投稿元:
レビューを見る
本書では明治の憲法から戦争、1945年の終戦、そして安保までを扱う。
本書は1966年に発行されており、戦争の衝撃もまだ記憶からそう
薄れてはいない時代の記述とあって、上巻や中巻に見られた
冷静沈着な分析に加え、今後の日本は戦争から何を学び
どうやって進んでいけばよいか、その方法を過去から慎重に学ぼう
という姿勢を感じさせるものとなっている。
2010年の現在に読んでも、読めば読むほど、現在の政治家がやりたい
ことは、100年前とさほど変わっていない、表現方法が変わっている
だけだ、本書を読むと、そういう感じを強く受ける。
『歴史は繰り返す』という、ある意味では陳腐化されてしまった文言を
改めて今噛み締める必要が、我々にはあるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
帝国議会の開設から、条約改正、日清・日露戦争を経て強大になった大日本帝国は、第一次大戦中新たな躍進をとげるが、それとともに国内外の諸矛盾が激化し、ついに中国侵略から太平洋戦争に突入、崩壊を余儀なくされる。
この半世紀に及ぶ波瀾の歴史をダイナミックに描き、現代日本の歴史的位置づけを明確にして将来の展望に及ぶ。
[ 目次 ]
初期議会と政党―民権から国権へ
条約改正と日清戦争―圧迫された国から圧迫する国へ
資本主義の発展―官僚、資本家、地主、民衆
帝国主義への道―日露戦争と朝鮮併合
日露戦争後の内外情勢―帝国主義日本の政治の原型
世界資本主義の全般的危機―第一次世界大戦・ロシア革命と日本
民本主義・米騒動・原内閣―ボナパルチズムへの接近
日本帝国主義の危機―四大矛盾の展開
中国侵略―大日本帝国の崩壊(一)
太平洋戦争―大日本帝国の崩壊(二)
第二次大戦後の日本と世界―日本復興の二つの道
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
(1971.08.20読了)(1971.06.21購入)
*解説目録より*
日本列島の中で、くりひろげられてきたわが民族の歴史―それは、われわれの過去であると同時に現在であり、また未来ともつながっている。特に、維新以後の急速な発展は、世界史上の一つの「謎」であったが、そのような今日の日本国をつくり上げてきた原動力はどこにあるのか。この設問をもって本書は書かれた。戦後歴史学の成果に立脚しつつ独自の歴史観によって貫かれた好個の概説書。
☆井上清さんの本(既読)
「条約改正」井上清著、岩波新書、1955.05.20
「日本の歴史(上)」井上清著、岩波新書、1963.09.25
「日本の歴史(中)」井上清著、岩波新書、1965.10.23