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『イギリスと日本』の続刊です。
印象としては、前著よりもテーマが「国民性と社会」ということもあってか読みやすかったです。
イギリス人の労働意識であるとか、階級意識の実態であるとか、表面からではわからない感覚を、肌で感じた著者からみた視点で描かれており、この2冊を読んだだけでも大分自分のイギリスに対する無知を実感するにいたりました。
30年以上前の本ですが、今に通じてきているものと思いますし、一冊でなかなかの情報量だと思います。
「日本病」の記述等では、日本を見つめるきっかけにもなりましたし、また歴史的側面からのイギリスや日本も学んでみたいと思うようになりました。
この著書はどちらかというと経済と教育、社会体制に視点を置かれていたように思います。
基礎を固める上でとても参考になる一冊でした。
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[ 内容 ]
イギリスは日本に比べてはるかに固定的な階級社会であると一般にいわれるが、果してそうであろうか。
長年ロンドン大学で理論経済学を講じている著者が、前著における教育と経済についての鋭い問題提起をふまえて、テーマを両国の国民性と社会の比較に発展させて論ずる。
イギリスとの対比の中で日本近代の特質が浮き彫りにされる。
[ 目次 ]
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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前著『イギリスと日本―その教育と経済』(岩波新書)とおなじく、日本とイギリスの教育や経済の比較を中心とする文化論です。今回は、両国の社会構造の違いに多少立ち入って考察が展開されています。
また本書の後半では、明治維新以降の近代日本のあゆみを、著者自身の観点から批判的に考察しています。とはいえ、ウェーバーやギデンズに比肩するような著者の近代化論が展開されているわけではなく、あくまで著者自身の見聞を中心にした比較文明論的なエッセイというべき内容になっており、肩の力を抜いて読むことができるようになっています。