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紙の本
『資本論』の焼き直し
2016/02/28 13:22
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投稿者:著作マニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇野派マルクス経済学に興味のある人は必読書になると思います。
ただ、内容がマルクス『資本論』の焼き直しでしかなく、20世紀の日本の経済学が何故宇野に惹かれたのかは理解不能といえる内容でした。
彼は『資本論』の問題個所を修正して、独自の原理論を組み立たと主張していますが、マルクスの問題点を詳しくは主張しておらず、単にメモ書き程度でとどまっています。『経済原論』の構成も、宇野本人が納得するために『資本論』とは異なる構成にしようと試みていますが、結局各章ごとに於いて、マルクスから離れて論を組みたてているわけではなく、どの章も『資本論』の要約で終わっています。なぜわざわざ章構成を変えたのか、その意図をうまく伝えきれていない気がしました。
具体的には、商品の流通で以って初めて所有権規定が行われるのだから、商品の価値を規定するのはまず流通過程を媒介にすることを前提にし、それから労働価値の蓄積が行われるとかなんとか言っておりますが、流通過程を前提にした価値論の経済学として、ミクロ経済学があり、正直真新しいことを述べているわけではなく、逆に何故ミクロ経済学に歩み寄らなかったのか違和感を覚えるレベルではあります。
したがって、宇野派経済学を勉強するなら、当然読むべきですが、「マルクス経済学」を勉強するのであれば、他の原論系の教科書を読むことをお勧めします。探すのには苦労するかと思いますが、『資本論』に忠実な原論系の教科書の方が、「マルクス経済学」を概観するには適しているでしょう。
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