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紙の本
かわいい表紙にひかれたが…
2002/11/23 10:48
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真愛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書コーナーにあった緑の中に首にすずをつけたほわほわのかわいいこひつじ。私は一瞬で虜になってしまいました。「きっとかわいいお話だ」と単純に考えながら。家に帰り早速見てみると、その内容はあまりにも表紙とのギャップがありすぎるものでした。無邪気なこひつじチリン。山の悪おおかみのウォーによって母親を殺されてからチリンにあるひとつの感情が生まれる。チリンはウォーに弟子入りをしました。そして3年が経ち、無邪気なこひつじチリンの姿は変貌しました。その時です、3年間、心に秘めていた考えを実行したのは。チリンはそれで自分の心が晴れると思っていたのでしょう。ところが、それに反し心は晴れるどころか、もやもやがあふれるばかり。ひとりぼっちになったチリン。そのすずの音が何処からともなく聴こえてくる…そんなところでこのお話は終わっています。読み終わった後こんなに悲しさが残る絵本を読んだのは久々だな、と思いました。チリン。チリンの母、ウォー。それぞれに生まれた感情のお話といっても良いでしょう。
紙の本
チリンの鈴で思い出す
2014/01/18 19:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
「アンパンマン」の作者、やなせ・たかし氏による絵本。
同氏の「わたしが正義について語るなら」(ポプラ新書)の中で、本書の事が語られて(ほぼネタバレだが)いたので、気になり、実際に読んでみたくなった。
主人公は子羊のチリン。
母親と平和に暮らしていたが、ある夜、牧場が狼のウォーに襲われ、チリン以外は全員、死んでしまう。
生き残ったチリンは、ウォーの下に行き、こんな事を言い始めた。
「僕もあなたのような強い狼になりたい。僕をあなたの弟子にして下さい。」
羊が狼になれるわけはないが、チリンには狙いがあった。
「ウォーより強くなって、母親の仇を討つ」
という狙いが・・・。
子供向けの絵本ではあるが、単純な勧善懲悪モノではない。
「悪人(狼)」であっても、暖かい心もあるし、「正義」と「悪」が逆転する事もある。
単純に分ける事などできない、といった内容。
子供向けとは思えない程、重いテーマを扱っている。
初期のウルトラシリーズで、時々、ビックリする程、重いテーマを扱っていた、という事を思い出させる。
作り手側は「今は分からなくてもいいから、こういう問題がある、という事を見せておきたい」という想いから、そのようなエピソードを作ったらしい。
本書も同じような想いから作られたのだろう。
奥付を見ると、初版が1978年に出版され、25刷を重ねている。
作者の想いが伝わったかは、この事実だけで明確だろう。
ところで、考えすぎかもしれないが、本書のストーリーの構成で気が付いた事が一つ。
本書の冒頭
「チリンの鈴で思い出す。
やさしいまつげを
微笑を
チリンの鈴で思い出す。
この世の寂しさ また悲しみ」
とある。
(これだけでも、その内容に「本当に子供向け!?」と思ってしまった。)
最後まで読むと、ラストに出てくる「鈴の音」が、この冒頭の「チリンの鈴」と繋がっている事に気が付く。
おそらく本書はラストシーンから始まる物語なのだろう。
紙の本
可愛い表紙だけど結末は衝撃的
2017/05/27 20:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
母を殺された子羊チリンが仇のオオカミに弟子入り。なぜ?衝撃の結末。
相手を憎むエネルギーって一番強いと言われますが、愛情はもしかしてそれを上回るのかもしれないと思えるお話し。
やなせたかしの深い深いメッセージがこもってます。
いろいろ考えさせられます。
紙の本
すずは今もなる
2016/09/11 11:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アリッサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の愛らしい子羊・チリン
しかし内容は重く・そして深いお話です。
お母さんをオオカミのウォーに殺されたチリンは、
仇を討つためウォーに弟子入りし力をつけ、その機会をうかがいます。
そしてある日そのチャンスがきますが…。
復讐の先にあったあったものとは?
紙の本
悲しみ
2016/11/26 08:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
チリンの悲しみ…ちょっと子供にはこの複雑な感情が理解できているかはわからないけど、いい話だと思います。今は今で楽しんでいますけど、大きくなってからまた感じるものがありそうです。