおすすめです。
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エチオピアの昔話
「アフリカで最も古い独立国の1つエチオピアには,イスラム文化の香りの感じられる珍しいお話がたくさんあります.遠くの山に燃える火に励まされて一夜をあかす少年の話や,こっけいな話など14編.」
(◎=おもしろかった、人に聞かせたいと思った話)
◎山の上の火
「凍えるようなつめたい風の吹くスルタ山の上で、一晩中裸でつったったまんま夜を明かすことができた者に、畑と家畜をやる」。これを聞いた少年アルハは物知りじいさんに相談しこれに挑戦、無事に山で一夜を明かす。しかしは話を持ち掛けた金持ちは賞品をくれない。途方にくれたアルハを物知りじいさんとその師匠が知恵で助ける。
・12分 小4~大人向き。賭け事とは何かを最初に子どもに説明するとよいかも。登場人物ちょっと多いけど、なるほどなぁと感心、納得できる話(年齢の低い子は後半の結末がすぐには納得できない子もいるらしい)。ハッピーエンド。少年が頑張って賭けに勝つ姿が楽しいと思う。
●グラの木こり
「そんな木の切り方をしていたら落ちて死ぬぞ~」と坊さんに忠告された木こり。忠告通り落っこちてしまったので、「あぁ坊さんは正しかった。ということはおれは死んでしまったのだな」と木こりは勘違い。友人に運ばれても奥さんが来ても、自分は死んでしまっているんだと主張する。ナンセンス話。
落語の粗忽長屋みたい。
小4~
●はんたいばかりのおかみさん
旦那の言ったことの反対ばかりやる困ったおかみさん。コーヒーが飲みたいと言えばホットケーキを出し、石で丸い家を建てようと言えば粘土で四角い家を建てるのがよいという。嵐の日に、旦那が本気で「危ない!」と言ったのにおかみさんは反対のことをしてしまい、川に流される。
・小4~
(感想:緊急事態とはいえ、反対の反対を言えばよいということをだんなさんが思いついたのなら嵐の時も反対の反対を言えばよかったのになぁ!それにしても、「あの奥さんのことだから反対側に流れているだろう」と川上を探す人々の姿はシュール 笑)
●おつかいにいったロバ
せまい山道でロバを連れた男がロバを連れた男に出会う。男と男が立ち話をしているとロバとロバも鼻をすりよせあった。ロバは鼻をすりよせあって何をおしゃべりをしていると思う?という小噺。
◎アディ・ニハァスの英雄
12人の男が粉をひいてもらうために村から町へと出かけた。帰りの森の中で、男の一人が「12人、全員無事にいるだろうか?」と心配し、数えたところ11人しかいない(自分数え忘れ)。1人虎に食われた!?武器も持たずに戦って、なんて勇敢な奴なんだ(泣)!と男たちは泣きながら村に帰る。村の少女に12人いるよ?と指摘され、「無事に村に戻ってきた!!英雄だ!!」と村に英雄伝説が生まれる。ふふふ。
・小4~大人
◎ヤギの井戸
井戸に落ちたヤギをウォハリアという男が発見。その後ラクダに飲ませる水を求めてやってきた商人に、ウォハリアは「ここ���ヤギ出てくるヤギの井戸ですよ」と嘘をつき、商人のラクダ三頭とアズキモロコシの袋を引き換えに井戸をゆずる。だまされたと気付いた商人はウォハリアを探す。
・ウォハリアの名前が『どこでおどるべぇ』だと聞かされた商人が、村の人に居場所を聞いてまわる度に「ここでおどれとボンゴを持って集まってくるのが面白い。ラストは解決してハッピーな商人が躍るのもかわいい。
・小4~
●かしこいトタ
弱くていじめられっこのサルのトタ。トタはかしこいサルだった。じぶんをいじめていたヒョウと、バブーン(ヒヒ)を小さいサルがやっつける!
・小3~
・サルはバブーンにも日頃いじめられてたんかな?
●しょうぎばん
とりかえっこ話。お父さんにもらったしょうぎばん、大事にしていたのに火にくべられちゃった!男の子が泣いていたらかわりにナイフをもらった。そのナイフがこわれて代わりに槍をもらった。⇒馬⇒斧⇒木の棒⇒しょうぎばんをもらう。お父さんは男の子がいろいろ取り換えっこしたのに気づいていなというオチ。
アブナワスはどうしておいだされたか
賢くて有名なアブナワスという男。ネグース王のところへ行って御殿の番人にしてもらう。
・・ここから先は、ルーマニアの「りこうなお妃」と話いっしょ。日本でいうと一休さん。
(でもちょっとアブナワス屁理屈言い過ぎて腹立つなぁ 笑)
●ものいうヤギ
ヤギがしゃべるよ~なんか不気味だからお肉にしちゃおう。すると肉のヤギがしゃべる!じゃぁ川に捨ててしまおう。ところがヤギの皮もしゃべる!じゃぁ燃やしてしまおう。ところがその灰もしゃべる!という話。
●おはなしのだいすきな王さま
おはなしを聞くのが大好きな王さま。自分の国ではしらないおはなしはなくなり、周りの国々からおはなしの上手な人を呼んだ。でももっと聞きたくて、「もうたくさんじゃ、やめてくれ!」と言うくらい、たくさんのおはなしをできる人がいたら、ひろい土地と王子様の位をあたえる!」と言う。
日本の昔話にも「果てなし話」があったなぁ。相手が「もうやめて~」というまで続くお話。
●ライオンと野ウサギが、かりにいった
ライオンが野ウサギをつかまえて食べようとする。かしこい野ウサギは知恵をつかってその場を切り抜ける。
・野ウサギは雄牛を料理して食べてまるまる太る
・「いまでもロバは、ライオンにワシのはねでくすぐられたことを思い出しては笑います」え?これが話のラスト??笑笑 好き 笑
●とんだ、ぬけさく
おくさんがおめでたで、喜ぶ旦那さん。ところがどんな子が生まれるか気になる気になる。山で修行している坊さんならわかるだろうと聞きに行く旦那さん。
・笑い話。オチ弱いけどほっこりする。
●エガール・シレット、たたかいにいく
歌声だけは勇ましいエガール・シレット。奥さんにあれ持ってこいこれ持ってこいいいながら支度をさせ、なっかなか出発しない。
●黄金の土
エチオピアの土は黄金の土!探検家たちが去る時は、くつの裏についたエチオピアの土を落として(返して)から去ってね。
訳者��ことば より、メモ:
・エチオピアという国は、アフリカ大陸の北東部にある。紀元前十一世紀から十世紀にかけて、エジプトから独立した古い歴史をもつ王国。国の大部分は高原で、北東部の紅海沿岸から南西部のルドルフ湖にかけて、大渓谷が国を横切っている。東はスマリア、西はスーダン、南はケニア、北はエルトレアの国々に接している。首都のアジスアベバは近代的な都市だが、王国の大部分では、昔ながらの農業や牧畜がおこなわれ、畑ではトウモロコシ・ムギ・コーヒーを作り、ひろい高原では牛やヤギを飼っている。
・エチオピアにはいろいろな種族の人が住み、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、そのほかの宗教を信じる人々もいる。
・エチオピアの昔話の中には、はじめからエチオピアの昔話であったものもあれば、インドやアラビア、スーダンやコンゴーから人々の口伝えでつたわってきたものもある。
・この本に出てくるお話はエチオピアの人たちに親しまれているものばかり。実際にエチオピアの人たちが話すのを聞いて、再話したものである。
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友人がエチオピアに住んでいます。まさかエチオピアの童話を集めた本があるとは!!早速友人に報告しました。
登場する動物や地名、人の名前などはエチオピアならではですが、お話の展開は日本人でも違和感なく楽しめます。
正直、文化的なイメージはなかったので、こんなに多様な物語があることに驚きました。わらしべ長者や一休さんのような話もあり、離れた場所でも似たような物語が継承されていることがとても興味深いです。
インジェラ、食べてみたいな。
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アフリカで最も古い独立国の1つエチオピアには、イスラム文化の香りの感じられる珍しいお話がたくさんあります。明るく元気になれるようないきいきとしたお話を耳からおたのしみください。