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受験生必読のあらすじ源氏物語
2012/05/30 10:10
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
大和和紀の『あさきゆめみし』が登場するまで、源氏物語のストーリーを知るのに最も分かりやすい本でした。
源氏物語には古いものでは、与謝野晶子や谷崎潤一郎の訳もありましたが、訳文が高校生には難しく読むのに骨が折れました。なんとか歯が立ちそうなのが円地文子訳くらいでした(でも、いずれにしても長かった)。それで、1990年ごろまでの受験生は、この本で源氏のあらすじを知った人が多いと思います。
現在では、マンガだけでも大和和紀以外に江川達也、みはしまり、小泉吉宏、嶋木あこなどの作品があります。
また、現在の高校生のレベルで読める現代語で書かれたものでは、『窯変源氏物語』橋本治、『新源氏物語』田辺聖子、『源氏物語』橋田壽賀子、『源氏物語』瀬戸内寂聴などがあります。ただ、橋田壽賀子の作品以外はかなり長く、橋田壽賀子のは、端折りすぎに思われます。
1.『あさきゆめみし』で、大筋をつかむ。
(男子生徒で、彼女の絵になじめない人は江川達也でもよい。)
2.『光源氏の一生』で、源氏を中心とした流れを読む。
3.時間があれば、瀬戸内寂聴か田辺聖子の『源氏物語』を味わう。
のが、受験生にはお勧めです。さらに、興味がわけばば村上リウさんの解説書を手にするといいと思います。
ということで、版は古いですが、池田弥三郎の『光源氏の一生』は、かなりお薦めです。
紙の本
光源氏の一生
2001/05/02 09:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
光源氏のイメージ。
女が好きで、しょっちゅう色恋沙汰を起こしているような男。大体こういうものじゃないでしょうか? でも、この本を読むと、ちょっとイメージが変ります。光源氏に同情さえしてしまいます。
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内容紹介:日本文学のうえで、光源氏ほど大ぶりで、ゆたかな、陰影に富んだ人間像は、ほかに見当たらない。幼い日の母への思慕、青年期の恋のはなやかさの反面、人間としての、人知れぬあやまち、悩み、挫折を通して自分をみがきあげ、やがて一門の主として成熟していく姿には、尽きない魅力がある。定評ある著者が、光源氏に焦点をあて、源氏物語を現代的に再編成した野心作であり、源氏物語の入門書としても好適である。(出版社・著者より)
資料番号:011275559
請求記号:913.3/ ム
資料区分:文庫・新書
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[ 内容 ]
日本文学のうえで、光源氏ほど大ぶりで、ゆたかな、陰影に富んだ人間像は、ほかに見当たらない。
幼い日の母への思慕、青年期の恋のはなやかさの反面、人間としての、人知れぬあやまち、悩み、挫折を通して自分をみがきあげ、やがて一門の主として成熟していく姿には、尽きない魅力がある。
定評ある著者が、光源氏に焦点をあて、源氏物語を現代的に再編成した野心作であり、源氏物語の入門書としても好適である。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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(1973.09.30読了)(1973.09.22購入)
*解説目録より*
日本最高の文学『源氏物語』を多年研究中の著者が、光源氏の一生に焦点を当てて再構成し、その世界を現代にあますところなく再現。源氏物語入門として最適の書。
☆関連図書(既読)
「源氏物語 巻一」谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.06.10
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源氏物語の入門として購入。
時代背景や生活習慣についての説明があって、非常にうれしい。
光源氏はただの女好きだと思っていたのだけど、
見方が完全に変わってしまった。
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本当に、題名通りの本。
題名通りすぎて、びっくり。
著者独自の見解は抑え目なのかな?
古代の「色好み」が国を得るための手段であったという話や、須磨の土地柄の説明のところは、他の本では見ない内容だったけれど・・・。
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1964年刊行。著者は慶應義塾大学教授・NHK解説委員。なお、折口信夫の弟子筋にあたる。◆源氏物語の主人公光源氏の生涯(勿論、「源氏物語」上の)やその背景事情を網羅的・簡明に解説する。源氏物語(原文でも現代語訳でも)を読む前に一読しておくと、それらが読みやすくなるかもしれない。◇ただ、現代から見ると、光源氏への好意的目線が強すぎる感は否めないか。つまり、男性側への甘さは抜き差し難いか、という印象は残る。
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読みやすくて面白かった!
源氏物語の内容をぎゅっとまとめてあって、
「何となく知っているつもりだけれど、実は良く分かっていない」というライトな人におすすめ。源氏物語読んだ気になる。
そして、「もうちょっと深く知りたいな」と興味をそそられるようになっている。
※宇治十帖は触れていない
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国文学の泰斗による「源氏物語」の入門書。やや古風な言葉づかいながら、この一大絵巻を隅々まで知り尽くした著者だからこそ語れる充実の内容。光源氏を単なる「好色」とは捉えず、文学史上の人物として位置付けている点が印象に残った。
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国文学者の池田弥三郎さんは、「源氏物語」は日本文学の数少ない傑作だけれど、長編のために読み通す人が少ない、そのために大胆にカット、再編集し、光源氏の一生としてまとめています。「源氏」のエッセンスをまず感じて欲しいと願う、その渾身の思いが伝わる一冊になっています。よくまとまっているだけでなく、既に読み込んでいる読者にとっても示唆に富みます。私は源氏の須磨送りについて、「なんの罪でどんな罪を下したのか」が疑問でしたが、本書はその答えを用意していました。ほかにもなるほどと頷く解釈が多くあり、非常な良書だと思いました。
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源氏物語の入門書中の入門書。源氏物語の主人公光源氏の一生をダイジェスト形式でまとめた本である。
たぶん3回目かの読み直し。初めての出会いは、大学生の時、源氏物語の内容を簡単に知っておきたいなあという事で読み始めたと思う。
今回はNHKの大河ドラマに触発され、源氏物語を知っている方がドラマを見る楽しみが増えるなあということで、ざっとおさらいをしようという事で本当に久しぶりに読んでみた。
内容としては、本当にさらっと書いていて、葵の上、紫の上なんてところはわりとあっさりと終わっていた。
その一方で女三宮について、結構ページを割いて、辛辣に手厳しく記述している。
まあ、男の眼から見たらそうなるのかな。
光源氏は、最初から人間として優れていた人物ではなく、いろいろな失敗や挫折を通じて人間としての成長を描いている。考えれば、生まれながらの美貌と血筋だけの人物であれば54帖も続かないよね。
そして、そこに輪廻であったり、罪障であったりといった思想が交わっていく。
今から1000年も前の本が、今でも多くの人達が読み、そして新しい見方が増えて行っている。
源氏物語という日本文学の最高峰ともいえる小説を今でも読むことが出来る幸せを感じる。